2007年度冬山合宿報告
剣岳早月尾根
12月30日(雪)
剣青少年センター(8:00)〜馬場島(10:00〜10:30) 〜松尾平(12:15)
12月29日夜上野駅で待ち合わせ、夜行急行能登で出発した。直前に1名が大宮からの乗車に予定を変更したが、その連絡がうまく伝わらず他のメンバーに心配をかけた。このような場合、確実に連絡したいものだ。
夜行列車は途中の案内放送をしないので、魚津駅では危うく乗り過ごしそうになってしまった。魚津駅は季節外れの雨が降っていた。地下道を通り富山地方鉄道線新魚津駅へ移動し、6:00の始発電車で予定通り上市駅に着いた。依然雨が降っていたので、駅で身支度を整え、予約していた上市交通のジャンボタクシーで馬場島方面に向かった。雨は伊折のだいぶ手前から雪に変わりゲートのある剣青少年センター付近は5〜10cmの積雪となっていた。伊折の駐車スペースにはすでに6〜7台の車があったが、このゲートの前にも車が2台止めてあった。道路の除雪は伊折までと聞いていたので、このまま降り続けばこの2台は雪解けまで閉じ込められてしまうのではないだろうか。
我々が降りると、タクシーは雪を気にしながら足早に降りていった。剣青少年センターの階段下に着替えなどをデポし、歩き始めた。雪の上にはしっかりとトレースがあった。
雪が降っているので、冬用オーバーズボンとオーバーヤッケを着て、さらにフードもかぶって歩いて行ったが、気温はそれほど低くないようで、雪はヤッケを濡らし、暑くも感じた。
馬場島に着くと、すでにテントが3張り程あった。また馬場島荘入口にはこれから出発すると思われるパーテイがいた。雪は相変わらず降っていたが、この日すでに何パーテイか早月尾根に入っているらしく、トレースはしっかり付いているようなので、予定通り松尾平を目指すことにした。東屋で一休みしていると、先ほどのパーテイが出発していった。山岳警備隊詰所でヤマタンを受け取り、我々も出発した。
トレースはしっかりしており、ワカンも必要としなかった。松尾平の手前で一本とっている先行パーテイをいったん抜いたが、少し上で休んでいると再び先行して行った。雪は止むことなく降っているため、時間は早かったが様子を見るためにも少し先で幕営することにした。
幕営地は登山道脇を整地したが、積雪は1.5mくらいか。テントはエスパースジャンボマキシムに内張りとフライを付けた。ワカンは雪面から1mくらい上の木の枝に掛けた。風はなく雪は深々と降り、気温は高めだったため、テントが濡れて通気性が悪くなり、コンロの炎が赤く立ち昇った。このためテントの出入口を時々開けなければならなかった。さらに、夜中になると、テントが雪で圧迫され、また通気性が悪くなり息苦しくなったため、除雪しなければならなかった。
12月31日(雪)
松尾平(8:00)〜馬場島(10:00)
朝になっても雪は一向に止まず、周囲の状況は一変していた。ワカンは雪に埋没しており、掘り出さねばならなかった。もちろんトレースは全くなくなっていた。さらにラジオのニュースでは、この冬一番の寒気が入っており元日にかけて日本海側は大雪になることを告げていた。このような状況で上に向かうのは危険と判断し、一旦馬場島に下りることを決定した。
この状況では登ってくるパーテイは期待できないため、馬場島までラッセルを覚悟しなければならなかった。雪は降り続いていたが、幸いなことに風はほとんど無く視界は良好だった。ラッセルは腰上まであり荷を負ったままでは厳しいので、先頭は空身になった。ルートは赤布と磁石で確認しながらではあったが、確実に進んだ。下り傾斜になったあたりで予想外に登ってくる14〜15人の集団に会った。数パーテイが合体した集団だと思われたが、トレースが松尾平までなのでがっかりするだろう。もっとも、さらに上から下ってくるパーテイがあるかもしれないが。我々もラッセルから解放され、思ったより早く馬場島に着いた。
馬場島はテントも無くひっそりとしていた。以前にも幕営したことのある小屋下にテントを張った。雪は絶えず降り続いており、時折強い風が吹いた。昼を過ぎると下ってきたパーテイがあり、我々の隣にテントを張った。前の日に前後して登っていたパーテイのようだった。
予報ではこの後数日天候の回復は見込めないことがはっきりしたため、次の日に下山することを決定し、大晦日を楽しむことにした。ただ、この積雪状況なので、馬場島から伊折方面のトレース状況と、どこまで車が入れるかわからない点に少し不安はあったが。水は馬場島荘が利用できたのでかなり楽ができた。また、トイレ(水洗)も馬場島荘を利用させてもらえた。
1月1日(雪)
馬場島(9:15)〜伊折(12:30)
元日の朝も雪で明けた。もう急ぐ必要も無いので、ゆっくり雑煮を食べ、出発準備をした。馬場島荘からタクシー会社に電話すると、道路の除雪状況がわからないとのことで断られた。除雪されているところまで下りていってから電話するしかなかった。
馬場島荘には年越しが目的か、あるいは馬場島付近を散策するのが目的かわからないが、沢山の宿泊客がいた。この人たちが我々と同じように歩いて帰るとは思えなかったので、どうするのか訝しく思ったが、後でわかった。
すでに下っていったパーテイがあり、道路にはトレースがあった。しばらく行ったところで、歩きにくいのでワカンをつけようとしていると、後ろから雪上車が来た。上にはザックが載っており、馬場島荘の宿泊客が乗っていた。車が入れるところまで送っていくようだった。雪上車の通った後は圧雪されて歩きやすくなった。入山の際タクシーを降りたゲートのあたりも1m程の積雪で、もちろん除雪されていなかった。駐車していた2台の車の持ち主らしき人が車を動かそうと躍起になっていたが、とても無理のように見えた。剣青少年センターのデポ品をラッセルして回収し、なおも歩かねばならなかった。しかし、伊折の集落で車が見えると、除雪がされていることがわかった。丁度上市交通のジャンボタクシーが来ていたが、我々は呼んでいないので改めて呼んでもらおうとしたところ、どうも呼んだ4人パーテイが時間通り下りてこないらしく、我々を乗せてくれることになった。道路の状況は2日前の入山時とは一変し、一面の雪景色となっていた。途中一時日が差したが、上市駅に着くと再び激しく雪が降り出した。