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槍ヶ岳・三俣蓮華岳 DAY4

【A隊】槍ヶ岳・三俣蓮華岳
期 日:2024年8月10日~8月13日
参加者:Lコイケちゃん、レジェンドM、おんちゃん

8月13日(火)晴
三俣山荘(4:00)~かぶり岩(4:40)~第一庭園(5:00)~茶屋予定地(6:50)~第5吊り橋(7:10)~第3吊り橋(8:40)~ガンダム岩(9:50)~第1吊り橋(10:00)~噴湯丘(10:30)~湯俣山荘(11:20)~名無し避難小屋(12:50)~林道終点(13:20)~高瀬ダム(14:10)=(タクシー)七尾山荘(14:40)下山

伊藤新道は、普段より15㎝程水量が多いとのこと。身長160㎝の方で、腰より上に水が来たら渡渉点を間違えていると教わった。午後から雨予報であったので、計画より1時間程度早めまだ暗い4時に出立した。三俣山荘から尾根の先まではほぼ同じ斜度でトラバースしていく。けもの道を拡げたものではなく、きちんと調査をして計画設計を行って開いた道らしい。第一庭園まではほぼ同勾配であった。道は細いが快適だ。伊藤新道の入口伊藤新道の入口

途中、クマの糞を見つけそのあと低いいびきのような異音を聞いた。クマか?とも思ったが、確認しているうちにクマに出会ってしまっては大変と先を急いだ。尾根から川まではかなりの急登を降る。ここでカップルのパーティとすれ違った。さすがにこの時間は早すぎるので途中ビバークしたのではなかろうか。FIXロープを頼りにぐんぐんと高度を下げる。
ようやく沢に出たが、ここで沢には入らず高巻道を降る。途中茶屋予定地の看板があり、近い将来この付近に避難小屋が出来るそう。ここで避難小屋が出来れば伊藤新道はだいぶ楽になるだろうと思う。第5吊り橋は破損していたので、そこから入水。登りに使用した水俣川に比べて水温はそれほど低くない。所々硫黄臭が強いので地熱のせいか温泉でも流入しているのか。まだ上流域であるため水量も少なく、水深はひざ下程度で、どなたがやってくれたのか渡渉点にはケルンがあるので、悩むことなく渡渉を繰り返した。
沢沿いを降りる沢沿いを降りる

第4吊り橋は不明。第3吊り橋も破損で使用不可。この辺りから渡渉に悩むようになる。水量も下流へ行くにしたがって増える。股まで濡れることもしばしばだった。上がってくるパーティは尾根で会った組を加えても4組ほど。パラパラと云った感。伊藤新道は9月がシーズンだとおんちゃんから教わる。渡歩は深いところで股上渡歩は深いところで股上

その後ヘツリ場の足場は難なくクリアしたが、ガンダム岩で高巻きし過ぎてロープの上に出てしまい行き詰まる。戻って中段を巻いた。硫黄臭が強くなってくると噴湯丘だ。あちこちで温泉が噴き出している。触るとかなりの高温だったので、浅瀬の川の水と混じる辺りを探して束の間の天然温泉を楽しんだ。ヘルメットをしたまま温泉に入ったのは初めてだ。硫黄のにおいを身にまといながら最後の渡渉を終え、湯俣山荘まで戻り、山荘へ下山報告。濡れた装備をほどき、しっかりと休憩した。あとはほぼ水平の下山だ。冬合宿はどこにしようかと、気楽な林道歩きで16時の最終のタクシーを待たずに14時10分にタクシーに乗り込み下山完了した。天然温泉天然温泉を味わう

あとがき

話は戻るが、昨年の夏合宿で暁山岳会のもう一人のレジェンドYさんと三俣山荘に連泊した時に、「伊藤新道」が復活したと聞いた。おんちゃんとも、いつか行ってみたいねと話したことに端を発する。今年の夏合宿の行先を決める際、伊藤新道に行こうかと決めたが、さて伊藤新道を遡った後、どこへ行ってどこを降りるようか。水晶や鷲羽は昨年の夏合宿で登っていたし、雲ノ平では遠すぎるきらいもある。自家用車を利用するので、出来れば登山口と下山口は合わせるかせめてタクシー移動圏内にしたい。
ふと地図を見ると、伊藤新道から硫黄尾根をまたいで「北鎌尾根」が目に留まった。これも昨年の夏合宿で槍ヶ岳に登った際に、山頂から見下ろした北鎌尾根。その時にちょうど1パーティが上がってきて、私たちもその勇者たちに拍手を送ったのを思い出した。いまの経験や技術なら北鎌尾根も行けるんじゃなかろうか。

であれば、湯俣から入山して水俣川を遡行し、北鎌尾根に取り付いて帰りを伊藤新道にしてみてはどうだろうかと思いついてしまった。そう、まさに思いついてしまったのだ。ネットで山行記録を漁ると、やはり思いついてしまった人たちの記録が出てくる。水俣川も湯俣川も沢登りというよりも基本は渡渉する川で、あまり難しくは無さそうなのも幸いしたし、ガチャなどの沢装備はそのまま北鎌尾根でも使えるはずだ。川沿いの遡行は涼しいであろうという目論見もありレジェンドMさんに相談した。Mさんは、残雪期等で北鎌尾根は登っているので、いまさらと言われるかと覚悟したが、以外にも「そろそろもう一度登ってみたかったんだよね。ただルートはよく検討しないと」との回答に不安と安堵の混ざった複雑な心境になったのを覚えている。

暁山岳会の先輩にアドバイスをもらおうと「北鎌は行ったことがありますか」と聞くと「北鎌は、どちらかというと岩登りよりもルートファインディングだ」と教わった。確かに、よく踏み間違えた。槍ヶ岳山頂に至るまで10回くらい間違えたと感じるほどだ。
しかし、久しぶりにワクワクと不安の入り混じるルートであった。計画を練れば練るほど、他者の報告を見れば見るほど「不安」と「行ける」という気持ちがより深まる。取付いてしまえば、エスケープルートは行くか戻るしかない。おんちゃんに不安な気持ちを吐露するたびに、「大丈夫だよ」という。そのたびに不安が強まるのも不思議な感覚であった。

初日は沢の遡行に、2日目が北鎌尾根、3日目が夏休みで最終日が伊藤新道での沢下り。このルートはなかなか気も抜けないようでいて、しかし安息日もあり、最後の最後までワクワクの止まらない名ルートだと思う。下山してから気付いたが、遡行したのが「水」俣川で、下った伊藤新道側は「湯」俣川。どちらも俣川は同じ字を使用している。思い返すと確かに、水俣川は雪解け水でものすごく冷たく、上流に行けば行くほどよく冷えていたが、湯俣川は上流部も少し温い感じ。下流に行けば温泉とも合流してとても温く感じた。命名した人も、この温度差を感じていたのかもしれないと思うと感慨深い。そのうちに、この三俣山荘が舞台の「黒部の山賊」も読んでみようと思う。

最後に終始リードしてくれたおんちゃんは、ルートをよく読んでシッカリとチームを引っ張ってくれて感謝します。また、レジェンドMさんはやはり困った時に抜群の安定感であった。行き詰まることに恐怖を覚える私にとって、無くてはならない安心感を与えてくれた。今回、Mさんが居たから行けたようなもので、だからこそいつかまた誰かが、このルートを行きたいと言われた時には、自力で行けるように経験を積み増ししていかねばならないなと思った。そして、計画段階で参加予定だったゆうさんが直前で参加出来なくなってしまったことは、とても残念だった。いつか行ける時が来たらご一緒します(たぶん)。

槍ヶ岳・三俣蓮華岳 DAY3

【A隊】槍ヶ岳・三俣蓮華岳
期 日:2024年8月10日~8月13日
参加者:Lコイケちゃん、レジェンドM、おんちゃん

8月12日(月)晴
殺生ヒュッテ(6:00)東鎌尾根~槍ヶ岳山荘(6:50)~千丈乗越(7:40)~双六小屋(11:00)中道ルート~三俣蓮華岳(13:50)~三俣峠(14:10)~三俣山荘(14:40)

今日は、移動日である。西鎌尾根を行くので、昨日北鎌尾根を行ったのなら東鎌尾根から行こうということで、殺生ヒュッテから朝一の東鎌尾根に上がる。千丈乗越へ降る途中TJAR(トランスジャパンアルプスレース)の選手とすれ違う。日本の3大アルプスをつなぐトレランのレースだ。聞けばすでに朝のうちに1~3位まで通過したとのこと。三俣蓮華までルートになっているので、多くの選手を応援しつつ、その壮大なルートに挑戦している人たちに、自分たちも励まされた。おんちゃんは「なんでこんな大会に出ちゃったんだろうな」って思うことはありますかなどと、選手に聞いている。失礼な話だが、選手の方も気さくに「しょっちゅうですよ」とユーモアで返してくれていた。頂上2

快晴の天気と気持ちの良い稜線歩き。恐れるものもなく、強い日差しには閉口したが、まさに「夏休み」と云った1日となった。足元をまくり上げていたため、ふくらはぎを強烈に日差しに晒してしまった。靴下の跡が生々しい。三俣山荘では、テントの受付と共に明日伊藤新道を降る旨伝えると、電子申請で伊藤新道の通行届を出した。最新の情報を仕入れつつ、混み合うテン場に2張のテントを張らせてもらい。流れる小川で足を冷やしながら、ビールやワインを頂く、まさに飲んだくれの夏休みだ。
小川は冷たく1分と足を降ろしておけぬが、隣で宴会をしていたTJARの応援に来たというトレランチームの皆さんと意気投合した。九州ご出身の方が多く、「いつか九重山坊がつるで飲みましょう!案内しますよ」と約束した。山の話から離婚した嫁が浪費家だったというもはや人生の話まで、夏休みにふさわしい愉しい時間であった。
頂上3

明日は最終日だが、初めての伊藤新道。いくつかの橋が使えない分渡渉も多いと聞いた。不安と北鎌尾根を歩けた少しばかりの自信と疲れから、日暮れてすぐに寝床についた。翌朝目覚めると今回はシングルウォ―ルのツエルトは、ものすごい結露で、収納ケースに入れても絞ると水が垂れるほどだった。

槍ヶ岳・三俣蓮華岳 DAY2

【A隊】槍ヶ岳・三俣蓮華岳
期 日:2024年8月10日~8月13日
参加者:Lコイケちゃん、レジェンドM、おんちゃん

8月11日(日)晴
北鎌コル(5:00)~天狗の腰掛(6:30)~独標のコル(7:20)~独標(8:20)~北鎌平(10:50)~槍ヶ岳山頂(12:30)~殺生ヒュッテ(14:20)幕営

2日目北鎌のコルで出発前に

朝はしっかり明るくなってから行動をスタート。気分的に緊張感漂う中いきなりの急登。足元が定まり切れないので、常に3点支持の格好だ。通常の山道ならなんて事の無い斜度も、北鎌と云う緊張感からか自身でも慎重に歩いていると感じる。昨日の滑落した際にしこたま打ち付けた臀部は幸い腫れることもなく、痛みも昨夜より和らいだ。ただ、深夜の寝返りには閉口した。寝返りを打つたびに臀部が痛み右側を向いて寝付けない。テントの中でも、普通に座るとひどく痛んだ。とはいえ、すでに本番が始まってしまっているので、痛いとも言っていられない。昨日詰め上げで迷ってしまったことも、メンタル引きずりパーティの最後尾を何とか付いていった。
いくつかの小ピークを過ぎるとみるみる迫る独標は大きく圧し掛かり、登れるのだろうかと不安は募る。
独標が大きくのしかかる独標が大きくのしかかる

独標のコルで先行していたオレンジヘルメットのH山岳会に追いついた。ソロシステムで直登するという。このために30mロープとグリグリを使って三つ峠で訓練してきたと言う割には不安そうだ。再会を約束して我々は巻道へ。右側のFIXロープで迂回し、踏み跡が薄くなってきた辺りで尾根に向かって直登した。尾根に出ると独標を通り過ぎてしまっていたので、5分ほど戻り独標を踏んだ。槍ヶ岳がまだまだ遠くに見える。いくつもピークを踏みそのたびに槍ヶ岳が大きく迫る。遥か後ろを見るとオレンジのヘルメットが見えた。どうやら無事に直登できたようだ。少し安心した。北鎌平で休憩北鎌平で休憩

そのまま大きなピークのP15を右側に巻いて詰めると、そこは北鎌平であった。槍ヶ岳の大槍がものすごい迫力で迫る。大きな岩のガレ場を西側に向かって詰め、岩の上の薄い踏み跡をたどるが、山頂への取付きが果たして合っているのか不安でいるとレジェンドMさんから「ハーケンがあるはず」とのアドバイスがあった。ロープやスリングなどの残置物を目安になるべく体の露出の少なそうな個所を選んで上った。ロープを出すか悩む個所もこのメンバーならとそのまま強行した。ラスボス大槍ラスボス大槍

ふと見上げると、沢山の登山客がこちらを見ている。そこが槍ヶ岳の山頂であった。詰め上げると、山頂では他の登山者が拍手で迎えてくれた。みなすごいなと褒めてくれるが、あまり皆に言われるので、少し恥ずかしい。山頂での記念写真は、我々と山頂直下で追いついてきたオレンジヘルメットのH山岳会、そして金沢から来た昨日北鎌の出会でテントを張ったソロの青年と写真を撮った。ツアーの団体が来ていたので、槍ノ肩まで降りるだけで30分ほどかかった。すれ違いざま登っている人に聞くと登りはすでに50分待ち。この調子だと山頂まで2時間は掛かりそうな大渋滞。自分たちも登っておいてなんだが、槍ヶ岳の人気はすさまじい。北鎌に取り付いている間は8人しか出会っていないので、人と見ると皆仲良くなる。こっちのルートが行けそうだよとか、ここ行くと直登だよとか情報交換をしているうちに皆仲良くなるが、山頂以降は人とすれ違っても挨拶すらまばらだ。都会ですれ違う人にあいさつする人は皆無だが、そんな感じだ。
肩へ降り幕営計画であった槍ヶ岳山荘テン場はすでに満員御礼。西鎌尾根のテント適地を探すつもりだったが、皆疲れ切っており一つの目標が達成されてしまうと馬力が出ない。大人しく殺生ヒュッテで幕営した。久しぶりにたくさんの人の気配に囲まれて安心だ。
頂上頂上!

槍ヶ岳・三俣蓮華岳 DAY1

A隊】槍ヶ岳・三俣蓮華岳
期 日:2024年8月10日~8月13日
参加者:Lコイケちゃん、レジェンドM、おんちゃん

8月10日(土)晴
七尾山荘(前日22:00)仮眠=(タクシー)高瀬ダム(6:00)~林道終点(7:00)~名無避難小屋(7:30)~湯俣山荘(8:30)~水俣川出会(8:50)~千天出会(11:15)~北鎌沢出会(13:30)~北鎌コル(18:00)幕営

高瀬ダムまでの移動は、タクシーだが林道が崖崩れて車両通行できず、七尾山荘でタクシーに乗り、タクシーのUターンが出来る箇所で途中下車して1.4Kmほど徒歩で通過し、その上部で再度タクシーに乗車せねばならない。下段に2台、上段に2台の配車で尚且つ夏休みのスタートとあって、タクシー乗り場は長蛇の列で有った。おんちゃんが気を利かせて、乗車の列に早めにザックで順番をキープしてくれたので、比較的早く乗車することが出来たが、いきなりの時間のロスである。随分と後ろに並んでいたパーティは、痺れを利かせて徒歩で向かう組もあった。タクシーは少ないが、会社は時間が出来たら上高地へ応援に来いと言われているとタクシーの運転手さんがぼやいていた。
高瀬ダムで2台目のタクシーを下車し、高瀬ダムの不思議な白みがかった湖面を見ながら、「犬神家の一族のすけきよの足が生えてそうだ」などとくだらない話で気を紛らわせながら、林道を1時間ほど進んだ。そして、登山口からはほぼ水平の山道を歩き水俣山荘へ。林道では途中いくつか長いトンネルを抜けたが、ヘッドランプなしでは歩けぬほど暗かった。去年大改装した水俣山荘は、白と木目を生かしたデザインで随分とおしゃれだ。
おしゃれな湯俣山荘おしゃれな湯俣山荘

店内にはバーカウンターもある。働いている方々も若くあか抜けた印象で、人懐っこい。いつかこんな山荘で寛いだ時間を過ごしてみたい。
ここで沢装備を身につけ、湯俣川と水俣川の出会いへ。吊り橋を渡って河原へ降りると1パーティ準備していた。ここから早速渡渉が始まる。この時期の雪解け水はまだまだ冷たい。ふともも付近まで水に濡れたが、30秒程度で足は冷え切ってしまうので、渡渉はなるべく避けたいが右岸に左岸と容赦なく渡渉を強いられる。水流の強いところは肩を組んで渡り切った。普段ストックは持たない主義だが、渡渉にはストックの効果は絶大だ。おんちゃんが気を利かせて私に一本貸してくれた。
下流部の渡歩は当然深い下流部の渡歩は当然深い

途中、残置ロープに導かれ、左岸をヘツッたが、足を滑らせ3mほどのスラブを滑落。浅瀬に水没し右臀部を強打した。幸い何とか歩けたが、右足での岩の乗り越しは痛みが強い。よく観察すれば、この水量ではヘツル理由は全くなく、たとえ滑落せずにスラブを進めたとしても深い淵に行き詰まるだけで、全く意味のないヘツリであった。残置ロープとは言え、そこがルートであるという印ではないのだ。長い年月で地形も変わってしまっているのかもしれない。スタートから臀部は痛むがいい経験を得られた。ただ、この一件でリードを歩く自信はすっかり無くしてしまった。素直に國井さんにリードを譲る。
その先、千天出会いを高巻いて、天上沢へ入るのだが、この高巻きが結構渋い。踏み跡も笹に隠され、斜度もきつく、付いていくのがやっとであった。天上沢側に入ると川幅も細まった。この辺りがP2の取り付きだ。残置のワイヤーロープとピンクテープが残されていた。そこを過ぎると川幅は次第に広がり水量が減り、気が付けば100mは有ろうかというゴロ石の河原となった。川の水が無くなれば10分程度で北鎌沢出会いへ到着した頃には、メンバーも皆疲れ切ってしまっていた。
本来ここで幕営の予定だったが、水俣乗越から降りてきたソロの方はコル、もしくは天狗の腰掛までは今日のうちに行くという。そのあと到着した青年は、計画通りにここでテントを張るという。しばらく悩んだが、まずは腹ごしらえと持参したパンをかじる。もぐもぐしているとだいぶ体力も戻ってきた。時間がまだ早かったのと、コルまで上がってしまえば明日のうちに北鎌尾根を脱出する確率が上がるので、メンバーと相談して、1時間ほどしっかり休憩を取って北鎌コルを目指す。休憩の合間に源頭部へ戻り、水を各自5L汲んで上がったが、2100m付近まで沢で水が湧いていた。重荷に苦心したので、ここで汲めばよかったが万が一水が無ければ行き詰まってしまうので、仕方がない。
後ろを振り向くと、我々以外にオレンジのヘルメットが追いかけてくる。コルは狭いので、早くテン場を確保せねばならない。遅れるメンバーを尻目に先を急いだ結果、私一人詰め上げでルートに困ってしまった。きっとこの先に北鎌のコルは有る。藪をかき分けトラバースして北鎌のコルに先に行こうか悩んだが、これ以上パーティが伸びてしまっては遭難しかねない。トラバースせずにしばらく待ってみたが、その間にオレンジのヘルメットの方には追い抜かれてしまった。しかしいくら待っても、上がってくるはずのレジェンドMさん達も上がってこないので、大声で位置を確認しようと呼びかけるが、先ほどまで聞こえていた声も山に反射して隣の沢から聞こえてくる。
翌日引っかかった翌日引っかかった

これはきっとおんちゃん達がルートを間違えたなと思い、慌てて来たルートを降る。周囲はいつの間にかガスが出て視界は30mほどになってしまった。日暮れも迫っている。目に見えぬおんちゃん達は隣の沢にいるようだ。おいおいそっちは間違いだよ!と言おうと思ったら、北鎌のコルに着いたという。どうやら道を間違ってしまったのは私だったようだ。誰かの山行記録にあったが、これがクライマーズホイホイか。まんまと引っかかってしまった。
再度沢を100mほど降り、薄く隣の沢へのトラバースの踏み跡を見つけ分け入ったが、踏み跡も途中で消失した。怖くなって「おんちゃん、どこー?」と必死に私が叫ぶ。一人となってみるとものすごい孤独感が襲って来た。しばらく声をかけ続けると、ようやく向こうは私のヘルメットが見えたらしい。おんちゃんの声を頼りに藪を強引にトラバースしてようやく合流できた。バリエーションルートでは、メンバー揃った行動が大切だと痛感した。日も暮れる寸前に北鎌コルへ到着し幕営。追い抜いたオレンジのヘルメットの方は、コルよりも少し南側の尾根を大変な思いをして詰め上げ、コルへと降りてきた。コルは3張りで満員。お話ししてみると、神奈川県岳連の老舗H山岳会のソロの方だそうだ。明日はいよいよ本番だが、先が思いやられる。

24年5月会山行 三ツ峠(岩登り)

24年5月会山行 三ツ峠(岩登り)
勝田浩一

入会後、2日目の岩登りに参加できました!
今回レジェンド両2名(Mr.Yoshi/Mr.M)主要メンバー(Mr.k、Y子、おんちゃん)の総勢6名で、三ツ峠の屏風岩に出発!
クライミングのメッカみたいで、入会間もなく三ツ峠の山行途中、屏風岩でクライミングを立ち止まって見ていながら自分にもできるのか?と思いつつ1年後にこの岩に取り付く自分がビックリ!!皆さんから登り方、ロープ捌き、心構え?等アドバイスをもらいながら、気がついたら岩の途中迄登っている自分が!
S__6570005↑レジェンド吉原さんのパワークライミング!

岩って最高!と思いつつも、入会して2回しか経験がなく、不安だらけ、でも親切な先輩方に基本のきを教えてもらいながら、楽しくもあり、怖くもあった思い出に残る山行を経験しました!
S__6570007↑私も頑張りました!

入会して1年ほどですが、沢登り、雪山、岩登り等山のスペシャリスト達と楽しくも、正しく教えてもらいながら経験を積ませてもらっております!
また、今年も色んな山へ飽くなき挑戦をしていきます!皆さんよろしくお願いします!
S__6570009↑レジェンド森さんからは、ハーケンの打ち方、外し方も教わりました。
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今期初回の沢登り!

シンナソー:記録 岩沢 氷ちゃん

 今期初回の沢であったため、装備と技量確認目的で1級の沢を選択した。下降はヒヤマゴ沢とした。

 7時過ぎに駐車場に着くと既に肌寒い。元々沢は得意ではないので気持ちも冷え込む。寒いのに濡れに行く…謎の行為である。文句を言っても始まらないので着替えて遡行を開始する。シンナソーは水が少ないと聞いていたが前日の降雨があり、水量はそこそこあってジャバジャバだ。さらに気持ちが下がる。ヌメるかと思ったがフリクションが効いて登りやすい、悪くない。

unnamed (3)↑入渓点。気分も上がります!

 2段の滝が出てくる、ジャバジャバだ。ロープを出す。リードじゃんけんで勝ってしまったためリードする。中間を取りたかったが、取れる場所が無いのでそのままトップアウト。岩で支点を取り後続を引き上げる。

unnamed (1)↑リードジャンケンに負けた、、orz

 少し行くと3段の滝が出てくる。再度リードじゃんけんをするが、また勝ってしまう。癖を読まれてしまっている、頭を使わねば。ここも言わずもがなジャバジャバだし中間が無い。絶対落ちれないというプレッシャーはあるが滝の中にホールドが沢山あるので楽しく登れる。

unnamed (2)↑そろそろ水量も少なくなって来ました♪

 3段の滝以降は水線から外れる事なくフリーで遡行していく。水流が途絶えガレてきたところで林道に詰め上がった。

 林道では小休止を兼ね懸垂下降の練習。セット、バックアップの取り方を一通り習得してもらい即実践。否が応でも覚えざるを得ないが、技術は使ってナンボなので効率が良いように思う。

 下降に使ったお隣のヒヤマゴ沢は、沢に出るまでのルートファインディングに少し時間をかけたが、下りは快適。途中の倒木王国と蜘蛛の巣がうるさくて辟易したが、沢を下る経験は初めてだったので面白かった。

unnamed↑詰め上げて懸垂下降の再確認。現場でやると覚えも早いです。

 拙いリーダーでしたが、楽しく登れたのはしげちゃんがフォローして下さったりMr.ビーンさんが空気を和らげて下さったお陰です。ありがとうございました。 これから暑くなっていよいよ沢のぼりの本番です!

2024年春山合宿 北アルプス後立山連峰

爺ヶ岳(東尾根)~鹿島槍ヶ岳(赤岩尾根)記録:岩沢氷

 

5/2 前日は雨、3月の東尾根の取り付きの急登を思い返し藪と泥のスタートが容易に想像され、気持ちが沈む。麻呂さんと合流し装備を整えスタート。急登は踏み跡もあり、心配していた泥濘も無く思ったほど悪くない。尾根に乗るまでは笹藪メインでさほど苦もなく登ることができた。尾根からは植生が少し変わり石楠花が多くなってくる。枝の抵抗が強く思うように体を押し進められず、体力気力が徐々に削られていく。途中で悪そうな大株を避けるため笹藪に足を踏み入れたところ滑ってしまい3m程滑落。太い枝を保持していたため冷静に体勢を整えることができた。

過去の記録からジャンクションピークを越えれば雪が出てくるだろうと見当を付けていたが、どこまで進んでも雪は無くひたすら藪を進む。リーダーが凄まじい馬力とルートファインで藪を突破していく。
親熊の後を追う子熊の如く必死でついていく。ナイフリッジは既に消失し、木の枝・根を歩く状態であった。夕刻となり、幕営地が決まった時は心の底から安堵した。

5/3  3時起床、体が重い。藪漕ぎスタートかと思いきや急登スタートであった。藪でないだけ有難いとは思ったものの、昨日の疲労もあり思うように足が上がらない。それでも快晴微風のコンディションであったため絶景を楽しみながら登ることができた。

爺ヶ岳からは一般道、疲れを忘れ楽しく歩く。冷池山荘で森さん、國井さんと別れ鹿島槍へ。山頂まで体力的に行けないのではと不安が過ったが、リーダーのフォローのお陰で登頂することができた。山頂での休憩中に落石や雪崩、山肌が崩れる音が幾度と無く聞こえ、山が動いていることを実感した。

冷池山荘に戻り乾杯となったが、どうにも胃が受け付けない。ひたすら水を飲み、おんちゃんから頂いた海苔の佃煮を少し口にすると食欲が出てきた。シュラフはおんちゃんが山荘の屋根で干して下さっていたため暖かくゆっくり休むことができた。

5/4  今回の山行で個人的に一番の不安であったトラバースと対峙する。トラバースは下調べにて1箇所であると思い込んでいたが、実際は3箇所あった。頭上にはクラックが入った場所もあり、1人ずつ距離を空けて通過。ステップがしっかりあり、アックスの効きも良かったので落ち着いて渡ることができた。雪が緩めば滑落や崩落のリスクが格段に上がるのだろう、残雪期の難しさを感じた。

トラバースを過ぎればサクサク…と思っていたが、右爪先に鋭い痛みが走るようになり徐々に歩行がヨレ始めた。靴を調整したりテープを巻いてみたが歩行バランスが悪いため諦めてペースを落とす。ふと視線を上げると新緑が眩しく、正に「山笑う」である。途中、麻呂さんが様子を見に戻ってきて下さったりおんちゃんが林道を付き添って下さったり、車をリーダーが取りに行って下さったりと多くのフォローがあり無事下山することができた。反省点は多々あるが、最高に楽しい合宿であった。

 

S__6537388振り返っても道の無い爺ヶ岳東尾根

S__6537390翌朝、1発目の急登だが、振り返るとそこは絶景

S__6537392雷鳥にもたくさん会いました!

S__6537394鹿島槍ヶ岳山頂

S__6537396天上の宴会場

S__6537398奈落へのトラバース(赤岩尾根

S__6537400無事下山しました!

みなさん、お疲れ様でした♪

第36回ボッカ駅伝競走大会に出走!

5年ぶりに丹沢ボッカ駅伝競走に参加しました。メンバーも一新、若い力でグイグイと!!?
 1区:Mr.K 2区:Mr.び〜ん 3区:Y子 4区:おんちゃん のメンバーで20Kgの砂利を詰めたザックをバトンに大倉バス停から花立山荘まで激走? ではなく激歩!激歩!激歩!見事に?無事に完走いたしました。
結果は、総合36位/45チーム クラス別31位/39チーム 時間:1時間53分49秒
監督(H/Hくん)、マネージャ、会長、N崎女子の応援が選手の尻を叩き、激歩へと繋がりました。大倉尾根登山中の皆さまも応援ありがとうございました。

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第1区から第2区へバトンならぬ、砂利袋の交換!!

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なんとかゴール出来ました!

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思ったように走れませんでしたが、やり切った4区のおんちゃん

みなさんお疲れ様でした!

相模湖駅~景信山~明王峠

期 日:2019年4月7日(日)
参加者:Lオヨシ、ダイヤ、りっこ、レー子、そうべぇ、かじさか、こま、かわまさ、たちこ、みの、りこ、メイメイ、ヒー、おとっつあん、他2名(非会員)

4月7日(日)快晴
相模湖駅(8:40)-富士見茶屋(9:30)-小仏城山(10:50)-景信山(11:30~12:50)-明王峠(14:30)-與瀬神社(15:50)-相模湖駅(16:05)

朝から天気も良く絶好の登山日和。しかし中央線の遅延で予定より15分遅れのスタート。まずは甲州街道と並行する路地を歩き底沢バス停へ向かう。バスを利用したいとの声も聞こえたが、50周年記念山行のため交通機関は使用しないルール。途中でバスに追い越されたが、30分ほどでバス停に到着。中央線のガード下を過ぎると、美女谷温泉と小仏城山の分岐に到達。温泉に行きたい気持ちを抑えて城山方面へ。登山口が見えてくると、その向かいにはこじんまりした茶屋があり、名物!?の饅頭に何人もが心奪われた。小腹を満たした後は、城山までペースを抑えて会話を楽しみながら登る。

小仏城山

城山に到着し最初の記念撮影、たちこ一家はここで下山の途へ。城山が思ったより賑わっていたため、景信山山頂の混雑を懸念して先行隊は場所取りのためハイペースで向かう。急いだ甲斐もあり広めのスペースを確保できた。早速、豚汁の用意に取りかかる。頃合いを見計らったかのように後続隊も到着し、宴会スタート。お酒はもちろん、豚汁や差し入れも全て完食。眠気に襲われる前に山頂で記念撮影。

景信山山頂

明王峠までは各々のペースで進み、小休止をはさんで全員そろったところで與瀬神社方面に下山。神社の桜はまさに見頃で、自然と足取りもゆっくりになった。間もなくして相模湖駅に到着。親睦山行としてはやや長めの行程であったが、参加者の表情には疲れが見られず、満足していただけたのではないだろうか。

(記 オヨシ)

会山行 爺ヶ岳

山域:後立山 扇沢〜爺ヶ岳(中峰) ピストン

日程:2018年11月3日(土)〜4日(日)
メンバー:fumi(L、記録)、ゆきねえ(食事)、みの(力強いサポーター)、のり(SL、車)、りこ(お笑い) 計5人

11月3日 晴れのちガス
柏原新道登山口(9:30)〜種池山荘(14:30)幕営

11月4日 晴れ

種池山荘(6:30)~爺ヶ岳(8:30)~種池山荘(10:30)~柏原新道登山口(13:30)

剣岳をバックに頂上にて
剣岳をバックに頂上にて。今日の剣は顔を見せてはくれなかった。。
爺が岳南峰へ戻る道
爺が岳南峰へ戻る道。雪は積もっていた。
雄大な針ノ木岳。
雄大な針ノ木岳。必ずいくぞ!

今回山岳会での例会山行の初リーダーを担当させてもらったがリーダーの大変さを知った。

前々日までは針ノ木岳に行く計画を立てていたが、登ったことがない山に雪が着いているのを考えると自分を含めみんなが登れるか下山出来るか不安になり、前日に爺ヶ岳に変更した。爺ヶ岳からみた種池山荘から針ノ木までの稜線はかっこよく、次回はこの稜線を歩きたいと思った。

当日配車担当のメンバーが体調が悪く不参加となり、車1台でいくことになり少しパニクったが到着時間と出発時間には影響がなかった。

今年初めての冬靴だったが中敷きを付け替えてくるのを忘れた。。。トレランシューズのペラペラの中敷で対応したが、足の裏痛い病にはかからず下山出来、本当によかった。

扇沢から種池山荘までは、急傾斜もない、なだらかで長い道だったが時折見える針ノ木岳や、種池山荘を見ながら進むのは辛くなかった。

夜はスリーシーズン用シュラフとダウンパンツでしのぐ予定だったが、雪の上は予想より寒かった。。冬用シュラフはこの時期必須だと反省。

翌朝6時半から爺ヶ岳の南峰と中峰を目指したが、雪は解けており、アイゼンがなくてもいける範囲であったが、トレーニングを理由に往復アイゼンを履いた。(遭難した人がでたときにリーダーがアイゼンをつけさせなかったことを問われるのを避けたかったのもある。リーダーの立場になるといろいろな不安が出てくることを実感。。

爺ヶ岳中峰から爺ヶ岳東尾根を偵察した。登りたいと思うような稜線であった。冬合宿に行くかどうかはメンバー次第かなと思うが、いつか行ってみたい。

帰りは温泉に入って2時45分くらいに大町をでたが、橋本駅についたのは20時過ぎ。行きで種池山荘まで登った時間より長い。。まーさん、本当に運転ありがとうございますとお疲れ様です。

無風の快晴の中、条件がよかったこともあるが、全員が無事に登山できたことが何よりも感謝。山に行くことでいろいろな気づきが得られる。それぞれ反省点や課題を把握し、経験をつんで強くなっていきたいなと思いました。

体調不良のひーちゃんは、早く回復し、一緒に山行に行けると嬉しいな。