山行No.3819   只見川二岐川本流(平ヶ岳先ノ沢)
と   き :2002年10月12日
メンバー :中村仁(リーダー)、谷内佳子、田中克久

  10月12日
    雨池橋(11:30)〜二岐林道〜檜枝岐小屋跡先の河原(14:30)

 朝6:00に橋本に集合し、車で圏央道から関越へ、小出ICで下り、シルバーラインから雨池橋を目指す。天気は上々で何の心配もない。唯一心配なのは、出がけにくらった魔女の一刺し(ギックリ腰)だ。夏合宿前に丹波川本流でなったばかりなのに、やっぱり年のせいか。しかし、今シーズン最後となるかもしれない絶好のチャンスを逃すわけにはいかない。
 平ガ岳はやっぱり遠く、雨池橋に着いたのは11:00で、出発は11:30になってしまった。中ノ岐林道入口のゲートから30分近く歩くと二岐川の出合で、美しいナメ滝をかけて出合っていた。二岐林道は10分ほど上流側の橋からだ。さらに1時間ほど行くと作業後屋があり、そのわずか手前が結構深い湿地帯となっていたため、ここでウェディングシュースに履き替えた。作業小屋までは明瞭な林道だったのだが、そこから先は踏み跡程度となり、進むにつれヤブとなっていた。踏み跡は沢沿いに延々と続き、ヤブは結構濃く、時たまぬかるむ状態であった。やがて小屋沢と思われる枝沢をを過ぎると踏み跡が無くなったが、少し探すと檜枝岐小屋跡が見つかり踏み跡が続いていた。地図では小屋沢の手前に印があるのだが...。そこからしばらく行くと踏み跡は本流の壊れた堰堤のある地点に出た。
 この地点は開けて気持ちのいいところで、堰堤上は平らで幕営に良さそうだった。その先も偵察したところ左岸上が平らで幕営可能だったが、先程の堰堤上に勝るところはなく、時刻もすでに14:30となっていることもあり、幕営することにした。流木も豊富にあり、ほとんど集めるまでもなかった。晴れていたせいか、夜は冷え込んでかなり寒かった。

10月13日
10/13 泊地(7:00)〜平ガ岳先ノ沢遡行〜支尾根上(16:00)〜姫の池(16:50)

 雲一つ無い快晴の朝を迎え、遡行に期待がふくらむ。腰も何とか持ちそうだ。朝焚火のオキが残っており火をつけたが、結局寒いのでテントの中で朝食をとった。遡行を開始するが、北面の沢であるため日が当たらずなかなか暖かくならない。釜や淵が現れるが、とても水に入る気にはなれずへつりか高巻きで越える。きわどいへつりも多々あり、なかなか面白い。滝もほとんどがフリーで登れ、楽しい。登攀具は最初の高巻きがあまり良くなかったのでその後着けたが、使うこともなくどんどん登る。結局ザイルを使用したのは草付きの高巻きで1回とツメの手前の2段10mの2回だけだった。高巻きもそれなりにあったが、それほど悪いものではなく、下降も比較的容易だった。懸垂下降になったのは2回くらいだったと思う。
 核心部といわれる100m6段の大滝も傾斜が弱く、ザイルを必要としなかった。右から取り付き中間でトラバースして左のリッジを登り、一旦下った後左のホールドのないルンゼを突っ張りで登った。滝は延々これでもかと続くが、快適に登れる滝が多かった。
滝が多くほとんど登れる点で、9月に行った谷川のヒツゴー沢に似ていると思った。
 水もかなり減り、ツメも近いかなと思うのだが、滝はなおも続く。ついに、左がつるつるのスラブ滝で右に水流のあるクラックの地点に出た。傾斜は強く、2段10mはあるだろう。ここはクラックを登るしかない。岩はもろそうに見えるが、ホールドはある。ザイルを使用して登ったが、水流で手がしびれる。途中残置ハーケンにくさったシュリンゲがぶら下がっていた。上段も登り、その上のチョックストン下でピッチを切った。
 その少し上で水流が消えていたため、1泊分として一人2〜3gの水を汲んだ。小滝はさらに続いたが、やがてガレから草付きとなり、ルートを選んでつめていった。上方に見える稜線は樹木が鬱蒼としており、ヤブが濃そうだ。薄そうな地点を目指して登り、稜線に出たが、一面のヤブだ。池の岳の支尾根上らしい。時間は16:00であったが、ヤブの中で幕営するわけにもいかず、ヤブをこぐことにする。背丈程のヤブで先が見えないため、南方向を外さないよう進んでいった。ヤブはササとシャクナゲ(?)とハイマツの混合のようだ。できるだけササの多いところを探して進むうちに、ヤブの背丈が低くなり、楽になってきた。1時間弱のヤブこぎで湿原の一端に出た。湿原は一面草モミジで薄くガスがかかり幻想的な雰囲気だ。木道が見あたらないので、仕方なく草原を横切り木道に着くと、そこは姫の池だった。鷹ノ巣方面を示す道標の前に、テントが十分張れそうな大きな板場があったので、ここで幕営することにした。時間は16:50であった。ガスがかかった湿原の彼方に日が沈むところで、
しばしその荘厳な景色に立ちつくすばかりであった。しかし、日が沈むと急に冷え込みがやってきて、あわててテントに入った。

10月14日
姫の池(6:30)〜玉子石(7:00)〜平ガ岳沢出合(7:50)〜中ノ岐林道(10:10)

 朝になると、一面ガスで何も見えない状態だった。この状態では山頂まで行っても何も見えないので、またの機会とし、中ノ岐林道へ下ることとする。林道に下る道は地図に載っていないが、しっかりした道である。玉子石へ向かう途中から右へ分かれている。この登山道は中ノ岐林道を延々歩かねばならないため通常の登山者はほとんど利用しないが、地元旅館では宿泊した人のみを特別にマイクロバスで林道終点まで送迎しているため、かなりの登山者が利用している。この日も下る途中で100人近くの登山者とすれちがった。聞くとマイクロバス3台で入ってきたとのことだった。平ガ岳沢出合(林道終点)に着くと、なるほど3台のマイクロバスが止まっていた。登山者が下りてくるまで待っているらしい。
 林道を歩き出してすぐ、山ぶどうを持った二人の年輩女性に行き会った。話を聞くと、マイクロバスで来たが山に登らないため、運転手が山ぶどう採りに案内してくれたそうだ。このあたりの山ぶどうは地元民の収穫物なので勝手に採ることはできないことを以前平ガ岳沢に来たときに聞いたが、地元のマイクロバス運転手なので話はついているのだろう。二人の女性は谷内さんの背中の荷物を見て大変感心し、我々に山ぶどうを分けてくれた。先の長い林道を山ぶどうを食べながら歩いているうち谷内さんが後方に遅れていった。そのうち後ろから車の音がしたので道を空けると、マイクロバスが止まり中から谷内さんが現れた。先ほどの二人の女性が乗っており、我々二人にも乗れと言ってくれた。時間があるので運転手が二岐林道へ案内する途中谷内さんが一人で歩いているのを見て見過ごせず乗せてくれたらしい。男二人だけだったら通過しただろう。
 二岐林道の分岐で降ろしてもらうと、林道終点まではそれほど遠くなく、早い時間に駐車場に着いた。

 中村