B隊行動記録

 L.田中克久、畑慎一

811日 曇り時々小雨

 白沢登山口(5:15)〜最終水場1500m付近(7:00)〜大凪山(9:15)〜餓鬼岳小屋(12:30)

 先日の台風の影響がまだ残っているのか、朝から空模様はすっきりとしない感じであったが、これから始まる山旅に期待しつつ登山口を出発する。登山口から最終水場までは、沢に掛けられた橋を何度も渡って気持ち良く進む。途中に紅葉の滝・魚止めの滝がある。魚止めの滝は高度があり、少し足を止めて見入ってしまった。最終水場に到着すると小雨が降ってきた。大凪山までは登りの連続。山頂には標識はあったが、展望なし。それから餓鬼岳小屋が見えるまでが非常に長い。小屋は直下まで見えない。初日だというのに足が重い。小屋に着いて幕営。テント場は23人用で5張りくらいが限度。大きいテントは結構厳しい。一休み後、小屋から5分程の餓鬼岳山頂へ。山並ははっきりと見えなかった。初日からこの調子で大丈夫なのだろうか?

812日 雨のち曇り

 餓鬼岳小屋(6:10)〜東沢岳(9:0010:30)〜東沢乗越(11:00)〜燕岳(13:30)〜燕山荘(14:05)〜大天荘(17:45)

 朝から雨。停滞も頭をよぎるが、雨の中をテント撤収して出発する。岩場の尾根を黙々と歩く。岩場・ハシゴと変化があり、飽きない。最後の長いハシゴを降りると、樹林帯に入った。東沢岳に到着。と言っても、ピークは分からなかった。まだ雨はあがらない。踏み跡に従っていくと、道が切れている。引き返すが、他に道はない。ちょっとした藪漕ぎのスタート。どう考えてもおかしい。地図を広げた。東餓鬼岳に向かっていた。ご丁寧にエリアマップには“迷いやすいので注意”とある。ベテラン会員がいたら、どんなにお叱りを受けただろうか?余計な時間を費やして靴はビショビショになったが、藪漕ぎは楽しかった。東沢岳山頂に帰ってきたのは1時間半後であった。この頃、雨があがった。

 そこから乗越までは樹林帯を一気に下る。中房への分岐である。樹林帯の道を上がり、ハシゴを登ると燕岳の稜線である。最高の気分である。高山植物もチラホラ咲いている。夫婦が写真を撮りながら、ゆっくり山旅を楽しんでいる。人影のある燕岳は目前なのに、巻き道が非常に長く感じられた。燕岳山頂は狭く、山荘から空身で来た人々が話し込んでいたので、ずぐに山荘へ下りた。燕山荘に着いた時は良い時間だった事もあり、夏山の賑わいを感じた。

 本日の行動はここで終了としたい所であるが、予定通り大天井岳へ向かう。表銀座縦走コースはこれまでの疲れも感じることなく、快適に歩くことが出来た。ただ天井ヒュッテへの分岐から山荘まではさすがに疲れが出て、相棒を先に行かせた。日が落ちた頃、山荘到着。テント場には大勢の学生パーテイを含むテント村が出来ていた。周りの賑やかさが羨ましかった。

813日 晴れ

 大天荘(5:45)〜大天井岳(5:55)〜大天荘(6:20)〜常念小屋(8:20)〜常念岳(9:50)〜蝶ヶ岳(13:50)

 朝から快晴。雲海からの日の出。振り返れば、槍・穂高の峰々が朝日に照らされている。最高の朝だ。槍ヶ岳方向に行く人が多く、我々と同じ方向は少数派のようだ。まず、山荘から10分程の大天井岳に登る。朝のすがすがしさの中、360度の展望を楽しむ。山荘に戻り、常念方面へ出発。なだらかな稜線と夏らしい青空。東天井岳の肩には雪渓が少し残っていたので休憩をし、ひとときの『涼』を満喫する。そこからハイマツ帯を通過し、横通岳の横を通過。そこからが一気の下り。黙々と下り、常念小屋の建つ乗越に到着。先の雪渓地点からノンストップだったので、結構疲れた。下りと言えども、若いと言えども定期的に休憩は取るべきだった。

 乗越から見上げる常念岳への登りはさすがにバテそうだ。小屋から空身で登る人達に混じって、重装備の我々は一歩ずつ登り始める。一歩ずつを積み重ね、常念岳山頂に立つ。雲は多かったが、槍の穂先も時より姿を見せた。我々は幸せものである。

 20分後、蝶ヶ岳へ向けて出発する。岩場の急な斜面を下る。途中、年配の夫婦に道を譲ってもらう。農作業風の服装で、夫婦がお互いに手を差し出して岩場を通過する姿が何とも印象的であった。

岩場を下りきり、一つピークを過ぎると樹林帯に入る。しばらくすると湿地状になり、小さな池があった。コルを過ぎ、樹林帯の中を蝶槍までの登り。一気に登るつもりだったが、直下15分前位の地点で断念。蝶槍に到着すると、蝶ヶ岳ヒュッテまでの道がはっきりとわかる。もう少しだ。

蝶槍を越えて少ししたハイマツ帯に雷鳥のツガイ?親子?が散歩していた。しばらく観察。我々には気づいているのだろうが、全然気にしている様子はない。トボトボ歩いたり、じっとしていたりして可愛らしい。今まで歩いてきた疲れが取れて、良い触れ合いのひとときであった。

 気分良くヒュッテまで歩く。その日のヒュッテは結構混雑していたようだ。テントも3040張はあった。だが、明日は天気が崩れる予想。何とか明日まで天気がもつ事を期待して寝た。

 814日 雨

 蝶ヶ岳(6:10)〜三又(8:30)

 予想通りの悪天。2日目より強い雨である。この週末に山に入る人達にとっては非常に気の毒な雨となった。我々は餓鬼岳から予定通りの工程をクリアーしてきたので、当初の上高地下山を変更して、最短距離の豊科方面三又へ下山した。雨中の樹林帯の下山。最終日なので雨もへっちゃら。ある意味、雨を楽しみ三又に到着した。

 最後に、穂高の温泉で会った老夫婦の一言が今、思い出される。“大阪から折角来たのにこの雨。

山に入るのを止めました。“ とても残念そうだった。何日も前から夫婦で相談をし、この山行に胸躍らせていた事だろう。改めて我々は幸せ者だと思った。相棒の畑君。頼りないリダーで申し訳なかった。君のお陰で、この山行を無事終えることが出来て感謝している。                                   

                                         以上                                (記:田中克久)

2003年夏合宿について

畑 慎一

 今年の夏合宿は、昨年同様北アルプスでの尾根縦走であったが、天気も昨年同様、いや去年以上に恵まれなかった感じがする。今振り返ると、それもこれも夏合宿準備の時点から始まっていたのかもしれない。今回の合宿においては、準備会に1度も参加できず、結果的に食材以外はすべて任せてしまった。仕事を理由に、自ら後手の行動で、とても受身だったと思う。

 逆に今回の山行は、人数が2人だけということで、どちらかというと、かなり自由にできたのではないかと思う。テントも快適だった。特に雨が今回やたらと降ったため、個人のぬれた衣服等を、広々と使って一度に乾かせることができたし、足を伸ばして寝ることもできた。山行では大天井岳から蝶ヶ岳までの1日が、天気・景色とも最高の日であったと思う。さらには、餓鬼岳から燕岳までの途中で道に迷ったことが思い出深い。とても危険ではあるが、逆に良い経験ができたと思っている。地図とコンパスの大切さがとても身に沁みた。 まだまだルート的には、ほんの1部しか歩んでいないため、また今度長期の休みがあったら、違うルートにチャレンジしたい。次は、裏銀座でも・・・。