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2025年 親睦山行 八重山

2025年4月6日(日)参加者10名
上野原駅(9:40)~大堀バス停~重山展望台~八重山山源~重山展望台~大堀バス停~上野原駅

毎年、お花見を兼ねて家族、友人、入会希望者が参加できる親山行が行われます。
あいにく、今年は、会員だけの参加となりました。 初めの目的地は、要害山の予定だったが、山行日の1週間前から天気予報の雨マークが取れず、山行リーダーは、ギリギリまで決定を迷わされた。小雨からスタート小雨からスタート!

家を出る時は、日差しもあったが上野駅でバスを待っている間に怪しげな雲行きに。
結局、今日は親睦山行ということで午前中のうちに登って降りてこられる代替案の八重山へ行くことになった。 歩き始めてすぐにバラバラ、バラっと雨が降り出したので下山は、雨の中と覚悟したが、山頂を往復後、これから親睦会と豚汁が出来上がる頃、日差しが出て暖かくなってきて、その後は雨も降らず食べて呑んでで、賑やかな宴会となった。屋根付きの展望台屋根付きの展望台が今日の宴会場

八重山は、上野原小学校の学校林として自然観察、体験活動に利用されているそうで、生物の表示板があちこちにあって、学びながら春の花を探して歩きました。シュンラン、カタクリ、キブシ、登山口の駐車場にあるトイレは、上野原中学校の生徒たちが清掃をしてくれているそうでとてもキレイでした。還暦のお祝いチーフリーダーMさん還暦おめでとうございます!

今年は、開花直言後に気温の低い日があったため、満開の桜がポツポツと林の中にバッチワークのように見え春の良いハイキングとなりました。

T.さつき

会山行・乗鞍 十石山(雪洞訓練)

期間:2025年3月8日~9日
参加者:L:R子、レジェンドY、麻呂、コイケちゃん、おんちゃん、Mr.びーん、だーまや

3月8日(曇)  白骨温泉(9:15)~湯沢ノ平(12:20)
3月9日(晴) 湯沢ノ平(7:15)~十石山山頂(10:00)~湯沢ノ平(11:30)~白骨温泉(13:20)

 今回、雪崩講習と雪洞訓練に参加することとなった。去年登山を始めて、1月に雪山訓練に参加したものの本格的に雪山に登るのは初めてになる。今までは雪山登山をするとは全く考えていなかったので不安と期待でいっぱいだった。冬山装備一式を借りることができ準備を始めた。当日、現地につき教わりながら装備を整え、今までの登山と違う大きなザックを背負い出発する。雪山は想像以上に歩きづらく、雪山訓練で教わった歩き方を思い出しつつ歩いていたが、急登にさしかかると傾斜の恐怖から立つことができずに這って登った。そして、急登が終わればなんとか先輩たちにについて登る事ができた。
雪山

 幕営地につくと、皆でテント張りと雪洞作り。ここではかなり体力を使った。テント下の雪かきや雪洞掘りのスコップは辛かった。先輩たちの体力には頭が下がる。
その後、ビーコン・ゾンデの使い方を教わる。実際に装置を借り使用することができ理解することができた。
テント
 その夜は自分たちで作った雪洞で寝ることができた。雪洞で寝るなんて思ってもいなかったが、寒くもなくぐっすりと眠ることができた。なんと雪洞泊、快適です。

 翌日は、皆で朝食を食べ身支度を整え出発。天気も良く順調に進んだ。しかし、樹林帯を抜けると雪も深くアイゼンを付けた足が全く重く上がらない。傾斜もだんだんきつくなり何度も休みながらやっとの思いで山頂にたどり着く。
山頂

 天気が良いこともあり、山頂は最高の眺望だった。今まで見たことのないような素晴らしい景色であった。しかし山頂は風が強く凍える寒さでゆっくりと過ごすことができなかった。
 今回は初めて雪山に挑戦したが、厳しい寒さや辛い雪道もあったが頂上での眺望や仲間との幕営や食事を楽しむことができた。是非、また雪山にチャレンジしていきたい。そして、雪山装備を揃えなければ…。
景色

文:だーまや

東洋のマッターホルン 大源太山

期日:2024年10月6日
参加者:Lいずっこ、そうべぇ、コイケちゃん、岩沢氷、Kちゃん、サツキ

旭原駐車場(8:46)~謙信ゆかりの道(9:01)~大源太山(12:01-12:30)~謙信ゆかりの道(14:43)~旭原駐車場(14:57)

少々、昔のことであるが振り返りを行いたい。

自他共に認める雨男そうべぇが参加したことが影響したのか、1週間を切ったあたりから天気予報が悪くなり始めたため、それほど悪い予報ではない中央道沿いの茅ヶ岳を3日前に候補地に加え、直前まで迷ったが、関越方面の予報が回復傾向だったため、メンバーの意見も聞き、前日の昼に目的地を決定した。圏央道を走っていた午前6時頃の車窓から見える雲は低く、今にも降り出しそうな空が広がっていたが、群馬県に入るころには高い雲の間から青空も見られ、長い関越トンネルを抜けると青空が広がっていた。到着が8時を優に超えた時刻だったため駐車スペースが心配だったが、ちょうど2台分空いていた。
山

身支度を整え、準備運動もそこそこにスタートした。40分ほど歩いた2箇所目の渡渉点でハプニングが発生する。入会して半年のサツキが渡渉地点に張られたロープに身を任せたところ、振られて水没してしまった。首から下が完全に濡れただけでなく、腕を脱臼し、上がらないとのことで岩沢氷と下山することになった。残りのメンバーは山頂を目指し、ピストンで戻ることにした。この箇所から先は山頂まで急登が続いていた。上越のマッターホルンは伊達ではない。
山頂をめざす

山頂に到着後、コイケちゃんが途中に立ち寄ったコンビニで購入したバースデーエクレアでそうべぇの誕生日を1日遅れで祝い、昼食を取った。Kちゃんも食後のデザートに冷えたシャインマスカットを持ってきてくれた。山頂で長く休んでいたところ、途中で抜かした行田市の山岳会に所属しているという5人組の中に相模原出身のメンバーがいてローカル話にも花が咲いた。山頂からは谷川連峰の山々が見渡せた。大源太山や谷川岳といった急峻な山と仙ノ倉山や巻機山といったたおやかな山が同じ山域にあるのは興味深い。

今回のルートではほぼ全域で携帯電話の電波状況が良くないため、下山した2人の状況が分からず不安だったが、下山後にサツキのけがが大事に至らないものと知ったときは安堵した。
 ハプニングにより計画通りにいかなかったが、少しの注意や周りからの声掛けで防げた事故でもあり、改めてその必要性を実感できた。次に同じような場面に遭遇したときには本人、メンバーとしてどのように行動すべきかよく考え、事故のリスクを減らしていきたい。
リスクを減らす

大室山バリエーションルート実践トレ

日付:令和7年2月23日(日)

参加者:おんちゃん先輩 サツキ

椿大橋付近(7:20)~ヤケハギ尾根取付~前大室~大室山山頂~雨乞岩~椿分岐~943小ピーク~登山口(16:20)

 気持ち良く晴れた日曜日。裏丹沢大室山にてバリルートの実践トレを指導してもらった。内容は地図読み、ロープワーク、ツェルト設営、ロープを使った下山など盛りだくさん。まずは地図読みからスタート。磁北線にコンパスを合わせ、山座同定して、現在地と進行方向を確認する。今まで完全にGPS頼みだった私には、基本であろうこの作業(というより言葉すら知らなかった!)は、新鮮でとても興味深かった。ちょうど先日、伊豆の里山歩きの際にさんざん道迷いをしたばかりだったため、破線ルートの読図は私にとってタイムリーな内容。これは、ぜひ身につけなければと思う。地図読み地図読みをしっかり!

 予定ルートを進み、途中一般登山道に出ると一気に視界がひらけ、富士山がよく見えた。アルプス山脈や相模湾、駿河湾まで見渡せる展望は、期待していなかったため余計にうれしく、まるでご褒美。足元から山頂へ続く木道にも安堵して、何度もスマホカメラのシャッターをきる。登山道からの眺め登山道からの眺め良し!

 その後、山頂近くでロープワークとツェルト設営について教わった。‥昨年11月には、相山協遭難救助講習会でロープワークの基礎を学び、ツェルトについても何パターンか設営方法を学んだ。その日は『よし!』と手応えを感じたものの、しかし3か月後には、すっかり忘れていて、簡易チェストハーネスの装備すら先輩に頼る始末。自分の記憶力の無さには驚かされてばかりである‥。

 さて、いよいよ下山だが、山頂には多少の積雪があり、しかもルートは傾斜が急だったのでチェーンスパイクを装備。地面は凍っていてストックが刺さらないほど。地図と現在地を確認し、迷いやすいポイントに注意を払いながら慎重に歩をすすめる。徐々に雪はなくなり‥地面にストックが刺さるようになり‥土はほろほろと柔らかく、滑りやすくなる。しばらく下りると、傾斜が緩み開けた場所に出たので一息ついた。そこでチェンスパを外す。その後何度かしりもちをついたが、何はともあれ先輩の声掛けのおかげで、最後までルートから外れることなく予定の林道に出た。平坦で整えられた道に心からほっとする。そこから駐車場まではすぐ。朝、澄んだ光に照らされていた景色は、夕陽を受けてやわらかな色合いに変わっていた。残雪のあるルート残雪のあるルート

 はじめてのバリエーションルートは緊張感のある道だったが、その自由度はとても魅力的で奥深いと感じた。朝から夕方まで内容の濃い一日で実践的な学びが多く、充実した時間を過ごせたことに感謝が尽きない。                                           (記:サツキ)

いざ、金ヶ窪沢

2月某日、アイスキャンディのシーズンに入って3回連続の金ヶ窪沢。この沢は、三ッ峠の下部にあり、都内からのアクセスもすこぶる良い。人気のエリアだけあっていつも多数のパーティーが入っており、前回も満足に大滝を登れなかったのでリベンジで計画をした。駐車場から滝までは1時間程度のアプローチ。行ってみると、先行パーティーはいたものの2番手で大滝の左側に取りつく事ができた。
天気は快晴天気は快晴!

我々のパーティの人数は、少ないためトップロープ(以下TR)で遊んでいてもすぐに飽きてしまいそうであったため、ダブルロープで短くピッチを切り、マルチピッチまがいに登ることにした。全部で4P。冷え込んだ今日の氷の状態はなかなか良く、スクリューもがりがりと気持ちよく入る。難なく滝の上部まで登り詰め、せっかくだからと氷結した上部のナメにも足を踏み入れてみた。
登りまーす登りまーす!

頑丈そうな支点になる気を選び、ナメの部分の15メートル程度を懸垂で降り、その後の大滝は60mのダブルロープで一発で降りたが、登っている間に思ったより氷が融けており滝の氷の表面を流れる水でロープを濡らしてしまった。
だいぶ高度感出てきましただいぶ高度感が出てきました!

滝から降りてTRで遊ぶべく濡れたロープを張りに行くが、濡れたロープは今度はしっかり凍ってしまい操作が難しい。摩擦と手で暖め解凍しながらのビレイは難しく、1本ずつ登ったところで、良い時間になっていたので諦めて回収して下山した。

反省メモ:ロープダウンしてロープが濡れてしまいそうであれば、繰り出し懸垂で。

個人山行つづら岩

今回は、奥多摩の岩登りのゲレンデのつづら岩にマルチピッチの練習に来ました。

暁山岳会から離れて、相模原市山岳協会所属の岩登りに強い「やまじ会」から、岩の伝道師「Mさん」と「Kさん」と新人のHくん」、相模健康山の会さわらびから、バックカントリーから沢登り、岩登りと何でもこなす「KJくん」と5人のパーティで、千足バス停にある有料駐車場で1000円を払い早速入山。
山肌

いまのところ、他の岩登りのパーティは見当たらない。貸切だといいなぁ。
つづら岩は岩までのアプローチが長く、最後がものすごい急登。彩滝を過ぎると取付く「馬頭刈尾根」は馬の首のたてがみ部分を登るような急登でした。このまま、山頂まで突き上げてしまうのではないかと思ったが、2時間ほど歩いてようやくつづら岩の基部に到着。11月も最後の週末なので、日陰はピリッとした寒さ。見上げるつづら岩は切り立っていて、迫力満点。MさんとH君と私がダブルロープで、パーティを編成し、KさんとKJ君はシングルロープでザイルを結んだ。
山登

最初に取り付いたのは、左ルート。簡単だよというが出だしから渋い。
何とか引き上げてもらい山頂へ。山頂から見る南面の富士山はとっても綺麗。今年は遅れていたが5合目付近まで、雪も積もっているように見える。
「十分楽しめたので、もう帰ってもいいくらいだ。」と軽口をたたきながらの50メートルロープをダブルで一気に懸垂下降。
山高い

次は、シングルロープで残置してもらった右クラックルートを登る。高度感は満点だ。隣で一般ルートを登るKさん、KJ君のペアが四苦八苦している。上部のトラバースが嫌らしい様子。では次は「一般ルートを登りましょう」とMさんに声を掛けられたが聞こえないふりをした(笑)出だしが少し厳しいが、トラバースまでは快適。問題のトラバースも、高巻きするように少し上がってからトラバースすると、何とか通過することが出来た。最後の詰め上がりの箇所が、ホールド少なく、ちょっと厄介。H君もだいぶ時間を掛けていた。
トップロープ

その後も、トップロープを使ってアイゼン・アックストレーニングなどを行い。気が付くともう16時になっていた。
皆ヘッドランプを準備して下山。下山は1時間ちょっとで降ることが出来た。みな、愉しい岩登りに満足げだ。
完登

こうした山岳会を跨いだ交流もまた、山岳会の醍醐味だと思う。もっと練習をして、他の山岳会の皆さんにも負けないように頑張らなくてはと思う。(文:コイケちゃん)

八海山集中・高倉沢 DAY2

9月15日(日)晴れ後曇り後雨

幕営地(5:10)~尾根取付(7:30)~入道岳北尾根上(10:50)~登山道上(11:35)~入道岳(10:50)~千本檜小屋(13:00-13:25)~八海山ロープウェイ山頂駅(14:55)

 

朝3時半起床。直後星々の瞬きは皆無だったが、徐々に煌めき出す。準備しているうちに周囲は明け始め、不要になったヘッ電をザックに収めて、テン場を後にした。

直後からは延々とゴーロ帯が続いていて、難無く高度を上げて行く。昨日行動不能に陥った勝田も、確り休憩を取ったためか、快調なペースで進む。何の不安も感じず、沢筋を登り詰めて行ったが、そのうち正面は大岩壁に遮られてしまった。左側から回り込めるかとも思ったが、その手前が少し厳しそうで行き詰まる。そこで、一旦沢を随分戻ってみて、別の沢筋があるのでは?と周囲を見渡すが、顕著な沢筋は発見出来ず。仕方が無いので、沢の右岸の緩いスラブ状の斜面を登り詰めてみる事にした。
DAY2

これをグングン登って行くと、一旦平坦地に飛び出る。此の辺りから沢の源頭は確認出来たので、沢に戻る選択肢もあったのだが、そのまま尾根を登り詰める事とした。緩い草付きを登って行くと、更に先は草叢の急斜面と成り果てる。これは勝田には厳しいと感じ、ずっとロープ確保で登攀、30mロープで、何と7、8ピッチ程のロングランとなり(小池と森のつるべ。初心者居なければ、ロープは出さない処)、再度勝田はぐったりの状況となって来た。それでも、自ら生きて戻る為に、最後まで頑張って貰った。何とか尾根上に乗り上げると、斜度は緩いが両際は切れ落ち、未だ結構厳しい。慎重に通過していく。この尾根が結果的に入道岳北尾根だったよう。少し尾根線を進んだ後、その後はトラバース気味に斜面を進む事が出来て、グングン進んで行くと、漸く登山道に飛び出る事が出来た。勝田が此処で休憩している間に、小池と二人で入道岳を往復。それでも、既に千本檜小屋正午集合の時間には間に合いそうになく、休む間も無く急いで出発した。

登山道を快調に進むと、八ツ峰の登攀ルートとの分岐となる。唯この日は、雨が降り出しそうな事もあり、迂回路を辿る事とした。迂回路といっても、梯子や鎖が延々と続き、結構嫌らしい。そうこうしている内に、雨が降り出し、更には尋常で無い土砂降りとなって来た。最後まで苦しめられる山行となってしまった。迂回路を半分程進むと、別ルートから既に千本檜小屋に到着していた國井が助けに来てくれて、勝田のザックを背負ってくれた。これは本当に助かった。これでペースも上がり、集合時間に遅れる事1時間で、何とか千本檜小屋に辿り着く事が出来た。大分他のメンバーは既に下山してしまったようだが、3名のみ残ってくれた。残ったメンバーと我が隊全員で、小屋の中で55周年記念登山の写真を収め、未だ土砂降りの中、一緒に下山を開始した。
55周年

常軌を逸した大雨に祟られる中、登山道は恰も沢の如く、物凄い濁流が流れ下って行く。もうどうしようも無いので、水流中にばしゃばしゃ入り込んで下って行く。それでも女人堂辺りまで来ると、大分降り方が弱まって来て、少し安心した。全員休む事無く下り続け、八海山ロープウェイ駅に辿り着いたのが14:55頃。何とか15時発のロープウェイに乗り込む事が出来た。

(記 森秀光)

八海山集中・高倉沢 DAY1

【A隊】水無川水系高倉沢
期 日:2024年9月14日~9月15日
参加者:L:レジェンドM、コイケちゃん、Mr.びーん

9月14日(土)晴れ時々曇り
千之沢小屋(6:45)~水無川河畔(7:30)~高倉沢出合(7:40)~高倉滝(10:45)~横長巨岩(12:00)~幕営地(標高約1200m地点)(14:50)

八海山ロープウェイ山麓駅に一旦集合し、1台に乗り合わせて千之沢小屋へ。車道は山塊をぐるりと回り込んでおり、30分程の時間を要した。駐車場は広大だが、既に10台以上駐車されていた。到着時準備中だった沢登り装備の数名パーティーは早々に出発していった。我々も、遅れる事10分程で、現地を後にした。
八海山1

暫くは林道を進むのだが、所々途切れ草付きの道となるので、林道のイメージは余り無い。30分程歩くと、オツルミズ沢が左から流入してくる。この少し先で、鉄柱が立つ辺りが高倉沢出合と思われるが、何処も背丈以上の草叢に覆われ、入渓点の雰囲気が無い。そこで、もう少し先の堰堤近くまで歩いてみたが、道はどんどん川床から離れるばかり。そこで、一旦鉄柱の処まで戻ってみて、草叢を掻き分けて踏み込んでみると、地面が少し掘れ込んでいる。試しに此れに沿って下ってみると、難無く水無川河畔に飛び出る事が出来た。此処を徒渉した後、その直ぐ先上流側が高倉沢出合であった。
八海山2

出合直後は巨岩が連綿と連なるゴーロ帯となる。15分程遡行すると、釜を持つ5m滝となる。此れは、泳ぎを交えて左岸のクラックに取り付き登る。沢慣れていない勝田の為に、後続はロープ確保。その後も、小滝は随所に出現。特に難しくはないが、ピリリと辛くて面白い。また、所々巨岩が行く手を遮る。此れの乗越には難儀させられた。其の後7m程の滝も現れるが、どれも階段状で問題無。3時間程で此の沢最大の滝である高倉滝となる。10m程だろうか、これも階段状で難無く乗り上げる。この直後が一寸したナメになっているが、ナメは粗此処だけだったろうか?
岩1

丁度正午頃には軍艦のような横長巨岩に遭遇。こんな途轍も無い岩が、何処から辿り着いたのだろうか?更にその先で、本遡行中唯一だった雪渓が御目見え。それでも、横目に睨んで、その左脇を通過するのみだった。この辺りから、経験の浅い勝田の疲労が濃くなる。
地図

一旦20分以上休憩してみて、再度歩き始めてみたが、その先で沢全体を覆い尽くす巨岩が出現。此れを左岸から巻いていったが、この巻きが結構厳しくなり、ロープ確保の上での登攀となったが、その途中に再度動けなくなってきた。何とか宥め聞かして、巻き切った河畔が、少し平らになっていたので、本日は此処でテント泊とする事になった。
テント

平らといっても、石ころが散在し、このままでは良好とは言えないサイト。全員で大き目の石を取り除き、均してみると、結構快適なテン場を拵える事が出来た。不幸中の幸いであり、結果としては却って悪くなかったかもしれない。楽しい宴会を楽しんだ後、21時頃には就寝した。

福島 一切経山

期日:令和6年8月15日
参加者:サツキ

浄土平ビジターセンター(8:00)~酸ヶ平避難小屋(9:05)~一切経山(9:41)~酸ヶ平避難小屋(10:48)~鎌沼(10:55)~東吾妻山(11:57)~浄土平ビジターセンター(13:35)

天気予報は曇り時々雨。登山天気はⅭ判定。近づいている台風の影響は大きく、浄土平へ向かう道のり、磐梯吾妻スカイラインはすでに雲の中だった。
それでもスタート時雨は降っておらず、ふわりと涼しく風が吹く。その風に時折、軽く硫黄のにおいを感じた。見上げれば、山腹から噴煙が立ち上っている。山頂は雲に覆われているものの、これから活火山へ登るのだと実感し、心が躍る。
避難小屋手前避難小屋の手前で雲がみるみる薄れ、晴れ間が広がる。青がまぶしい。

避難小屋を過ぎるとガレた斜面が山頂まで続く。いつの間にかすっかり雲に覆われて、展望はなく黙々と歩くが、足元の岩礫は見たことのない色合いをしており興味深い。植生も目新しいものばかりだった。

スタートから1時間40分ほどで登頂。直後は真っ白だったものの、しばらくすると視界が晴れ、楽しみの一つ、五色沼を眺めることができた。魔女の瞳といわれる沼の色は、深い深い青だった。
深い青

鎌沼を経由し、東吾妻山へむかう。
山頂までは樹林帯。うっそうとした木々が狭い山道をより狭くしている。背を丸めるようにしてひたすら歩を進める。しかも足元は時折沢のような状態で歩きにくい。山頂からの展望に期待して、30分ほど歩く‥と、森林限界を超え、背を伸ばせるように。晴れれば磐梯山や猪苗代湖まで見渡せる素晴らしい展望と聞いていたが、残念、今回はここも雲の中。だがそんな天気のおかげか他に人もおらず、たくさんのトンボとともに、ゆっくり休憩し下山。
頂上

終始予報通りの空模様だったが、大きく崩れることはなく、期待した展望はなかったものの、心地よい気温のなか、計画の工程を楽しくしっかり歩く事ができた。 (記:サツキ)

槍ヶ岳・三俣蓮華岳 DAY4

【A隊】槍ヶ岳・三俣蓮華岳
期 日:2024年8月10日~8月13日
参加者:Lコイケちゃん、レジェンドM、おんちゃん

8月13日(火)晴
三俣山荘(4:00)~かぶり岩(4:40)~第一庭園(5:00)~茶屋予定地(6:50)~第5吊り橋(7:10)~第3吊り橋(8:40)~ガンダム岩(9:50)~第1吊り橋(10:00)~噴湯丘(10:30)~湯俣山荘(11:20)~名無し避難小屋(12:50)~林道終点(13:20)~高瀬ダム(14:10)=(タクシー)七尾山荘(14:40)下山

伊藤新道は、普段より15㎝程水量が多いとのこと。身長160㎝の方で、腰より上に水が来たら渡渉点を間違えていると教わった。午後から雨予報であったので、計画より1時間程度早めまだ暗い4時に出立した。三俣山荘から尾根の先まではほぼ同じ斜度でトラバースしていく。けもの道を拡げたものではなく、きちんと調査をして計画設計を行って開いた道らしい。第一庭園まではほぼ同勾配であった。道は細いが快適だ。伊藤新道の入口伊藤新道の入口

途中、クマの糞を見つけそのあと低いいびきのような異音を聞いた。クマか?とも思ったが、確認しているうちにクマに出会ってしまっては大変と先を急いだ。尾根から川まではかなりの急登を降る。ここでカップルのパーティとすれ違った。さすがにこの時間は早すぎるので途中ビバークしたのではなかろうか。FIXロープを頼りにぐんぐんと高度を下げる。
ようやく沢に出たが、ここで沢には入らず高巻道を降る。途中茶屋予定地の看板があり、近い将来この付近に避難小屋が出来るそう。ここで避難小屋が出来れば伊藤新道はだいぶ楽になるだろうと思う。第5吊り橋は破損していたので、そこから入水。登りに使用した水俣川に比べて水温はそれほど低くない。所々硫黄臭が強いので地熱のせいか温泉でも流入しているのか。まだ上流域であるため水量も少なく、水深はひざ下程度で、どなたがやってくれたのか渡渉点にはケルンがあるので、悩むことなく渡渉を繰り返した。
沢沿いを降りる沢沿いを降りる

第4吊り橋は不明。第3吊り橋も破損で使用不可。この辺りから渡渉に悩むようになる。水量も下流へ行くにしたがって増える。股まで濡れることもしばしばだった。上がってくるパーティは尾根で会った組を加えても4組ほど。パラパラと云った感。伊藤新道は9月がシーズンだとおんちゃんから教わる。渡歩は深いところで股上渡歩は深いところで股上

その後ヘツリ場の足場は難なくクリアしたが、ガンダム岩で高巻きし過ぎてロープの上に出てしまい行き詰まる。戻って中段を巻いた。硫黄臭が強くなってくると噴湯丘だ。あちこちで温泉が噴き出している。触るとかなりの高温だったので、浅瀬の川の水と混じる辺りを探して束の間の天然温泉を楽しんだ。ヘルメットをしたまま温泉に入ったのは初めてだ。硫黄のにおいを身にまといながら最後の渡渉を終え、湯俣山荘まで戻り、山荘へ下山報告。濡れた装備をほどき、しっかりと休憩した。あとはほぼ水平の下山だ。冬合宿はどこにしようかと、気楽な林道歩きで16時の最終のタクシーを待たずに14時10分にタクシーに乗り込み下山完了した。天然温泉天然温泉を味わう

あとがき

話は戻るが、昨年の夏合宿で暁山岳会のもう一人のレジェンドYさんと三俣山荘に連泊した時に、「伊藤新道」が復活したと聞いた。おんちゃんとも、いつか行ってみたいねと話したことに端を発する。今年の夏合宿の行先を決める際、伊藤新道に行こうかと決めたが、さて伊藤新道を遡った後、どこへ行ってどこを降りるようか。水晶や鷲羽は昨年の夏合宿で登っていたし、雲ノ平では遠すぎるきらいもある。自家用車を利用するので、出来れば登山口と下山口は合わせるかせめてタクシー移動圏内にしたい。
ふと地図を見ると、伊藤新道から硫黄尾根をまたいで「北鎌尾根」が目に留まった。これも昨年の夏合宿で槍ヶ岳に登った際に、山頂から見下ろした北鎌尾根。その時にちょうど1パーティが上がってきて、私たちもその勇者たちに拍手を送ったのを思い出した。いまの経験や技術なら北鎌尾根も行けるんじゃなかろうか。

であれば、湯俣から入山して水俣川を遡行し、北鎌尾根に取り付いて帰りを伊藤新道にしてみてはどうだろうかと思いついてしまった。そう、まさに思いついてしまったのだ。ネットで山行記録を漁ると、やはり思いついてしまった人たちの記録が出てくる。水俣川も湯俣川も沢登りというよりも基本は渡渉する川で、あまり難しくは無さそうなのも幸いしたし、ガチャなどの沢装備はそのまま北鎌尾根でも使えるはずだ。川沿いの遡行は涼しいであろうという目論見もありレジェンドMさんに相談した。Mさんは、残雪期等で北鎌尾根は登っているので、いまさらと言われるかと覚悟したが、以外にも「そろそろもう一度登ってみたかったんだよね。ただルートはよく検討しないと」との回答に不安と安堵の混ざった複雑な心境になったのを覚えている。

暁山岳会の先輩にアドバイスをもらおうと「北鎌は行ったことがありますか」と聞くと「北鎌は、どちらかというと岩登りよりもルートファインディングだ」と教わった。確かに、よく踏み間違えた。槍ヶ岳山頂に至るまで10回くらい間違えたと感じるほどだ。
しかし、久しぶりにワクワクと不安の入り混じるルートであった。計画を練れば練るほど、他者の報告を見れば見るほど「不安」と「行ける」という気持ちがより深まる。取付いてしまえば、エスケープルートは行くか戻るしかない。おんちゃんに不安な気持ちを吐露するたびに、「大丈夫だよ」という。そのたびに不安が強まるのも不思議な感覚であった。

初日は沢の遡行に、2日目が北鎌尾根、3日目が夏休みで最終日が伊藤新道での沢下り。このルートはなかなか気も抜けないようでいて、しかし安息日もあり、最後の最後までワクワクの止まらない名ルートだと思う。下山してから気付いたが、遡行したのが「水」俣川で、下った伊藤新道側は「湯」俣川。どちらも俣川は同じ字を使用している。思い返すと確かに、水俣川は雪解け水でものすごく冷たく、上流に行けば行くほどよく冷えていたが、湯俣川は上流部も少し温い感じ。下流に行けば温泉とも合流してとても温く感じた。命名した人も、この温度差を感じていたのかもしれないと思うと感慨深い。そのうちに、この三俣山荘が舞台の「黒部の山賊」も読んでみようと思う。

最後に終始リードしてくれたおんちゃんは、ルートをよく読んでシッカリとチームを引っ張ってくれて感謝します。また、レジェンドMさんはやはり困った時に抜群の安定感であった。行き詰まることに恐怖を覚える私にとって、無くてはならない安心感を与えてくれた。今回、Mさんが居たから行けたようなもので、だからこそいつかまた誰かが、このルートを行きたいと言われた時には、自力で行けるように経験を積み増ししていかねばならないなと思った。そして、計画段階で参加予定だったゆうさんが直前で参加出来なくなってしまったことは、とても残念だった。いつか行ける時が来たらご一緒します(たぶん)。