カテゴリー別アーカイブ: 活動記録

会員有志の活動記録です(全ての山行記録は活動報告をご確認ください)

2024年春山合宿 北アルプス後立山連峰

爺ヶ岳(東尾根)~鹿島槍ヶ岳(赤岩尾根)記録:岩沢氷

 

5/2 前日は雨、3月の東尾根の取り付きの急登を思い返し藪と泥のスタートが容易に想像され、気持ちが沈む。麻呂さんと合流し装備を整えスタート。急登は踏み跡もあり、心配していた泥濘も無く思ったほど悪くない。尾根に乗るまでは笹藪メインでさほど苦もなく登ることができた。尾根からは植生が少し変わり石楠花が多くなってくる。枝の抵抗が強く思うように体を押し進められず、体力気力が徐々に削られていく。途中で悪そうな大株を避けるため笹藪に足を踏み入れたところ滑ってしまい3m程滑落。太い枝を保持していたため冷静に体勢を整えることができた。

過去の記録からジャンクションピークを越えれば雪が出てくるだろうと見当を付けていたが、どこまで進んでも雪は無くひたすら藪を進む。リーダーが凄まじい馬力とルートファインで藪を突破していく。
親熊の後を追う子熊の如く必死でついていく。ナイフリッジは既に消失し、木の枝・根を歩く状態であった。夕刻となり、幕営地が決まった時は心の底から安堵した。

5/3  3時起床、体が重い。藪漕ぎスタートかと思いきや急登スタートであった。藪でないだけ有難いとは思ったものの、昨日の疲労もあり思うように足が上がらない。それでも快晴微風のコンディションであったため絶景を楽しみながら登ることができた。

爺ヶ岳からは一般道、疲れを忘れ楽しく歩く。冷池山荘で森さん、國井さんと別れ鹿島槍へ。山頂まで体力的に行けないのではと不安が過ったが、リーダーのフォローのお陰で登頂することができた。山頂での休憩中に落石や雪崩、山肌が崩れる音が幾度と無く聞こえ、山が動いていることを実感した。

冷池山荘に戻り乾杯となったが、どうにも胃が受け付けない。ひたすら水を飲み、おんちゃんから頂いた海苔の佃煮を少し口にすると食欲が出てきた。シュラフはおんちゃんが山荘の屋根で干して下さっていたため暖かくゆっくり休むことができた。

5/4  今回の山行で個人的に一番の不安であったトラバースと対峙する。トラバースは下調べにて1箇所であると思い込んでいたが、実際は3箇所あった。頭上にはクラックが入った場所もあり、1人ずつ距離を空けて通過。ステップがしっかりあり、アックスの効きも良かったので落ち着いて渡ることができた。雪が緩めば滑落や崩落のリスクが格段に上がるのだろう、残雪期の難しさを感じた。

トラバースを過ぎればサクサク…と思っていたが、右爪先に鋭い痛みが走るようになり徐々に歩行がヨレ始めた。靴を調整したりテープを巻いてみたが歩行バランスが悪いため諦めてペースを落とす。ふと視線を上げると新緑が眩しく、正に「山笑う」である。途中、麻呂さんが様子を見に戻ってきて下さったりおんちゃんが林道を付き添って下さったり、車をリーダーが取りに行って下さったりと多くのフォローがあり無事下山することができた。反省点は多々あるが、最高に楽しい合宿であった。

 

S__6537388振り返っても道の無い爺ヶ岳東尾根

S__6537390翌朝、1発目の急登だが、振り返るとそこは絶景

S__6537392雷鳥にもたくさん会いました!

S__6537394鹿島槍ヶ岳山頂

S__6537396天上の宴会場

S__6537398奈落へのトラバース(赤岩尾根

S__6537400無事下山しました!

みなさん、お疲れ様でした♪

第36回ボッカ駅伝競走大会に出走!

5年ぶりに丹沢ボッカ駅伝競走に参加しました。メンバーも一新、若い力でグイグイと!!?
 1区:Mr.K 2区:Mr.び〜ん 3区:Y子 4区:おんちゃん のメンバーで20Kgの砂利を詰めたザックをバトンに大倉バス停から花立山荘まで激走? ではなく激歩!激歩!激歩!見事に?無事に完走いたしました。
結果は、総合36位/45チーム クラス別31位/39チーム 時間:1時間53分49秒
監督(H/Hくん)、マネージャ、会長、N崎女子の応援が選手の尻を叩き、激歩へと繋がりました。大倉尾根登山中の皆さまも応援ありがとうございました。

S__6537294

第1区から第2区へバトンならぬ、砂利袋の交換!!

S__6537296

なんとかゴール出来ました!

S__6537298

思ったように走れませんでしたが、やり切った4区のおんちゃん

みなさんお疲れ様でした!

横尾山・小川山

期 日:2023年5月26日~27日
参加者:Lレー子、ダイヤ、ヨッシー、ケージ(暁OB)

5月26日(金)晴れ時々曇り
信州峠(11:12)-カヤトの原(11:48)-横尾山(12:10~12:33)-カヤトの原(12:52)-信州峠(13:23)=瑞牆山荘駐車場(13:50~14:10)-富士見平小屋(15:00)

昨年7月、名誉会長の磐梯山追悼登山でケージとヨッシーが日帰り参加となったため、宴会山行を計画し名誉会長の思い出話しをしようね、と約束していたが諸般の事情で延び延びになり、ようやく実現することができた。

ダイヤさんは26日午前中用事があるため遅れての参加。ケージ、ヨッシー、レー子の3人で韮崎駅に9時50分集合。ヨッシーの車で信州峠に向かう。本日は瑞牆山荘に近い横尾山に信州峠からの往復とする。このルートは暁山岳会50周年記念登山でコーノさんが清里駅から瑞牆山荘までを繋いでくれたルートの一部で、ロングルートを歩いてくれたコーノさんに感謝しながら信州峠を出発。峠には車5~6台は駐車可能。気持ちの良い樹林帯を緩やかに登り、わずかな急登を登りきるとカヤトの原に出る。ここからは展望が開け、金峰山や明日登る小川山、眼下には川上村のレタス畑が広がる。ケージは学生の頃、夏休みに1ヶ月レタス農家に住み込み、毎日小川山を眺めていたのでいつか登りたいと思っていたとのこと。

山梨100名山の横尾山に到着。山頂から先、清里方面への踏み跡が続いている。それなりに歩かれているようだ。山頂で記念写真を撮り下山開始。

横尾山山頂

信州峠からは再び車に乗り瑞牆山荘に向かう。駐車場は平日にもかかわらず、かなりの車が止まっている。先週末の瑞牆山は大渋滞だったとか。出発の準備をして13時59分着のダイヤさんを待ち、富士見平小屋を目指す。わずか50分の登りで富士見平着、すでにたくさんのテントが張られている。テント場代はひとり1000円だが、ソロテント4張りは張れそうなウッドデッキが3ヶ所あり誰も張っていない。板張り利用は1張り500円とのことで、+500円払いヨッシーのほぼ新品のエスパースマキシム4~5人用を張り宴会開始。昔の合宿など、思い出話しに花が咲き、宴会は21時近くまで続いた。翌日ヨッシーは17時までに帰宅しなければならないので、朝4時30分出発として就寝。

5月27日(土)晴れ時々曇り
富士見平小屋(4:49)-小川山分岐(5:10)-伐採小屋跡(5:30~5:40)-八丁平(6:10)-瑞牆山東尾根分岐展望台(6:40~6:50)-シオサブの頭(7:13)-小川山(8:00~8:26)-八丁平(9:50)-富士見平小屋・テント撤収(10:47~11:22)-瑞牆山荘駐車場(11:58)

3:30起床、各自簡単な朝食を済ませて出発。瑞牆山に向かうルートを20分程進み小川山方面にルートを取る。ここからは静かな山歩き。沢沿いに緩やかに登り沢を渡渉。ここは伐採小屋跡地で多少小屋の残骸はあるものの、静かで気持ちの良い沢の源流部。焚火跡もあり最高の幕営地だ。八丁平を過ぎると瑞牆らしい岩混じりの急登がしばらく続く。やがて瑞牆山東尾根の分岐手前で踏み跡を登ると4人立つのがギリギリの岩場に出る。本日最高の絶景ポイント。

絶景ポイント

瑞牆山、金峰山五丈岩が間近に見える。絶景ポイント少し先に「小川山-金峰山」の標識がありここが瑞牆山東尾根ルートの入口になる。ここは破線ルートにもなっていないが、踏み跡ははっきりしており、それなりに歩かれているようだ。ここからは緩やかな長い樹林帯の歩きとなるが、途中「シオサブの頭」と小さなプレートの付けられたちょっとした岩場を通過。その先で小川山ルートに入って初めての登山者とすれ違う。廻り目平から小川山に登り、この後金峰山から廻り目平に戻るとのこと。登山者とすれ違った直後、小さな岩場を先行した田中が右から回り込むルートに進んだが、後続が来ず、その場から尾根に上がれそうではあったがルートミスと判断し、一旦戻って岩場を乗越し3人に追いついた。帰りに確認すると巻きルートには白ペンキが付けられていた。この小川山ルートはしっかりした登山道ではあるが、やはり破線ルートなので注意が必要だ。廻り目平からのルートと合流すると間もなく小川山山頂に到着。

小川山山頂

クライマーの聖地・小川山とはかけ離れた樹林帯の中の地味な山頂だが、昨日に続いてここも山梨100名山。吉原さん以外は初めての小川山登頂に満足して下山開始。計画では大日岩経由で富士見平に戻る予定だったが、だいぶ時間がかかりそうなので往路を戻ることとし、伐採小屋跡でゆっくり休憩してテント場に戻るが、瑞牆山との分岐まで戻ると喧噪の世界に引き戻されてしまった。小屋に戻りテントを撤収。整備された良いテント場だったが、やはり伐採小屋跡のような誰もいない静かな場所での幕営が好きだなぁ、と思いながら下山開始。瑞牆山荘駐車場は既に満車で道路の両脇にもびっしり駐車されており、人気の山域だと実感。次回の宴会山行はもう少し静かな暁らしいテント場を探そう!

(記 レー子)

白馬岳主稜

期 日:2023年3月11日~12日
参加者:Lなべたけ、しげちゃん、おんちゃん

3月11日(土)快晴
二股(7:15)-猿倉(9:00)-白馬尻(10:55)-幕営地(14:10)

2022年末の冬合宿(槍ヶ岳中崎尾根)の下山後、温泉から帰る時「次はどこの山に登るか」が話題に上った。百名山ハンターの私はいくつか未踏の山の名を上げたと記憶しているが、なべたけさんからは、「白馬岳主稜とか良いですよね。3月末辺りの雪が安定している時期に」と具体的な山の名前だけでなく、「主稜」という具体的なルート名を示された。白馬主稜といえば、山岳会に入る前に独学でバリエーションルートをやり始めた頃に「いつかは登ってみたいルート」として、心に思い描いたことがあるルートである。あの頃は、夢でしかなかったが今の自分たちなら、なべたけさんとなら行けるかも知れない。とはいえ、冬山のバリエーションルートは様々な条件が整わなければ行けるものでは無い。その時は「行けたらいいですね」と心のどこかに行けるわけはないという思いを残しながらの返事であった。2月に入り、毎週月曜日のクライミングジムで行われるリード、ビレイなどの岩登りの練習にも慣れて来た頃、なべたけさんから「そういえば白馬主稜はどうでしょう?」と再度オファーを受けた。「自分の今の技量で行けるのか?」と不安もよぎったが思わず「行きましょう!」と返事をしてしまっていた。

具体的に日程は週末、3月11日土曜日と12日日曜日の一泊二日で決定した。そこからは、ほぼ毎日白馬岳の天気予報と雪崩ネットワークのサイトと睨めっこである。積雪量はどうか?どのような間隔で雪が降っているかなど現地にいなくてもある程度の想像はできる。どんな雪が降ると雪崩ネットワークで雪崩確率が上がるのかを中心に情報を収集した。暁山岳会での雪崩のスペシャリストは、山スキーを毎年楽しむレー子さんである。レー子さんには、「3月の白馬岳は雪崩の巣。私なら行かない」と指摘を受けたが、あくまで「天候が安定し、雪崩の危険を最大限回避して危険が伴う際は山頂を目指さない」と約束して入山した。雪崩ネットワークは毎朝5時に更新ということだが、実際には6時ごろに最新版の情報が更新されるので、それも確認してからの入山とした。

あいにく前日に雪は降ったが量はあまり多くなく、雪崩ネットワークも要注意程度で、比較的安定していることを確認し、登山口へ向かった。登山口ではネット環境が手に入らないことを危惧したものだ。(その分出発が遅くなったことで、レー子さんからは「冬は早出早立ちが基本よ」と窘められた)
登山口は猿倉山荘までが通行止めであったため、手前の発電所付近駐車スペースに駐車したが、バックカントリーの登山客でほぼ満車であった。ネット環境も確保できたので、ここで情報収集しても良かったかもしれない。(ここまで雪なし)

二股登山口

なんとかスペースを確保し、7時15分頃に登山開始。林道は次第に雪が目立つようになってきた。路肩の斜面に張り付いていた雪は崩落し、林道にまではみ出しているものもあった。猿倉小屋まで2時間ほど歩いて到着。途中下山してくるスキーヤーにすれちがった。前夜山で過ごしたのか、朝から軽く登っただけなのかは不明だが、自分たちが出遅れていることを感じた。朝飯で一息入れてから、雪崩危険箇所については立ち止まらずにスムーズに通り抜けること。前後の間隔を空けて複数人の雪崩遭難を避けること。などを確認し手先へ進む。
白馬尻付近の沢に入るとまるでラッセル車が通過した後のような、雪崩痕の脇を抜ける。出会う沢は皆雪崩が合流している様に見える。快晴であること、足元の雪を踏めばまだしっかりと締まっている事から、緊張しながらも快適に先へ進むことができた。

白馬尻の雪崩痕

白馬尻には11時前に到着。いよいよ主稜への取り付きである。ソロの先行者があり、踏み跡に迷いはない。我々より1時間ほど先行しているので、安心して歩を進められた。がしかし、ここからの急登は、これまでがほぼ林道歩きだったために一気に疲労感が出てくる。少し残る樹林を巻き、尾根を目指す。尾根に上がる最後の急登を前にして、ふと顔を上げると先行者が下山してくる。話しかけてみると「この先踏み抜きで胸まで落ちた。危険と判断して下山」とのこと。午後に入り、雪もだいぶ緩んできているようだ。ここまでトップを歩かせてもらったが、この先の踏み跡も期待できず、踏み抜きもあり得るとなるとここは経験豊富ななべたけさんとトップを交代して、先に進んだ。ここから先は、幕営適地も探さなければならない。心配していた踏み抜きは、先行者が落ちた箇所のみで、無事に稜線まで上がれたが、その先は狭い稜線が続くので本日の幕営地を白馬主稜末端部の稜線上とした。時刻は14時過ぎ。

狭い幕営地

テントを設営していると近隣で雪崩音。音が山に反射してしまい、雪崩箇所は特定できなかったが、緊張感を途切れさせないのには十分であった。幕営地は、あまり広いスペースは取れなかった。両サイド切れ落ち、酒に酔ってトイレに行った拍子に滑落してしまいそうだ。今回の山行では、宴会を目的とはしなかったので、酒はそれぞれ軽く口に含む程度にした。食事後に今日が私の誕生日であることをおんちゃんが思い出し、なべたけさんとおんちゃんでバースディソングを歌ってくれた。記憶に残る誕生日となりました。様々な過去の話をしながら、泥酔滑落もなく19時前には就寝した。

3月12日(日)快晴
幕営地(3:30)-白馬岳(10:55)-白馬尻(13:30)-猿倉(14:35)-二股(16:30)

翌朝は2時起床。稜線上ではろくに食事も摂れないので、朝からテント内でしっかりと食べた。3時30分にはテントを撤収し、暗闇の中ビーコンのスイッチを入れる。風もなく空には月が明るく、星も綺麗だ。今日も天候は安定してそうだ。稜線では、経験豊富ななべたけさんをトップに、私が殿を務める形でおんちゃんを間に挟んだ。先行者は昨日敗退したが、全体的に一昨日のトレースが残っており、快適な稜線歩きであったが、途中吹き溜まりではラッセルもあり、なべたけさんに負担が大きくなると考えてトップと殿を交代したが、残念ながら私がビビってしまいあまり長くは続かなかった。

夜中の稜線歩き

このまますんなりと山頂まで上がれるかとも思ったが、白馬の雪形の岩場付近で岩雪ミックスの箇所があり、もう一箇所は山頂直下の詰め上げでロープを出した。スノーバーで確保しつつ、二番手おんちゃんはプルージックで上がった。

少し休憩

白馬主稜名物の巨大雪庇は今年は全くなく、最後3m程度詰め上げるだけで、あっさりと午前11時に山頂へ躍り出た。山頂には誰もおらず、冬特有の貸切の山頂を堪能した。相対する剱岳の毒々しさと立山の優美さがとても印象に残った。やり遂げた満足感で、おんちゃんはサングラス越しに感極まっているのを感じた。

白馬岳山頂

白馬山荘で風を避けて昼食をとり、いよいよ下山は白馬の大雪渓である。下山時は、沢の出会いに注意して、横からの雪崩にも十分注意し、時折自身の上方の雪の状態を確認しながら下山する様になべたけさんから指導されながら、一目散に下山した。昨日に引き続き今日も気温は高く、白馬尻までは気が気ではなかった。また、雪が緩みアイゼンに大きくまとわりつく。スリップすれば、大雪渓をシリセードかと思うとヒヤヒヤでした。降って行くと、白馬尻の手前で昨日には見えなかった雪崩痕を発見。恐らく昨夜の幕営地の隣の沢が落ちたもののようだ。デブリは1mほどのものもあり、改めて雪崩に恐怖した。

猿倉山荘へ戻ったのは、14時30分。昨日の行きとは雪の状態がだいぶ緩み、踏み抜き多く、既に体はヘロヘロであったが、お互いに励まし合いながら16時30分に登山口まで下山。林道では多くの山スキーヤーに追い越された。追い越しの際に声をかけてくれると助かるのだが、声もかけずに音もなく後方から追い抜いていくスキーヤーには辟易した。一度は危うく接触しそうになった。林道で雪が減り、少しでも長くスキーで降りたい気持ちはわかるし、斜度の弱い林道ではなるべく止まりたくないのもわかるが、声は掛けて欲しいものだ。

下山後は、麓で温泉に浸かって二日間頑張ってくれたカラダを労った。最後になりますが、安定したリードで終始落ち着いて先導してくれたなべたけさん、文句も言わずに力強く登ったおんちゃん。相模原から見守ってくれた見守り隊の皆様のおかげで安心して行ってくることができました。ありがとうございます。また、雪山について忌憚のないご意見やアドバイスを頂いたレジェンドよっしーさんやレー子さんにもとても参考になりました。ありがとうございました。

(記 しげちゃん)

会山行 小川山

期 日:2022年5月28日~29日
参加者:Lなべたけ、わたゆき、コバヤン、オヨシ、ヒー、しげちゃん

5月28日(土)晴れ
廻り目平(10:00)-フェニックスの大岩-スラブ状岩壁-廻り目平(15:00)幕営

毎年、5月会山行の岩トレーニングは、三つ峠で行うことが通例だった。しかし、数年前から山荘近くの広場でテント泊が禁止になり、2日間に渡って行う場合、いちど下山しなければならず、また登山口周辺のテントサイトのスペース確保がむずかしい感じで、三つ峠を敬遠するようになってしまった。
※最近、ガクさんから教えてもらったのだが、三つ峠グリーンセンターに宿泊して2日間楽しむのが良さそうだ。(私は、宿泊代を節約したい・・・。)
そして、今年はなんと、会山行では初の小川山で岩トレーニングを行った。

1日目は、フェニックスの大岩とスラブ状岩壁(かわいい女、ウルトラセブン、Somg of Pineなどの5.7~5.8のルート)。
フェニックスの大岩では、ほんのすこしだが講習も行なった。

なべたけによる講習
フェニックスの大岩

できれば、ガマルートなどのマルチピッチも登りたかったが、さらなる成長が必要だろう!!
夜はキャンプで、各自持ち寄りの料理とお酒、焚き火と星空、粋な?BGMもあって、クライミング以上に盛り上がったかもしれない。

焚き火の護りびと!?

5月29日(日)晴れ
廻り目平(9:00)-父岩・小川山物語-廻り目平(14:00)

2日目は、クラシックな人気ルート、小川山物語(5.9)を登った。

父岩の小川山物語

2日間、お天気がとても良く、快適すぎる岩登りを楽しむことができた。

(記 なべたけ)

多摩川水系一之瀬川 竜喰谷

期 日:2022年5月22日
参加者:Lなべたけ、オヨシ、ヒー、他5名(非会員)

5月22日(日)晴れ
石楠花橋付近駐車スペース(7:20)-大常木林道丸太橋(14:20)-駐車場スペース(15:45)

渓流釣りで人気の一之瀬川。その支流の一つ『竜喰谷』(難易度は中級)を、県内の他山岳会の方々と共に遡行、総勢8名。
*各会のリーダーはJMSCAアルパインクライミング・コーチ2認定!

石楠花(シャクナゲ)橋辺りからすぐに一之瀬川本流に入渓せず、林道を少し下って竜喰谷出合滝を過ぎてから入渓。丹沢に比べ、この時期の奥秩父はまだ水が冷たい。

ゆったりと遡行開始

序盤のいくつかの滝はロープなしで登攀。続く8m幅広滝(精錬場ノ滝)は左岸・右岸それぞれにロープを出してもらう。中央付近で岩が突出し水流は二俣に分かれており、左岸は見るからに水流が強い。岩を掴もうと前傾姿勢になると顔面に浴びまくり、息がつまりそうになる。身体が一気に冷やされ、足の動きが鈍くなってしまった。ここはあまり水をかぶらない右岸がオススメ。

激流との闘い!?

奥秩父らしい渓流が続いた後に、3段12m滝(下駄小屋ノ滝)が待ち構えている。右岸沿いにロープを出してもらい、プルージックで次々に登る。下段はリッジでロープなしでも行けそうだが、中段からはロープがあると安心。落ち口への一歩、水流に負けそうな気持ちになるが、リーダーの「大丈夫!」の一言で皆進んでいく。

リーダーの声掛けで不安払拭

10mナメ滝を登ると暫くはナメ床が続く、奥秩父らしい光景だ。次の2段10m滝、下段には倒木が掛かっている。リーダーの一人が倒木渡りに挑むが、予想以上にヌメッていたようで…

滑りそうな倒木渡り

そして、いよいよ核心の10m曲がり滝が姿を表す。まずはリーダー二人がスムーズに左岸から登る。

核心部の曲がり滝でのリード

残置ハーケンは下部にしかないため、上部はカムでランニングビレイを取る。時間短縮のためロープを2本出す。落ち口付近の立木で支点を作り、セカンドビレイの準備完了。順番にメンバーが登っていく。体格差があると、先行者が辿ったルートでは手足が合わず、自分で探さねばならない。全員無事に突破し、中ノ平沢出合付近でゆったり休憩。

スダレ状滝は各自でルーファイ

その後の連続する小滝はロープなしで各自が思い思いのルートで登る。8mの脆そうな滝は右岸から高巻く。最後のチョックストーン滝を抜けて暫く歩くと大常木林道に合流、丸太橋が見える。広い休憩スペースで沢装備を外し、登山靴に履き替える。
遡行中は登ることに夢中になっていたため、会話を楽しみながら下山。各会の現状や様々な取り組みなど、参考になる話をたくさん聞くことができた。この山行が安全に楽しく行えたのも、各会のリーダーが事前に交流を深めてくれていたことが大きい、心から感謝です。1時間半の下りはあっという間、舗装された一之瀬林道に出て程なく駐車スペースに到着。

BIGBOSSポーズで記念撮影

最後に流行り!?のポーズで記念撮影、またの合同山行実施を誓った。

(記 オヨシ)

春山合宿B隊 蝶ヶ岳

期 日:2022年4月29日~5月1日
参加者:Lダイヤ、いずっこ

4月29日(土)雨
上高地(15:15)-徳沢テント場(17:00)

天気予報がよくないので早朝発の予定を変更し10時に相模原を出る。相模湖から中央道にのり松本で降りる、混雑はなかった。沢渡駐車場雨の中で身支度しバス乗り場へ、天気が悪く観光客は少ない。14:30発のバスに乗り上高地へ20数年ぶりである、雨が降っており気分はさえない。行くしかないと決意し出発、明神で休憩付近に多くのサルを見かけた。雨は降り続く見通しなので、徳沢で泊まることとしテント泊の手続きをすませる。すでに40張りほどあり適地を選ぶのに苦労する。雨の中でのテント設営でしっかり濡れてしまった、ストーブの有る休憩所で温まり着ているものも少しは乾いた(休憩所使用可に感謝)。横尾泊の予定を徳沢泊に変更したので、明日は横尾から蝶ケ岳へそして長塀尾根から徳沢へ変更とした。眠る前に雨は止んだようだ。

4月30日(日)快晴
徳沢(5:35)-横尾-稜線(10:30、蝶槍を往復)-蝶ケ岳小屋(11:55~12:50)-長塀尾根-徳沢テント場(16:30)

3時過ぎ寒くて目が覚める、満天の星である。朝食を済ませ日帰り装備で出発。

徳沢から明神岳

横尾へは迂回ルートで河原の方を進む、1時間ほどで横尾着10張り程テントがあった。これから稜線までの急登である、スパッツを着けて出発槍見平では振り返ると槍ヶ岳の雄姿が目に入った。

槍見平から槍ヶ岳

徐々に残雪が多くなり雪面も固くなってきたのでアイゼンを着けた。登山道は雪に埋もれており目印や踏み後を頼りに進んだ。急登が続きなかなかきつい、10時半横尾分岐の稜線に出る多くの登山者が休憩していた、快晴であり槍穂高をはじめよい眺めであった。雪のない稜線なのでアイゼンを外す。北アルプス・南アルプス・富士山・八ヶ岳・浅間山等々360度の展望を楽しみながらなだらかな稜線歩きである、蝶槍を往復し蝶ケ岳ヒュッテへと歩く。ヒュッテで長い時間ゆっくりした。

蝶ヶ岳ヒュッテから穂高の山並み

山頂で二人の記念撮影、眺めを惜しみつつ徳沢への下降ルート長塀尾根へ向かう。腐った雪面を滑るように下り長塀山を過ぎて徐々に急な下降となり、途中でアイゼンを着けることにした。母親と三才くらいの子が一緒のパ-ティ-と出会った、ここまで登って来たことも大したものだと思うが、これから先の登りも大変と気になった。だいぶ下り残雪が途切れ出しアイゼンを外す。久しぶりの長時間の行動に疲れも出て、急なくだりに徳沢はまだかまだかと思うようになってきてしまった。4時半徳沢着、テントは60張りを超えていただろうか。

5月1日(月)曇り
徳沢(7:05)-上高地(9:00)

時おり霧雨のようなすっきりしない空模様、様子を見ながらテント撤収。昨日の疲れが残っており筋肉痛もあり、ゆっくり歩を進める。時おり小雨であったが、雨具を着けずに上高地バスターミナルに着くことが出来た。バスで沢渡駐車場へ、帰る途中島々手前にあった「竜島温泉」に入りゆっくりした。帰りの中央道は渋滞であり、大月で降りて抜け道経由で相模原に帰った。
久しぶりの合宿参加、入山日と下山日は天気が良くなかったが中日は予報通りの快晴ですばらしい山行となり良かったです。また、いずっこの事前調査やコ-スタイム等の把握に感心しました。 

(記 ダイヤ)

春山合宿E隊 西穂高岳

期 日:2022年5月3日~4日
参加者:Lオヨシ、そうべぇ、ヒー、しげちゃん

5月3日(火)晴れ
鍋平登山者用駐車場(11:00)-西穂口(11:40)-西穂山荘(12:50)幕営

GW前半は天気が悪かったためか後半は人出も多く、高速道路は混雑していた。新穂高温泉の駐車場も例外なく、第一と無料はすでに満車であった。第二を案内されたが、鍋平登山者用駐車場に停めた。西穂山荘のテン場がいっぱいになっていないか、そればかりが気がかりだった。西穂口から山荘までの登山道にはまだまだ雪が積もっており、所々凍っていた。西穂山荘に到着するとテン場は半分近く埋まっていた。

にぎわう西穂山荘のテン場

独標まで偵察する予定だったが、独標以降も積雪混じりであることが、他の登山客の会話で確認できたので偵察はなし。翌日は雪がしまっている早朝5時より行動を開始することとし、早めに夕食を取って19時頃には就寝した。

5月4日(水)晴れ
西穂山荘(5:10)-独標(11峰)(6:15〜6:30)-ピラミッドピーク(8峰)(6:50)-チャンピオンピーク(4峰)(7:15)-西穂高岳(7:55~8:10)-西穂山荘(10:30~11:40)-西穂口(12:45)-鍋平登山者用駐車場(13:30)

準備を整えアイゼンを履いて行動開始。独標までは近いと思っていたが、意外と時間を要した。独標より先には既に3~4パーティーの姿が見えた。登山道の7割ほどが雪で覆われていた。ロープや登攀装備は持参、結果として使用する場面はなかったが、ミックスで歩きづらかったが、難易度としては夏山相当だったと思われる。厳冬期は雪庇がせり出し、登山道からも大きく外れるピラミッドピークまでの道のりも残雪期はさほど難しくはない。

ピラミッドピークに向かう

続くチャンピオンピークまでの道のりも同様である。2峰から山頂まではザレ場の急登になっており、先行パーティーは難儀していた。ほぼ想定コースタイムで山頂に到着。

振り返ると、後続パーティーがいくつも押し寄せていたので、足早に山荘へ戻る。近年、西穂高岳では滑落事故が多発しているが、特に下りでの気の緩みは非常に危険であると感じた。テン場は10時までに撤収せねばならなかったが、超過してしまったので急いで片付ける。西穂口までの登山道は緩くストックとアイゼンが欠かせない。慌ただしい下山となったが、メンバー全員が充実感を得たものになった。

(記 オヨシ)

春山合宿D隊 蝶ヶ岳

期 日:2022年5月1日~3日
参加者:Lなべたけ、わたゆき

5月1日(日)雨
沢渡大橋駐車場=(バス)=上高地バスターミナル-河童橋(10:30)-徳沢(13:00)-徳沢園キャンプ場(幕営)

天気は、前線の影響で終日降雨の予報。2日は高気圧がはりだして午前中は晴れるが、午後に強い寒気が入ってくるため、標高の高いところで悪化するとのこと(ヤマテンより)。沢渡に到着すると雨が強くなり始めた。駐車場の整理員の方から、明日からは天気が良いと声をかけられたので、午後からは悪くなるようだと応えると、「?」の様子だった。気象協会などの山の天気予報でも、終日晴れマークだったので、少し難しい予報なのかもしれない(予想天気図では高気圧に覆われる)。5月だが、森林限界を超える山域では真冬のコンディションになる可能性がある。ヤマテンに感謝!だった。徳沢まで雨がそぼ降り続けたが、ひどい降り方にはならなかった。夕刻には小雨になり、テントから出るのが楽になった。

5月2日(月)晴れのち雪
徳沢(4:15)-横尾(5:40)-横尾分岐(9:50)-蝶ヶ岳ヒュッテ-蝶ヶ岳山頂(10:50)-長塀尾根-徳沢(14:20)

当初の計画は2日目は蝶ヶ岳山頂で幕営だったが、天気の状況を考えて、アタック装備で登り(ツェルトも持参していた)、徳沢に戻る行程に変更。徳沢からメールで計画の変更を連絡した。 午前中は、晴天が確実な予報だったので、展望を期待していた。明け方に徳沢から梓川に出ると、新雪をまとった巨大な小惑星のような山が正面に現れた。

もうじき稜線に出る

前穂と北尾根を確認することができた。梓川の上流側は、快晴の明け方の空へ広がる梓川と山並みの眺めで、普段生活している同じ日本とはとても思えないスケールの風景だった。横尾からの登山道でも、槍見台から、霞がかった青空に映える槍ヶ岳を見ることができた。ゆっくり、順調に高度を上げることができた。2000m付近からは一面の雪景色になった。雪面はしっかり締まっており、アイゼン歩行で問題なくペース良く歩くことができた。横尾分岐まで登ると、青空と新雪の素晴らしい景色のなか、穂高の稜線の北側から雲が湧いてきているのが見えた。槍の穂先も雲に隠れて、少しずつ雲が迫ってきている様子だった。稜線に出ると、少し強めの風が吹き付けてきた。蝶ヶ岳ヒュッテの建物のかげで風をしのいで休憩した後、山頂へ。

向こうに山頂が見える

下山を始めると、雪が舞い始めた。下山ルートの長塀尾根は、名前通り少し長い尾根で、ゆったりと歩いた。展望はほとんどなかったので、登ってくると大変そうだったが、雪が溶けるとお花などを楽しめるようだ。

徳沢へ下山

ゆっくり順調に、徳沢へ無事に帰ってくることができた。徳沢でも次第に降雪が多くなり、夕刻には雪景色になった。

5月3日(火)晴れ
徳沢(5:30)-上高地(7:30)-バスターミナル=(バス)=沢渡大橋駐車場

朝早めに出発して上高地へ。3日から連休になり、天気も良さそうなので、上高地からの登山者とつぎつぎにすれ違った。色とりどりの登山スタイルで、風景だけでなく、登山者の様子を見るのも楽しかった。朝から快晴で、梓川の宝石ような青色の流れが、新緑と新雪の山並みと一緒に美しく映えていた。しばらく河原でのんびりして春の上高地を堪能した。

(記 なべたけ)

春山合宿C隊 弓折岳~双六岳

期 日:2022年4月29日~30日
参加者:Lヨッシー、ヒー

4月29日(金)曇りのち雨
新穂高温泉駐車場(10:40)-笠新道手前(12:55)幕営

道路渋滞のため予定より遅れて出発。すぐにA隊と別れ左俣林道に入る。林道に雪は殆ど無く、中崎橋の手前でスキーを履くがすぐに雪が途切れる。12時くらいから雨が降り始める。笠新道のすぐ手前の広場にテントを設営する。水は左俣谷から得られた。やや強い雨が夜半まで降り続き、朝方には霧雨になった。

4月30日(土)霧雨のち晴れ
幕営地(5:20)-ワサビ平小屋(5:35)-小池新道登山口(6:15)-秩父沢出合(7:20)-旧大ノマ乗越分岐(8:35)-2400m地点(10:25)-小池新道登山口(11:40)-幕営地(12:30)-新穂高温泉駐車場(14:35)

3時20分頃、奇声を発して通り過ぎる登山者がいた。笠新道に向かったらしい。外は霧雨で視界はない。熊鈴代わりの奇声なのか?テントを置いて出発。ワサビ平小屋でスキーを着ける。小池新道登山口までの間も雪が切れている所があったが、小池新道からは雪が途切れることはなかった。無駄な登りを避けるため、細いスノーブリッジを渡ったり少し藪っぽい夏道沿いを行ったり・・。秩父沢からはべったりと雪が付いており歩きやすい所を登る。

頑張って斜面を登る

天気も回復し、目指す弓折岳が見えてきた。大ノマ乗越を目指すと段々傾斜が強くなってきた。乗越が見えてきた辺りで30センチほどの落石がヒーさんめがけて落ちていく。10mくらい手前で方向が変わり事なきを得た。途中A隊と連絡が取れ、早めに下山するとのこと。下りにかかる時間や体調のことを考慮して2400mを最高到達点とする。

北アルプスの峰々

乗鞍岳から槍穂高岳の眺めを暫し堪能してから滑降開始。滑りやすい斜面だ。小池新道登山口まであっと言う間だった。幕営地に戻り一時間かけてテント撤収。ここからまた苦行が始まる。ゲートの先までオヨシが迎えに来てくれた。靴を持って貰う。助かる。ゲートまで車を上げて貰いさらに助かる。

(記 ヨッシー)