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いざ南アルプス 小太郎山!

【期日】2025年7月21日(月)~22日(火)【メンバー】L R子、O会長、Nはる(OB)

7月21日(月)晴れ
芦安駐車場(9:00)=広河原(10:00)~白根御池小屋(13:00)(幕営)

 北岳3193mの影に隠れて日の目を見ない小太郎山に登りたいと昨年から考えていたが、O会長、Nはるさんとの日程調整ができて念願かなっての小太郎山へ。
 三連休最終日のため道路は空いており、芦安駐車場には8時に着いたが、倒木の影響で朝からバスは動いておらず、駐車場の警備員からは倒木の処理は終わっているが許可が下りないと通れないとのこと。数日前の落石による通行止めは午後解除になったので、午後には入れるでしょうと説明があり、出発の準備だけして駐車場で待機となる。しかし予想外に早く9時には解除、乗合いタクシーに乗り10時前に広河原に到着することができた。
 久しぶりの広河原、新しく建替えられた広河原山荘はなんだか北アルプスのようなおしゃれな雰囲気。
これまで広河原から入る時はバットレスに取り付くことが多かったため、広河原から御池小屋までのルートは記憶にない。ほとんど散歩気分でスタートしたが、なかなかの急登で泊りのザックも重く、喘ぎながら登る。更にNはるさんの登山靴のソールが剥がれはじめ、テーピング用テープで補修しながら登るが、結局小屋に着くころには両足とも完全に剝がれてしまった。本人はテントシューズとして持ってきたソールの薄い軽量な運動靴に登山靴の中敷きを入れて、これで明日は登れそうだと言う。まあ、行けるところまで行ってみるかと言うことになり、無事登頂を祈って生ビールで乾杯する。
翌朝は4時30分出発として、早めに眠りに就いた。

7月22日(火)晴れ後一時雷雨
御池小屋(4:30)~草スベリ~小太郎尾根分岐(6:20-6:30)~前小太郎山(7:50)~小太郎山(8:15-8:30)~前小太郎山(8:50)~小太郎尾根分岐(10:15-10:25)~二俣・草スベリ分岐下事故現場待機(10:50-11:15)~御池小屋(12:05-13:20)~広河原(15:50)=芦安駐車場(17:10)

 明るくなるのを待って4時半出発。ひと登りするとなつかしのバットレスが姿を現す。若い頃は広河原までマイカーで入ることができたため今より気軽にバットレスに取り付くことができたが、今は広河原から二俣のルートも通行止めで以前よりバットレスを登る人は減っているのではないかと思う。
 急な草スベリを登りようやく本日最高到達点の小太郎尾根分岐2840mに到着。ここから目指す小太郎山2725mにはアップダウンを繰り返し登頂、再びアップダウンを繰り返して登り返さなければならない。ここで初めて北岳を往復するほうがずっと楽だと気が付いた。それでも今日の目標は小太郎山。この日小太郎尾根に入ったのは我々の前を歩く2人パーティと単独の3人のみ。雲ひとつなく、富士山はじめ遠くの山々を眺めながら歩く。アルペンムードいっぱいのハイマツと岩稜のルート、今日の北アルプスは登山者で溢れているだろうに、静かな山歩きを満喫。
 ようやく辿り着いた前小太郎山では先行していた2人パーティが山頂を踏んで戻ってきた。彼らは小太郎尾根分岐にザックをデポしての往復だったが、「いやー小太郎山、舐めていました。」とひとこと。同感です。
無事山頂に到着。吉原さんや谷井さんから沢を詰めて小太郎山に抜けた話を聞いていたので、どこを詰めてきたのだろうと眺めるが、どこもハイマツで藪漕ぎが大変そうだ。しかし山頂の一段下には数張は張れそうな幕営適地がある。ヨレヨレで到着したことも忘れて、ここで幕営したいなと思ってしまう。
 山頂より標高の高い分岐に戻らなければならないので、気合を入れて出発。快晴はありがたいが、とにかく暑い。帰りはアップダウンをできるだけ避けるように巻き気味に踏み跡を拾いながらルート取りをしたが、時々ハイマツ帯に入ってしまう。なんとか分岐に戻り長かったルートを振り返る。満足!
 二俣との分岐を過ぎしばらく下ると、登ってくる人から「この下で要救助者が出て、ヘリが来るので救助が終わるまで下りないでください。」とのこと。5分ほど下ると7、8人ほどが待機していた。間もなくヘリの音がしたかと思うと、目の前でホバーリングして救助隊1名が下降、要救助者を収容して飛び去って行った。単独の登山者が登山道から10mほど滑落したようだが、現場は特別危険と思われる場所でもなく、灌木帯でけがの程度は分からない。3人の若者パーティが要救助者の処置やヘリの誘導を行っていたが、手際良く消防関係か山岳救助に慣れているように感じた。後日特にニュースにもなっていないので、大きなけがではなかったと思う。
 下山を再開して間もなくポツポツと降り始め、雷鳴と共にあっと言う間に雨具を着なければならないほどの降りになった。滑りそうなNはるさんの靴を気にしながら下るが、御池小屋に着くころには雨が上がり雨の中でのテント撤収は免れた。しかし広河原に向けて出発しようとした矢先再び降り始め、激しい雷雨となる。小屋の軒下に逃げ込み様子を見るが目の前は川のようになり、なかなか止む様子はない。それでもO会長は腹が座っているのか、30分もすれば止む、と落ち着いている。1時間近く待って漸く小降りになったので出発。樹林帯に入ったため、それほど雨も気にならないが、木の階段も多く滑らないように慎重に下るため思いのほか時間が掛かった。なんとか最終に間に合う時間に下山でき、乗合いタクシーで芦安駐車場まで帰ることができた。

 今回は様々な予期せぬことが起こり、また小太郎山をちょっと甘く見ていたこともあり、前期高齢者のパーティにはなかなか大変な山行だったが、満足感に浸りながら帰路についた。
(記 R子)