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会山行A隊 小渋川~赤石岳

期 日:2019年11月2日~4日
参加者:Lみの、オヨシ、ヒー

11月2日(土)晴れ
相模原(5:00)=松川IC=小渋温泉跡=車止め駐車場(9:30)-高山の滝-広河原小屋(13:45)

早朝に相模原を出発して伊那谷に向かう。昭和の頃よりも林道が延伸しており広河原小屋までのコ-スタイムも1時間程度短縮されている。駐車場に車は2台。沢靴を履いて行動開始する。

渡渉の準備をして行動開始

道路工事作業者に道を譲ってもらい橋の手前から河原におりて遡行開始する。最近の山行記録では橋を渡ってから遡行開始しているらしい、渡渉を1回省ける。

小渋川にかかる大橋

最初こそ河原は広く平坦だが、昨今の台風の影響だろうか次第に流れが深くえぐれた起伏のある河原になる。

川の流れも速くなってくる

何度も渡渉を繰り返し高山の滝が見える地点に着く。ここの渡渉は流れが深い難所で、体格の小柄なヒーさんは大変な修行を積む羽目になる、対岸にロ-プを張った渡渉を1回とスクラム渡渉を3回試みた末、オヨシはストックを2本とも流されて失い、全員が全身ずぶぬれになってやっとの事で突破する。日向を選んで歩いて濡れて寒さにブルブル震えた体を温める。

濡れた身体を乾かしながら赤石の稜線に向う

そこから先も深くえぐれた河原を何度も渡渉して進みやがて尾根の取り付き部の茂みの中にある広河原小屋に到着する。荒川小屋までの計画だったが濡れて疲れたので本日はここまでとする。

11月3日(日)晴れ
広河原小屋(6:15)-船窪(9:45)-大聖寺平(10:45)-小赤石岳(12:20)-赤石岳(13:12)-小赤石岳-大聖寺平(15:10)-荒川小屋(15:50)幕営

沢靴とか濡れたものを小屋に干す、釣り用の胸まである長靴(ウエイダ-)が干してあるのはおそらく先行者が使用したものだろう。小屋の広場に立つ工事現場でよく見る仮設トイレでゆっくりと用を足して出発する。
踏み跡はしっかりしているが倒木が時折あり迂回したりくぐったりするので道を失い易い。

荒れた登山道

黙々と登り、ガラ場の左トラバ-スを抜けるとようやっと大聖寺平に到着する、ここから仰ぐ荒川三山は実に絵になる。

大聖寺平から荒川三山を臨む

荷物をデポして赤石岳ピストンに向かう。小赤石岳に向かう途中、3000m辺りからアイスバ-ンとなりアイゼンをつける。

小赤石岳まではアイスバーン

小赤石岳の稜線には小さいが雪庇が出来ていてクラックが入っている。

雪が積もった稜線

小赤石岳を過ぎて程なく赤石岳に到着する。

赤石岳山頂

しばし眺望を楽しみ頂上を後にする、避難小屋のドアはどうやら開いている模様、誰かいるのか何が起きているのか不明だが放置する。大聖寺平への下りで単独登山者に抜かれる。どうやら避難小屋に居たそうだが寒いので宿泊断念したそうだ。大聖寺平で荷物を背負い荒川小屋に向かい、平坦なトラバ-ス道40分程で到着する、幸い水場が使用可能だった。新しく立派な冬季開放小屋に宿泊者が3名、他にテントは無い。

11月4日(月)晴れ
荒川小屋(6:05)-広河原小屋(10:00~10:40)-高山の滝(12:03~25)-駐車場(14:55)

富士山と朝日

今日も日の出と共に行動開始する。大聖寺平に戻り広河原小屋へと下る。登りでは問題なかったような場所でも倒木の影響で道を失うことがあったりくぐろうとした木の隙間が狭まってしまったりと倒木は厄介だ。

お世話になった広河原小屋

広河原小屋で沢靴に履き替える。ウェイダ-は無くなっているので単独登山者は先行したのだろう。

初日に洗礼を受けた最大の難所

難所だった高山の滝地点の渡渉は数メ-トル下流の流れこそ速いが浅めの場所を選び対岸上流から渡したロ-プを支えにして一人ずつ渡渉する。ロ-プの受け渡しの際に意外な誤解が発生したが、先日の修行の成果があってか20分程で完了した。その先2か所ほど渡渉点を間違えやり直しするも今日は全身ずぶぬれは免れ、駐車場に到着する。一見順調そうだが、足を濡らすとともに緊張して疲れた様子なので名古屋行き高速バスでの別行動は止めにして帰路の運転手を務めることにする。

(記 みの)

室堂~針ノ木峠

期 日:2019年9月13日(金)~9月15日(日)
参加者:みの  

9月13日(金)
室堂ターミナル(9:55)-一ノ越山荘(10:40)-獅子岳(13:00)-ザラ峠(13:53)-五色ヶ原山荘(14:33)-五色ヶ原キャンプ場(14:44)

台風のため断念した夏合宿ルートを少しアレンジしてトレースした。
12日は仕事後に富山に向かい駅周辺のホテルに宿泊する。13日(金)は平日だが立山黒部アルペンルートに閑古鳥は鳴かない。電鉄富山で片道切符を購入し7:04発に乗る、乗客は通学する高校生が多い。立山駅で予約したケーブルカーまで20分ほど待って美女平に到着。すぐにバスに乗り有名な滝を観たり転寝したりしているうちに室堂に到着。夏合宿では信濃大町-扇沢-室堂を往復利用したので立山黒部アルペンルートは完全制覇だ。一ノ越から先は数名の縦走者が前後する。

ザラ峠

浄土山との合流地点からは五色ヶ原を遠望できる。清々しい天気に恵まれ難なく五色ヶ原に到着し、小屋で受付と飲み物購入、キャンプ場に向かう。テントは夜には20張り程になる。夕暮れ時の山々が赤く染まって美しい。

9月14日(土)
幕営地(5:50)-刈安峠(7:13)-平の小屋(8:15)-渡船(10:00)-避難小屋(10:29)-南沢出合(10:54)-船窪岳分岐(13:04)-針ノ木沢出合(13:30)-針ノ木小屋(16:04)-平坦地(16:20)

シュラフカバーだけで過ごした夜はとても寒く着られる物を全て着込んで耐える。体温を蓄えて温まったシュラフマットは就寝中の背中を守ってくれて助かる。夜12時過ぎに静かに行動開始するタフな女性単独行者がいた。テント場のトイレは防犯灯が付いていて照明が自動点燈する便利仕様だ。少し経つと自動消灯するが体を動かせば再点灯してくれる。テントを乾かしてゆっくり出立するも平の渡しを1時間以上待つ。

平の小屋

平の小屋の飼い犬(黒柴)は飢えていて休憩していた登山客の隙をついてローストビーフを盗み食う。
渡船に案内はなく、釣り人の話すとおりに勝手に無人の船に乗りこんで待つと、船員は別の船で現われ定刻10時に出発する。乗船者は2人が奥黒部ヒュッテ行で、その他5名は釣り人だ。針ノ木谷は船窪乗越しへの分岐までは新しい赤布とペイントが案内してくれる。しかし分岐を過ぎると不明瞭な踏み跡と何十年も経過しかすれたペイントが目印となる。渡渉も幾度かあり飛び石が無いため靴を濡らす。針ノ木沢出合までに計3名の単独行者とすれ違う。先頭は外国人女性でキチンと下調べしてきたらしく地下足袋を履いていた。地下足袋を指差しグッドチョイス、ツーモアクロッシングゼアーと話すとアリガトサンネーと笑顔の英会話。針ノ木沢出合で休んでいると突然男女2人組が現れお互い驚く、初老の男性は針ノ木峠から船窪岳への近道を選んだと語るが、若い女性をしごく罰ゲームにしか思えない。そこから先も踏み跡が薄く小一時間ほど沢歩きとなる。二股を過ぎて水が枯れると踏み跡が濃くなり針ノ木峠の手前だけ整備されている。針ノ木峠への到着タイムは前回(26年位前)より20分遅いだけで進歩と退化の変化は無い。受付に行くと小屋もテント場も超満員で暫く登って平坦地を探してビバーク(有料)せよとのこと。缶ビールは売り切れて生ビールのみの販売なので、仕方なく大ジョッキで頂く。泡をすり切ってなみなみ注いでくれてとても嬉しい。よく冷えたビールを一気に飲み干すとテン場探しの登りは苦にならない。
(駅前旅館の話によると針の木小屋は昨日300人収容、断られて下山した人もいたらしい)
  
9月15日(日)
幕営地(6:43)-針ノ木小屋(6:55)-大沢小屋(9:05)-扇沢(9:43)=信濃大町駅

順応力とは便利なもので昨夜の寒さに体が慣れてしまったせいか寒さをそれ程感じず熟睡する。キャンパーのマナーも良く朝の出立も静かだ。テントから頭を出して東の空が赤く染まり広がるさまを眺める。ゆっくり支度して針ノ木峠を後にする。

針ノ木峠

雪渓はノド付近に一部残るだけで跡形も無く消失しておりアイゼンの出番は無い。今年は5月の山スキーと7月の会山行で2回雪渓を通過しているが遠い昔のことの様に思える。ノドの下で休憩していると昇りの男女2人組から「ここに雪渓ってあったのですか?」と聞かれ、ここから見えないけどあそこにあるよと上部を指差すと2人は満足げに頷く。無造作に河原を歩いていたところ足を滑らし大転倒するが幸い怪我はなかった。気を引き締めて下る。営業終了した大沢小屋の先を右に曲がり鉄パイプの橋を渡り、雑草の生えた道を辿って扇沢ターミナルに到着、10分後発のバスに乗る。駅前旅館の七倉荘でお風呂を利用、井筒ワインをお供にして帰路に着く。

(記 みの)

夏山合宿C隊 室堂~剱岳

期 日:2019年8月14日(水)~8月15日(木)
参加者:Lみの、おとっつあん

8月14日(水)晴れ時々曇り
信濃大町(7:00)=扇沢=黒部ダム=室堂(10:15)-剱御前小屋(12:25)-剱沢野営場(13:12)-テント設営(14:00)-剱岳(16:58)-テント(20:02)

8月13日、B隊として栂海新道を縦走して親不知に下山し、台風情報を確認すると16日に西日本を通過する予報なので、その前に下山する1泊2日に計画変更する。B隊帰路の車中で旅館予約を行い信濃大町駅徒歩3分にある竹の家旅館までB隊の車で送ってもらう。周辺の旅館2軒は満室でこの旅館だけ空室があったが普通に快適な宿だった。洗濯と風呂、食料装備の見直しを行い食事に出て養老の滝で腹を満たす。
14日6時起床、二人とも深刻な筋肉痛や疲労等の体調不良は無く行動開始とする。駅のコインロッカーに不要になった装備を預け、コンビニで用足しして駅前7時発のバスに乗車する。扇沢でトロリーバスに乗り換え、黒部ダムからケーブルカーとロープウェイ、更にトロリーバスを利用して大した混雑もなく楽々と室堂に到着する。暫く硫黄の臭いのするなか観光客に混じって遊歩道を歩く。おとっつあんは周辺のホテルで宿泊客がガス中毒事故に巻き込まれることを心配する。遊歩道は下り続けて登り返しをきつくする。雷鳥沢野営場を過ぎ丸太橋ならぬ角材橋を渡ると登りが始まる。冬に雪崩事故が発生したのはあの辺りだろうか?やがて剱御前小屋に到着し剣岳を仰ぐが早々に剱沢野営場に向かう。

剱沢野営場

風が吹き始めているのでテントの頂点にも細引きでガイライン追加するなど念入りにテント設営する。軽装で剱岳アタックに出発するが、時折強風が吹きテントが気になる。残された耐風手段はテントキーパーだが志願者はいない。一服剱の辺りまで数組の下山パーティとすれ違ったが、ついに人影はなくなり貸切り状態となる。おとっつあんが先頭を歩き前剱の岩場とルーファイを楽しむ。前剱を通過し緩くなった傾斜をつめて頂上の祠に到着する。

剱岳山頂

祠には剱岳と記入された木のプレートが何枚か置いてある。しかし先月登頂した時プレートの中には選んではいけないいわく付きのプレートがあると他パーティが話していたのを思い出し、ゲンを担いでプレート抜きで記念撮影する。日没も迫っているので下山を急ぐ。日没寸前に一服剱を通過し、剱山荘の手前でヘッドライトを点灯、剱沢小屋手前の立ち入り禁止の札と外国人に惑わされるも結局直進してテントに到着する。剱沢小屋は金庫を閉めてしまったため飲み物を購入できなかった。刻みたまねぎとささみ肉をフリーズドライカレーに混ぜてカレーパウダーで辛さを整えた食当おとっつあんのオリジナルカレーと、持参した飲み物で栄養補給する。10時半就寝。

8月15日(木)曇り
剱沢野営場(6:20)-剱御前小屋(7:00)-室堂(8:50)

ゆっくり朝寝坊する予定だったが、撤収するパーティの話し声に寝ていられず起床する。各自簡単に朝食を済ませて撤収する。風はどんどん強くなっているのに広い野営場には未だテントが残っている。剱御前小屋は雨戸を閉め、風で飛ばされそうな物を片付けて既に台風対策済だ。風が強まる中を室堂に急ぐが、驚いた事にこれから入山する単独登山者とすれ違う。風に投げ飛ばされたり、飛んできた小石が顔に当たったり、装備品を飛ばされたり、風は強敵だ。剱岳早月尾根番場島登山口には“試練と憧れ”の碑と観音様像、遭難者慰霊塔が訪れる登山者を出迎え戒めているが、観光地の室堂には無い。突然叫び声があがる。子供が風に煽られて遊歩道から1.5mほど転落して腰を曲げたり延ばしたりして斜面を転がり落ちてやっと止まる、幸い怪我は無かった模様で子供は泣きもせず親と並んで歩き出す。室堂9時15分発のトロリーバスで下山する。

(記 みの)

早月川河口~剱岳

期 日:2019年7月13日(土)~7月15日(月)
参加者:みの

7月13日(土)晴れ
西魚津駅(10:31)-早月川日本海河口(11:09)-国道8号のコンビニ(11:46)-入会橋(12:58)-箕輪ダム(13:35)-伊折橋(15:45)-伊折(16:05)-剱橋(17:37)-番場島野営場(17:54)

京都駅から金沢を経由して北陸新幹線で黒部宇奈月温泉に、富山地方電鉄に乗り換えて西魚津駅に到着する。早月川沿いをミラージュランド側の海岸に向かいたかったが上半身裸の男性が歩いているのでこれを避けて早月橋を渡り対岸側から河口に出る。

早月川河口

写真撮影して日本海から剣岳への歩行を開始する。昼前にコンビニであんパンと水1Lを購入する。これが最初で最後のコンビニだったのでこれが本日の行動食になる。グーグルマップに導かれて早月川に付かず離れず田んぼや民家の脇を歩行するが誰とも会わない。やっと伊折に着くが集落などなく冬季閉鎖用ゲートがあるだけだった。道標には青年の家までの距離が表示されているが跡形もなく期待した自動販売機も無い。傾斜が急になった車道を歩いて番場島野営場に着く、幸い番場島荘で飲み物を購入できた。またグランピングの人がとうもろこしとトマトを差し入れてくれた。

7月14日(日)曇り時々雨
番場島野営場(4:06)-早月小屋(9:00)-剱岳(12:08)-番場島野営場(18:20)

暗い中を歩き出す。

早月小屋

昨日から営業開始した早月小屋前で休んでいると運動靴を履いた単独行者が追い越して行く。40分ほど登ると彼は引き返してきた、道が不明瞭なので下山するという。次第に残雪が現われるが難所の鎖は顔を出しておりアイゼンは出番がなかった。ガスの中を登り続けてお昼に頂上の祠に着く。

剱岳山頂

剣沢から登ってきたパーティが2組ほどいる。景色は全く無く写真撮影して下山する。早月小屋のスタッフが登山道整備をしてくれて、シュルンドに設置したてのお助けロープの第一号客となる。スタッフにお礼を言うとやりがいがあるといって喜んでいた。早月小屋の下から雨に降られる。野営場も雨で、炊事場の屋根を借りて夕食の餅をゆでているとグランピングの人が焼肉を差し入れてくれありがたく頂戴する。

7月15日(月)
番場島野営場(6:30)=上市駅

タクシー会社に電話すると駅から登山者を送ったばかりだったそうで番場島荘に行くとタクシーがスタンバイしていた。一昨日とは打って変わり楽々と駅に向かう。

(記 みの)

春山合宿A隊 爺ヶ岳(東尾根)~冷池

期 日:2019年4月27日(土)~4月29日(月)
参加者:Lみの、SLコバヤン、オヨシ、ヒー

4月27日(土)雪
鹿島駐車場(7:40)-ジャンクションピーク(12:10)-P3(13:40)-幕営地(14:00)

前夜コバヤン号がみのをピックアップしてオヨシ家に集合する、オヨシ家を22:40出発。順調に走行しザーザー降りの雨の中安曇野の道の駅松川に到着、先客がテント設営中のため、遠慮して車内泊を試みるも狭いのに音を上げ先客の隣にテント設営する、例の声を出す自動販売機は無く安眠する。
鹿島駐車場に他の車は無い、支度をしていると霧雨が雪に変わる。

天候を気にしながら登り始める

雪のない激坂を越え尾根に出ると次第に残雪が現れる。昨日の降雪のためトレースは消えているが順調に行程をこなして予定地点に到着、整地して幕営する。就寝中、強風が吹き始め零時頃収まる。

4月28日(日)晴れ
起床(3:30)雪かき等、幕営地発(7:25)-P2(9:00)-痩せた雪稜のキノコ通過(9:30~11:30)-P1(12:40)-爺ヶ岳(15:00)-冷池小屋(17:00) 

夜半テントの裾が雪に埋もれ寒くて目が覚めるが寝返りを打って対処する。起床して外に出るとあちこちに吹き溜まりができておりストック類がほぼ埋没しており除雪する、周囲をブロックで囲んで作ったトイレは新雪が一杯詰まり浴槽に変身している。

テントを撤収して出発の準備

新雪を踏んでP2を越えると痩せた雪稜を崖下から延びた立木に積もった軟雪のキノコが通せんぼしている難所に遭遇する。

キノコに立ち向かうコバヤン

吊り上げ用の支点と滑車(レボルバー)を用意、コバヤンが空身となりロープを付けて果敢にルート工作し、難儀の末これを通過する。通過後、軽装の後続2人パーティが抜いていく。

P1を目指して

しんどい斜面を登ってP1にたどり着く、新雪の積もった斜面を先程のパーティのトレースを辿って爺ヶ岳に至る。

爺ヶ岳山頂!

よく踏まれた縦走路を辿って冷池小屋に到着、水と飲み物を購入、ご機嫌で幕営する。

4月29日(月)晴れのち曇り
起床(5:30)冷池小屋発(7:25)-赤岩尾根ロープ下降(7:50~10:55)-高千穂平(12:30)-西俣出合(15:10)-大谷原駐車場(16:15)

モルゲンロート、鹿島槍ヶ岳がキレイ

天気が下り坂なので鹿島槍ヶ岳と五竜岳をあきらめエスケープルートの赤岩尾根で下山することにする。
尾根の稜線で下降の支度をする、他に中型ザックの2パーティが現れ、3パーティそれぞれのルートでスタイル3様の同時下降が始まる。1パーティはロープなしで1人ずつダブルアックス下降。もうひとパーティは、都度ロープ引き上げて1人ずつダブルアックス下降。

赤岩尾根を下る

我々はロープフィックスしてのプルージック通過を2ピッチ、立木を利用した懸垂2ピッチ、ヒーさんは追加で懸垂1ピッチして合計5ピッチ下降、3時間弱所要したため休憩して空腹を満たす。その後も緩んだ雪を踏み抜いたり足を滑らしたり、尻セード、高千穂平を過ぎてからクラックの入った斜面を懸垂したりと面白おかしく下降を続け西俣出合に到着する。

尻セードで追いかける

鹿島駐車場の車回収のため、オヨシは速足で林道を進み姿が見えなくなる。大谷原駐車場にドライブしている地元の老夫妻にコバヤンが話しかけて便乗させてもらいオヨシを追いかける。
30分程で車回収、荷物を詰め込み、途中、わっぱらの湯を利用して帰路に就く。

(記 みの)

甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根)

期 日:2019年3月23日~24日
参加者:Lみの、オヨシ、ヒー

3月23日(土)晴れ
相模原=竹宇駒ヶ岳神社駐車場(9:45)-笹ノ平(11:45)-刃渡り(13:45)-五合小屋跡(15:00)-七丈小屋(16:30)(幕営)

オヨシ号に自宅でピックアップしてもらい圏央道を経由して中央道を進み須玉ICで降りる、コンビニ探しで多少遠回りするも竹宇駒ヶ岳神社手前の駐車場に到着。神社にお参りして入山する。

登山口の吊り橋

笹ノ平周辺からアイスバーンとなりアイゼン装着。刃渡りと五合目小屋跡を順調に通過する。

刃渡り
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五合目以降のハシゴ、高度感がスゴイ!

慎重に鎖場を通過して七丈小屋に到着、上の段の幕営地は満席のため、下の段の幕営地の雪を1m程掘って整地する。

3月24日(日)曇り後晴れ
幕営地(8:30)-八合目(9:30)-甲斐駒ヶ岳頂上(11:30)-八合目(13:30)-幕営地(14:45~16:30)-五合小屋跡(17:30)-刃渡り(18:30)-竹宇駒ヶ岳神社駐車場(21:20)

夜半から風が吹き始めて明け方には強風となる。いずれ天候回復するとの予報なので3時間程テントでごろごろと待機して風が穏やかになるのを待って出発する。30分程歩くと降りてくる数パーティーとすれ違う。話しかけ易そうな人に頂上の展望を訊ねると途中で撤退したとのこと。何度か耐風姿勢をとって八合目を通過する。

八合目手前、強風に吹かれながら
二本の剣

事故記録のある岩塔基部の左トラバース地点にはボルトが設置してある、高度感もあるのでスリングを渡して下山まで残置する。急傾斜な稜線が現れる、雪質は良くアイゼンの効きに問題ないが念のためロープを使う、途中にまたボルトが設置してあり中間支点になる。2ピッチだったか?でロープを仕舞い頂上への緩い稜線を進むと単独登山者とすれ違う、やがて快晴無風の頂上に至る。

甲斐駒ヶ岳山頂
北岳への稜線
鳳凰三山と富士山
仙丈ヶ岳

記念撮影して下山する。

無事に核心部を通過

幕営地に到着するとテントが無くなっている。支柱にしたストックが1本が残るのみ、谷底にも見当たらず全く跡形も無くなっている、小屋のアルバイトが来たので相談すると北風に飛ばされて南側の谷に落ちたのだろうとの事、オヨシと谷を下って捜索する、斜面を4~5百メートルも下った所でようやく発見して苦労の末に回収、テン場まで荷揚げする。
朝の天候待機に加えたこのハプニングのため下山時刻が大幅に遅れることになる。日没前に刃渡りを通過、ヘッドライトを使用して駐車場に至る。下山報告するも反省を促される事となる。

≪反省点≫
以降、テントには竹ペグに加えてMSRの自称10倍強度ペグを、またテント頂点から更に4本ガイライン追加できるようにして備えている。プラスチック製の自在は破損したので金属製に交換した。
1~2人テントでこのような経験は無い、テントは大型になるほど風を強く受けるので強風が予想される時のジャンボテントはもっての他と注意喚起する。

(記 みの)

赤岳天狗尾根〜ツルネ東稜

【日時】2018年2月17日~18日
【天候】17日曇り時々吹雪、18日晴れ
【メンバー】gaku(L)、みのさん

【行程】
17日 美し森駐車場~出合小屋
18日 出合小屋~天狗尾根~ツルネ東稜~出合小屋~美し森駐車場

【報告】
折角の会山行なのに山の気象予報は強風(登山不適)を報じている、天候回復を期待して出発を土曜朝5時に延期し、土曜日はアプローチ、日曜日アタックの計画にする。

美し森駐車場のトイレは冬季閉鎖中なので清里駅前トイレを借用する、身支度して歩き出したのは8時過ぎになった。
駐車車両は他に2台、2パーティーほど先行入山している様子だ。

雪を踏みながら1時間半ほど歩くと下山する5人パーティーとすれ違う、聞くと出合小屋周辺が吹雪なので迷わず撤退を決めたと毅然としたお返事、目指す地獄谷方面は暗く雲に覆われている。
更に30分ほど歩くとやはり撤退した単独登山者とすれ違う。

沈んだ気持ちで1時間ほど歩き出合小屋に到着。
天候回復に望みを託して今日はここで静かな時を過ごすことにする。

午後になって1パーティーが、夕方になって更にもう1パーティーが到着して俄然賑やかになる。

翌朝用心深く青空と風速を確認してから行動開始。
突撃モードの他パーティーは暗いうちに出発してしまった。

トレースを辿って尾根を進み幕営適地を通過してナイフリッジを渡りカニのハサミを通過すると第一岩峰が現われる、一昨年に訪れた時は左手の岩場を通過したそうだが今回は右手のトラバースルートを試す。

フィックスロープの端まで偵察したリーダーがそのままフリーで先行する。
暫くしてコールがあり後続する、トラバースした先の雪のルンゼをダブルアックスで登るが一気に抜けられる距離ではなく休憩を挟む、疲れてアックス操作が雑になってはいけない。

景色の開けた山稜をさらに進むと大天狗が迫ってくる、ロープを出して急斜面を越えて大天狗を仰ぐ、ごつごつした立派な岩だ。

直登通過(勘違い)で時間切れする可能性とこの先で烈風に見舞われる可能性にビビッていると、これこそ快晴無風のベストコンディション、こんなチャンスは滅多にないとリーダーが太鼓判を押す。

ロープを付けたリーダーが立ち木に支点を取って基部の雪面を右にトラバース、岩に取り付きテラスに至る。
フォローすると立派なハンガーボルトがあった、ここでロープをしまい、トレースを辿るとあっさり大天狗と小天狗のコルに出る。

濃い青空と雪に輝く岩と峰々が神々しい、写真を撮っていると単独登山者がスタスタと抜いていった。

程なくして稜線縦走路に到着する。

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稜線縦走路との出合から天狗尾根。その向こうには富士山。

少し休憩して12時半にツルネに向かう。

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休憩ポイントから権現岳を望む。

縦走路は風が吹いていて顔が冷える、主稜線と阿弥陀南稜が風除けになってくれたお陰で天狗尾根は西風からガードされていたらしい。

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下りのガレ場から権現岳。
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下りのガレ場から、振り返る。

雪と岩ミックスの斜面を延々と下る、キレット小屋付近の平坦地で休憩、ツルネに登り返す。

天狗尾根を振り返ると尖ったピークが連なりこちらからは通過不能にしか見えない。

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右側のスカイラインが天狗尾根。

14時過ぎに下山開始する、下山ルートのツルネ東稜は転がり落ちるような急な稜線でトレースはあるが時々踏み抜き腰まで埋まる。
16時に出合小屋到着、箒がけと戸締りして小屋を後にし、ヘッ電歩行で18時に駐車場到着する。

ミッションコンプリートだ、ビビッていた背中を押してくれたリーダーに深く感謝する。

八ヶ岳 阿弥陀岳 南稜

【日時】2017年3月25日
【天候】晴れ
【メンバー】岳(L)、コバさん、みのさん
【行程】
25日 舟山十字路~立場岳~P1~P2~P3~阿弥陀岳~御小屋尾根~舟山十字路

【報告】
“行きはよいよい帰りは怖い”下山路には、特に登頂後の下山路にはどこの山でも魔物が棲んでいる。
阿弥陀岳から御小屋尾根への下り坂、樹林帯の手前でスリップし怪我をするアクシデントが発生してしまった。
応急処置もチームワークも大切だが、15時間を越える行動時間をこなして自力下山を果した受傷者の頑張りが圧巻だった。

自分は先週に引き続き2週連続で雪山バリエーションルートに参加させてもらえとても嬉しい。
前日にアイゼンとアックスをヤスリで尖らせ、雪壁に打ち込むイメージトレーニングをする。

岳デリカ号で早朝に相模原を出発し、舟山十字路に駐車し6:25行動開始する。
尾根の取り付きは急斜面なので早々にアイゼン装着しコバさん先導する。

立場岳を越えた先の小ピークで行動ルートを観察する。

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立場岳山頂の先で、阿弥陀岳南側の全容が姿を現した。

 

午前中のP1通過が確実なこと、また天候面と体力面にも懸念がないことからP1P2コルでの幕営を止める判断をし、ここで登攀装備を装着する。

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青ナギを越え、無名峰に向かう。

 

時々雪を踏み抜きながらP1、P2と進みP3基部を巻いて予定のガリーに到着する。
ここでロープを出して岳さんがリードする。
合図を受けて自分がプルージックでセカンドする、所々氷結したやや柔らかい雪の斜面でアックスがとても頼りになる、教えを思い出して息が上がらないようにペース配分する、半ばからコバさんも登りだす。

2ピッチ目も岳さんリードする、中間ビレイを取り、草付きに進みほぼロープ一杯まで登る、合図を受けて自分とコバさんも後に続く。
もう一登りして稜線に出てロープを仕舞い休憩する。

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P3を越えP4へ。

 

すぐそこに見える頂上目指して稜線を進む、雪の斜面を登り、現れた上昇バンドを辿ってジェードルとカンテを幾つか越え、再度雪の斜面を登って頂上に到着する、近くに見えたが40分程度所要した。

3人パーティーが休憩している、北稜ルートを登って来たそうだ、楽しげに盛り上がっている。

権現岳、赤岳、横岳に穏やかに見守られながら暫し休憩し下山開始する。
稜線を辿り鋭いナイフリッジを慎重に歩く。
その先は広い雪の斜面となり所々フィックスロープがある。

アクシデントが発生した場所は、先行者が尻セードでもしたのか滑り台状の溝になった雪面で、見るからに手強い。
1月に富士山5合目で受けた雪山講習を思い出し、踵のキックに力を込めて通過する。

ややして物音に振り返ると、コバさんが頭を下にして仰向けになってしまっている、曲げた左ひざの裏と靴のつま先が別々の立ち木にひっかかったており簡単には抜け出せない、膝の曲げ方にも無理があり膝周辺の靱帯損傷が案じられる、これは大変だ。
ザックを外せないとの事なので雪の斜面を登り返してウエストバンドのバックルを外す、ザックから腕を抜くとザックは滑り落ち岳さんがキャッチする。
コバさんの背中を押して起き上がってもらい、木にからまった足を抜いて普通に座りなおす。
左足より右足がヤバイ、痺れていると話す、見るとスパッツ越しに脛が曲がって見える。
岳さんも到着して応急処置を宣言する、指示事項は添木2本と三角巾での右脛固定と松葉杖の組立だ、急いで材料を探す、3段継ストックの2段目とスコップの延長シャフトを添木に選び三角巾2枚で固定する。
ストック2本の一方の先端をスノーリングに通して、グリップ部をスコップのグリップシャフトで繫いで三角形な松葉杖の形にして針金とバンドで各部を固定する。

応急処置が済み、救助を呼ぶか相談する。
20mくらい登り返せば立ち木も無くヘリコプターで吊り上げてもらえるかもしれない、反対に20mくらい下ると樹林帯なので救助を求めても自力で下山して下さいと指示されそうだ。
自分と岳さんは骨折を疑い救急治療を薦めるがコバさん嫌がり、ちょっと待てば歩けるようになると主張する。
暫くしてコバさん空身で下りを試みる、歩けるそうなので岳さん自力下山を判断する、会長に電話して一報をいれる。
コバさんのザックはそれ程重くないのでとりあえず右肩で背負い少し下るが不安定だ、岳さんが中身を出して2人のザックに詰め替えようと指示する、これは名案。

しぼんだザックをコバさんが背負ってしまう、無理して欲しくないがタフ振りを発揮する。
何度か休憩をとり、またガスで雪を溶かして飲み水確保したりして、ヘッドライトを頼りに5時間弱かけて舟山十字路に下山した。
コバさん靴を脱ぎ患部を見る、腫れてはいるが内出血はしていない模様でややほっとする、10時頃帰路に着き深夜に相模原に着く。

翌日は寒く平野部は雨、山間部は雪、強行軍だったが日帰りに計画変更して正解だった。
(みのさん記)

 

 

 

リーダーとしての反省点
・計画の時間配分。12時頃にテン場に着く時間配分のためその日のうちに行ける気になってしまう。
翌日早朝に動き出したかったためそうしたが、平日の疲れがある場合はもう少し遅い到着の計画でも良かったのかもしれない。

・後から思えば、日帰りで充分に行ける体力と技術は持っていたメンバーだった。
駐車場で先に入っているパーティーが少ないことがわかったのだから、荷物の軽い日帰り装備を選択してもよかった。
(※とはいえ南稜初体験、バリエーションリーダー2回目の自分にはその判断は中々できなかったように思う)

・頂上でも仕切りにテント泊したがっていたので、実はけっこう疲労困憊していたのかもしれない。
それを察せられなかった。

・P4の登りはロープを出すべきだったかもしれない。P3で時間がかかったため、時間短縮でロープを出さなかったことが疲労を増したか?

・初期判断で僕らも気が動転して脛に異常があると考えてしまった。実際は足首。最初の処置がそもそも違った。

・途中で痛いのは足首だと聞いて、足首固定を三角巾でしたつもりになっていたが、帰宅後、確かめてみたら結び方間違ってた。。。
こばさんゴメンナサイ。。。
(三角巾固定の意味なし。6月の救助訓練ではロープワークや救助法だけでなく三角巾の使い方も定期的に復習する必要を感じた。)

・木曜日に22時に帰宅するとこばさんが言っていたにも関わらず、その疲れを察することができず集合時間を午前3時半から変更しなかった。
もっと休養をとってから行った方が良かったのかもしれない。
(※とはいえ天気が夕方から悪くなるという予報だったためその判断も難しかったように思う。)

(岳記)

乗鞍 山スキー

【日時】4月2日
【天候】晴れ
【メンバー】レー子(L)、みのさん
【行程】
乗鞍スノーリゾート カモシカリフト終点(9:45)~肩の小屋(12:20~12:40)~駐車場(14:00)

【報告】
朝5時に相模原を出発し9時前にスキー場駐車場に到着、身支度してゲレンデに向かう。
痛ましい雪崩事故の報道が繰り返された1週間だった、勿論ビーコン、スコップ、ゾンデ棒の装備は忘れない。
晴れ女を自称するレー子さんの神通力は今日も健在で、青空をバックにした乗鞍の白い峰々が絵葉書のように並ぶ。

ゲレンデをリフト1本分滑って準備運動した後、リフトを3本乗り継いで歩行開始地点に到着する。
沢山のパーティーが登り支度をしている、スノボー組、スキー組、登山組、水分補給を促すガイドさんらしい声も聞こえてくる、大変にぎやかだ。

スキーにシールを貼ってレー子さんが先導する、いきなり急登だ。
樹林帯を幅15m位伐採した明瞭なコースを黙々と登る。
途中で休憩してまた登る、森林限界を越えた地点に看板が立ち、ここから先は視界が悪いと迷い易いと注意書きしてある。

緩やかな広い雪原を進むと左手に高天ヶ原、正面やや左に剣ヶ峰、右側に摩利支天岳のピークと幾筋もの稜線と沢筋がワイドに見える、驚いたことにスキーのシュプールや歩行者のトレースがあっちにもこっちにも付いており、行動する人の姿も見える、スノボー担いで登る人、下山する登山者、滑降する人、実に広大な遊び場だ。

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登ってきたパーティーはそれぞれの目的コースを目指して散らばっていく。
右手には2月に山スキーした十石山も顔を見せる。
気温はほぼ零度、やや風もあり小さく千切れた雲が次々に通過していくなか肩の小屋に到着、小屋の手前で昼食にする。

時間も押しているので剣ヶ峰は登らず、ここでシールを外してザックに仕舞い滑降準備する、師匠の○○さんは銀パラいち押しだったと語りながらレー子さん入念にワックス掛けする。

単独のボーダーが無造作に滑降していくのを目で追いかけて後に続く。
雪の表面がクラストしておりクラストを割りながら滑降するのでターンがしんどい。
このコースでのパウダースノー経験があるレー子さんはこのモナカ雪に大変ご不満だ。
一息つくたびにご不興の言葉を漏らしつつもすいすい滑っていく。

自分は強引なターンを試みたら両足ともにビンディング開放してしまい一回転する、遠心力で帽子とメガネが飛んでしまう。
スキーブーツの脛のバックルを少しきつく締めるとスキー板のコントロールが良くなる、先行者がクラストを粉砕してくれた場所を選んでターンするともう転ばない、次第にクラストも薄くなり調子が上がりスキーを楽しむ。
樹林帯まで下ると大勢の滑降により整地されているので楽に滑れる。

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登山者が急な斜面を選んで尻セードしている、ゴムの板を尻に敷いて滑る、スピード上昇してバランスを崩し絶叫をあげて転がり落ちていく、つい笑ってしまう。

やがてスキー場のゲレンデに出る、プレスされた雪面は滑りやすく程なくして駐車場の脇まで滑りつく。

道具を片付けると午後2時を少し回っている、温泉を浴びて3時前に帰路に着く。
渋滞に遭い8時前に相模原に到着する。

雪質に対する経験値を幾つか得、道具も馴染んできた、楽しく手応えのある一日だった。
晴れ女のレー子さん、次回も健在でお願いします。

南アルプス 鋸岳~甲斐駒ケ岳 縦走

【日時】3月18日~20日
【天候】晴れ
【メンバー】なべたけ(L)、岳、みのさん
【行程】
18日 戸台駐車場~角兵衛沢の出会い~角兵衛沢のコル(幕営)
19日 角兵衛沢のコル~鋸岳(第一高点)~小ギャップ~大ギャップ~六合石室(幕営)
20日 六合石室~甲斐駒ケ岳~駒津峰~仙水峠~北沢峠~戸台駐車場

【報告】
当初の目的地は白馬岳方面だったが気象情報に気掛かりな点があったため南アルプスに目的地変更となった、深夜、なべたけ号で相模原を出発する。

途中で仮眠をとり戸台駐車場に到着。
30台程度の駐車車両と身支度している登山者の姿がある。
我々も身支度とトイレを済ませて7時に河原歩きを始める。

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堰堤を幾つか越え、休憩を挟み、2時間弱で角兵衛沢の出会に着く。
ここで渡渉し、水筒も満たす。
苔むした歴史感あふれるケルンを通過し、赤布に導かれて尾根に取り付く。
くねくねと迷い易い踏み跡を赤布と先行者の足跡を頼りに進む。
その後沢沿いを登って高度を上げ、大岩下の岩小屋を見送る。
岩小屋に向かうパーティーが見える。
傾斜がきつくなった雪面を、息を切らせ汗をたらしながら黙々と登る。

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スフィンクス岩を見送り、無心に登り続けると再度ガラ場が現れる、落石をださぬようにそっと歩いて通過する。

ヘトヘトになって角兵衛沢のコルに到着するとテントが1張り設営されている。
我々の前を行くパーティーはテント設営せずに頂上まで登りつめる様子、聞くと日帰りの予定だそうだ。
なべたけさんがコル手前にテント設営場所を選び、雪の斜面をピッケルで整地してテントを2張り設営。

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初日の疲れを癒すため早々に食事を済ませて明るい内に就寝する。

19日朝7時に行動開始する。
鋸岳(第一高点)を登り詰め、稜線を進むと小ギャップが現れる。

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鎖が張ってあるが時間が掛かりそうなので懸垂下降する。
対面の斜面を登り返すと20mくらい先に小さなピークが2つ並んで見える。
なべたけさんがフリーで通過すると指示するが、ピークの直登ルートもトラバースルートもどちらも雪の急斜面に見えたので、お願いしてロープを出してもらい岳さんにリードしてもらう。

小ピークの取り付きで後ろを振り返ると、追いついた2パーティーが順番待ちしている。
なべたけさんがフリーでしたらお先にどうぞと声をかけると猛者たちは追い抜いていく。
ただ雪の急斜面とその上の岩場は慎重に時間を掛けていた。

小ピークに登り、懸垂下降の準備をしていると先程抜いていった猛者たちが登り返して戻ってきた。
フリーではあとちょっと無理だったとのこと。
懸垂下降すると更に鎖が下に延びる夏ルートが見えてきた。

なべたけさんは雪崩と落石リスクを避けるため稜線ルートを偵察する。
岳さんと自分は待機するが場所が悪く時々石が落ちてくる。
拳骨大サイズもあり、ボスボスと体に当たる音がするので岳さんを見ると運悪くヒットしてしまっている。
岳さん恐怖と痛さに耐える。
後でヘルメットを見せてもらったら窪んでいた。
ヘルメットは命の防具だ、大事に至らなくて良かった。

稜線に上がり一休みする。
先程の小ピークがとても近くに見える。
この短い水平距離の移動を実現するために費やした登りと下り、落石の恐怖、そして偵察など様々な頑張りがあった。
満ち足りた気持ちで休憩する。

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稜線を漫歩していくと大勢の人が待機している、大ギャップだ。
暖かい陽だまりで懸垂下降の順番待ちをする、同じく待機している人と声を交わす、おっかない夏ルートに比べれば順番待ちがあっても明るい稜線ルートを辿れて幸せだ、と意見が一致した、皆の衆楽しんでいる。

大ギャップに下降してルンゼを暫し下ると細いガリーが有る。
なべたけさんが先程から観察している様子なので、ここを行きますかと声を掛けると、手持ちの確保器材では不足とのこと、そこまで詳細にルート読みしていたのかと驚く。

その先の斜面を登り返し、第二高点の頂上は見送って中ノ川乗越に下る。
巻いて登って引き返すように下るルートなので方角を勘違いし易い、SOBEさんの会報記録の通りだ。
中ノ川乗越では大勢が休憩している。
ここから下山する模様だ。

我々は先に進む。
登り返し、樹林帯を進み、三つ頭を通過して六合石室に至る。
小屋は小さく先行者もいて窮屈なので幕営する、傾斜が緩いので昨日より整地は簡単だ。

20日朝6時に行動開始し、甲斐駒ケ岳頂上から延びる尾根を登る。
雪稜や岩稜を時々左右に巻いて進む。
傾斜の立った場所の雪はアイゼンがキュツキュツと鳴るくらい良くしまっており申し分のない足場を提供してくれる。
ニセ山頂を通過すると頂上の祠が見える。
急坂が始まり上は青空しか見えなくなるが、登りきると頂上広場に出た。
劇的だ。
なべたけさん、岳さんとグータッチする。
雲ひとつ無く風も穏やか、縦走路を振り返る。
また仙丈、北岳、鳳凰三山は勿論、塩見岳の奥の千枚、悪沢と赤石岳までの展望に時間の経つのを忘れて見とれる。

 

 

 

 

 

 

 

駒津峰への下りは先頭を歩かせてもらった。
3連休最終日なので立派なトレースが付いている。
人影は無く出会ったのは1パーティーだけだった。

駒津峰で甲斐駒を振り返るとまた時を忘れてしまい、なべたけさんから先を促される。
仙水峠まで一気に下り、その先の仙水小屋の湧水で喉を潤す。

時間が押しているのでなべたけさん先頭で引っ張り、北沢峠、大平小屋、丹渓山荘を経由して最後は河原を小走りするようにして戸台駐車場に戻る。

長年憧れていたルート、楽しく充実した山行だった、がっちり握手する。