カテゴリー別アーカイブ: 山スキー

春山合宿C隊 弓折岳~双六岳

期 日:2022年4月29日~30日
参加者:Lヨッシー、ヒー

4月29日(金)曇りのち雨
新穂高温泉駐車場(10:40)-笠新道手前(12:55)幕営

道路渋滞のため予定より遅れて出発。すぐにA隊と別れ左俣林道に入る。林道に雪は殆ど無く、中崎橋の手前でスキーを履くがすぐに雪が途切れる。12時くらいから雨が降り始める。笠新道のすぐ手前の広場にテントを設営する。水は左俣谷から得られた。やや強い雨が夜半まで降り続き、朝方には霧雨になった。

4月30日(土)霧雨のち晴れ
幕営地(5:20)-ワサビ平小屋(5:35)-小池新道登山口(6:15)-秩父沢出合(7:20)-旧大ノマ乗越分岐(8:35)-2400m地点(10:25)-小池新道登山口(11:40)-幕営地(12:30)-新穂高温泉駐車場(14:35)

3時20分頃、奇声を発して通り過ぎる登山者がいた。笠新道に向かったらしい。外は霧雨で視界はない。熊鈴代わりの奇声なのか?テントを置いて出発。ワサビ平小屋でスキーを着ける。小池新道登山口までの間も雪が切れている所があったが、小池新道からは雪が途切れることはなかった。無駄な登りを避けるため、細いスノーブリッジを渡ったり少し藪っぽい夏道沿いを行ったり・・。秩父沢からはべったりと雪が付いており歩きやすい所を登る。

頑張って斜面を登る

天気も回復し、目指す弓折岳が見えてきた。大ノマ乗越を目指すと段々傾斜が強くなってきた。乗越が見えてきた辺りで30センチほどの落石がヒーさんめがけて落ちていく。10mくらい手前で方向が変わり事なきを得た。途中A隊と連絡が取れ、早めに下山するとのこと。下りにかかる時間や体調のことを考慮して2400mを最高到達点とする。

北アルプスの峰々

乗鞍岳から槍穂高岳の眺めを暫し堪能してから滑降開始。滑りやすい斜面だ。小池新道登山口まであっと言う間だった。幕営地に戻り一時間かけてテント撤収。ここからまた苦行が始まる。ゲートの先までオヨシが迎えに来てくれた。靴を持って貰う。助かる。ゲートまで車を上げて貰いさらに助かる。

(記 ヨッシー)

会山行 入笠山〜程久保山

期 日:2022年3月5日~6日
参加者:(山スキー)Lレー子、オヨシ、ヒー(スノーシュー・ワカン)ヨッシー、なべたけ、しげちゃん(日帰り)そうべぇ、いずっこ

3月5日(土)曇り後雪、強風
沢入登山口(8:30)-入笠湿原(10:00〜10:30)-御所平峠~旧スキー場上にてビーコントレ(10:30〜11:30)-入笠山山頂(11:50〜12:00)
【日帰り】御所平峠-入笠湿原往路下山)-沢入登山口(13:15)
【泊まり】首切清水-大阿原湿原(13:00〜13:30)-湿原入口周辺樹林帯(13:40)幕営

当初の計画は新潟の東谷山から日白山の予定だったが、週間予報はずっと悪く土曜日の午後は雨、その後暴風雪。直前になっても好転の気配なく、雪があって天気の比較的良いのは入笠山しかなかった。悩んだ末、前日になって入笠山からおまけで釜無山をプラスした計画に変更した。

いつもはゴンドラで楽々登るが、今回はトレーニングのため沢入登山口から登ることとする。しばらくは雪が途切れているためスキー隊は板を背負って夏道を登る。まもなく雪が繋がり板を履くが、つぼ足隊からは遅れる。山彦荘横のトイレ前で全員合流。それにしても手軽に雪山に登れるためか人が多い。

御所平峠からは踏み固められた夏道を避け、ワカン、スキーで旧スキー場を直に上がる。その先の樹林帯でビーコンの電波特性の理解と複数埋没の捜索練習を全員で行う。みんなもったいないことに自分の高価なビーコンの機能を十分理解していない。今後はリスク管理のためにもシーズン初めにビーコンのトレーニングを実施するのが良いと思う。また、スマートフォンがビーコンの電波に干渉するとのことで、実際に発信モードのビーコンとスマートフォンを重ねると、捜索モードで数メートルまで接近しないと電波を受信できないことが実際に確認できた。

ビーコン捜索、講習で得た知識や技術を共有

日帰り組の下山時間もあるので、1時間程度のトレーニングの後山頂を目指す。山頂に近づくにつれて非常に風が強くなる。いつもは穏やかでぐるぐるっと360度山が見える山頂だが、本日は強風と黄砂なのか黄色く霞んで山は全く見えない。

入笠山山頂で記念撮影!キマってる!?

長居は無用と、御所平峠に下山する日帰り組と分かれて首切清水に向かう。ほとんどの登山者は御所平峠への夏道を下るため、人は少ないが雪面はスノーシューなどのトレースで荒れており、スキー隊は泊りの重荷で板を取られないように慎重に下る。林道に出て大阿原湿原に向かう。湿原まで行く人は少ないがそれほど時間がかかるわけではないので、ちょっと足を延ばすだけで静かなスノーハイキングが楽しめそうだ。

大阿原湿原は当然のことながら強風が吹き荒れており、ヨッシーが幕営地の偵察に行き適地を見つけて戻って来た。いつも思うことだが、ヨッシーの幕営適地を探す能力は天性のものなのか、人間とは思えない…。

大阿原湿原から沢入駐車場に下る林道をわずかに進んだ樹林帯を幕営地とし各自テントを張るが、しげちゃんは退路を断ってテントを持ってこなかったため、イグルーに挑戦。残念ながら天井が塞げず、テントのグランドシートを借りて屋根として完成。一晩快適に過ごせたらしい。

イグルー作り、個性が出ます

夕方から雪が降り始め夜間も降り続いたが、樹林帯の中で風もなく静かな夜だった。

3月6日(日)晴れ後曇り
幕営地付近にて積雪断面観察・弱層テスト・救助トレ
(6:00〜8:00)-幕営地(8:30)-程久保山(9:30〜9:40)-幕営地(テント撤収)(9:55〜10:50)-林道下山-沢入登山口(11:25~12:10)

本日は昼頃から再び天候が崩れると思われ、まったくトレースのない釜無山往復には時間もかかりそうなので、幕営地付近でまずトレーニングをすることとした。積雪深90~100㎝、まず積雪断面を掘り出し、層の雪質、硬さの変化などを観察する。結合力の弱い「しもざらめ雪」も観察できた。弱層テストとしてコンプレッションテストと簡易的なハンドテストを練習、その後V字ローテーションで埋没者の掘出しを行い、低体温の要救助者への対応として隔離・保温・加温の原則を確認した。プラティパスを使っての体幹湯たんぽには反対の意見もでたが、北海道警ではこれにより低体温症の救助が革新的に進歩したといい、山岳医療救助機構でもこれを推奨しており、雪崩の捜索技術はもちろんだがファーストエイドの知識・技能のアップデートも必要だな、と思う。

コンプレッションテスト
要救助者への対応

トレーニングは繰り返し行うのが効果的だが、だんだんみんな飽きてきたようなので、テントをその場に残して、釜無山方面の行けるところまで行くことにした。ちょうどそこに沢入登山口から林道を登って来た山スキーの二人に出会った。今や人気のマナスル山荘のビーフシチューを予約してあるのだと言う。昨日はピラタスから登り蓼科山での山スキー講習に参加したがそうだが、荒天のため入笠に移動してきたとのこと。

我々はトレースのない林道をラッセルして進むが、山スキーやスノーシューに比べワカンは大変そうだ。しばらく進むと釜無山が遥か遠くに確認でき、みんなの心から山頂を目指す気持ちが消えた。それでも程久保山まで登ろうと、林道から切り開かれた斜面を登る。標識もない山かと思ったが、ピークには小さな「程久保山1977m」のプレートがあり、今回の最高峰だ。

程久保山のピークのプレート

林道までは快適な斜面を滑るが、林道から幕営地までは時々漕ぎながらの緩やかな滑りを楽しむ。
テント撤収後、朝登って来た二人からの情報では、林道は沢入駐車場まで雪が繋がっているとのことで、スキーに有利な林道を下山することとした。スキー隊到着から40分程度の遅れでスノーシュー、ワカン隊が到着。その頃には再び雪が舞い始めていた。

越後方面の積雪量にはおよばないが、ひと通りの雪崩トレーニングができ、入笠と思えない静かな雪山が楽しめて良かった。今回おまけで計画した釜無山まで行けなかったが、体力のあるうちに釜無山から白岩岳、鋸岳に行きたいなと帰宅後地図を眺めながら思った。

(記 レー子)

大崩山

期 日:2021年4月3日
参加者:Lヒー、ヨッシー、オヨシ

4月3日(土)晴れ時々霧
久手牧場入口(8:50)-1650m付近(10:20)-夫婦松(11:10)-2280m付近(12:35)-大崩山(13:30〜14:00)-1650m付近(16:20)-久手牧場入口(17:05)

山スキーは昨年の春以来、山行も久々。今回、初めて山スキーリーダーを担当した。大崩山(おおくずれやま)は乗鞍岳23峰の1つで、標高2523mの山スキー初級の山である。
関越道から長野自動車道に入るも、高速から見える山々にはあまり雪が残っておらず。大崩山も滑れる状態か心配したが、ここはまだスキーができそうだ。とは言え、融雪がかなり進み、牧場までの林道は板を履いたり脱いだり。

麓の林道の雪は融けている

牧場を通り過ぎて尾根に乗ってからも、雪を求めて林道と尾根を選びながら登った。

牧場を過ぎたら尾根へ

標高1600m以降は尾根にしっかり雪があった。

1600m付近の風景

暫く急登を登っていると、同じように登っている単独のおじさんに出会う。北陸の方のようで、同行の若手から初老までの方たちは隣の猫岳を目指し、ずいぶん先に行ってしまったらしい。とにかく元気なおじさんでよくしゃべる。御歳70超えなんだとか。少々疲れを感じていた私は元気をもらった!

夫婦松、松はどこにも見当たらない(苦笑)

標高1970m辺りの夫婦松でお別れして、我々は大崩山を目指す。

夫婦松で振り返ると穂高連峰が見える!

ルートは冬季閉鎖中の乗鞍スカイラインと数回交わる。雪も付いてすんなり合流するところもあれば、道路の法面が壁のように立ち塞がって回り込まないと登れないところもあった。

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乗鞍スカイラインと合流

スカイラインを4回越えると、いよいよ大崩山へストレートに登り詰める急登が始まる。

ここから長い急登

山スキー初心者のオヨシは、1年前には急登が登れずレー子さんにしごかれていたが、だいぶ上手くなってきた。ズルズルと落ちそうになると上手く転んで防いでいた。いつの間に身につけた?凄い!私なら落ちる…

着々と登っていく

しばらくするとオヨシに異変が!腿が攣って痛そうにしている。ヨッシーに芍薬甘草湯を頂きたくさん水分を補給する。しっかり休めれば良かったのだが、下りの時間も考えると時間の余裕がなく…休憩もそこそこに、山頂を目指す。

山頂までもう少し

黙々と登りなんとか山頂に着いたのだが、のっぺり広くて標柱もなく、どこが山頂なんだかよく分からない。GPSを使って1番高そうなところに立ち大満足!

ここが山頂だよね!?(笑)
左から四ヶ岳、烏帽子岳、猫岳 ねこは滑り甲斐がありそう!

山頂でお腹を満たし、シールを剥がしていざ滑走!

ヨッシーの華麗な滑り!

来たルートを戻る予定だったが、大崩山と猫岳の谷に良さそうな斜面がありルートを少し変更。スカイラインまで快適な斜面を滑り降りる。雪質は良かった!間もなく、オヨシの足が再び痛み始める。樹林帯はなるべく避け、スカイラインや林道を使って降りることにした。大崩山はそれができるから良い。オヨシは滑りながら腿が攣って暫く動けなくなったりしたが、なんとか夫婦松まで滑り降りてきた。その後、針葉樹林帯は雪面がガタガタで滑りにくいこともあって、広葉樹林帯の滑りやすそうな雪面を求めながらグングン滑った。オヨシも良い感じでついてくる、楽しい!ふと、嫌な予感がして、そっとGPSを確認した。予定ルートから3~400mほど西にいるではないか…これはマズイ。予定ルートに戻るため、ヨッシーには偵察しながら先へ行ってもらい、オヨシを連れて後を追う事にした。樹林帯のかなり急な斜面をしばらくトラバースしなければならず、技術が追いつかなくなったオヨシは板を脱いで歩いてトラバースした。雪が緩く滑り、足が痛そうで見ていてハラハラした。なんとか予定ルートにたどり着き、ホッと一息。その後は安全な林道を滑ることにした。途中、滑ったら楽しそうな斜面があり、地図を慎重に読む。林道につながることが分かり滑走!(た、楽しい!めちゃくちゃ嬉しい!)

良い斜面でした~

山スキーでは夏山以上に読図を慎重にやらねばならないと反省した。予定時刻よりかなりオーバーして下山、まだ明るくホッとした。

(記 ヒー)

針ノ木岳

期 日:2019年5月11日(土)
参加者:Lレー子、みの、オヨシ(ツボ足)、ヒー

5月11日(土)快晴
扇沢(8:30)-大沢出合(9:40)-マヤクボ沢出合(11:50)-マヤクボカール(13:00~13:10)-稜線(13:55)-針ノ木岳山頂(14:15~14:25)-稜線(14:30~14:50)-大沢出合(15:40)-扇沢(16:15)

春山合宿の帰り、今シーズンの滑り納めになるかもしれない針ノ木岳を計画。一時期毎年5月に通っていたが、暁の山スキー人口が減って久しぶりの針ノ木岳。朝発の日帰り山スキーは午前3時起きが何より辛い。4時30分みの家目標で自宅を出発するが、順調すぎて4時10分には到着。表で10分待ってオヨシ家を経由して扇沢に向かう。さすがに10連休明けで高速は渋滞もなく順調に進む。

扇沢の無料駐車場は立山への登山客や観光客の車でいっぱい。日帰りなので1000円払って有料に止める。8時30分板をザックに着けて出発。道路を2回横切り、いつもの場所から板を履いて雪渓に入る。大沢出合までは例年の5月最終週と思われる雪の少なさで、ギリギリ板を履いて堰堤を超えられる状況。おそらく来週は途中板を脱ぐことになるだろう。大沢小屋には周辺で雪上訓練を行うと思われるパーティのテントが何張もあった。ここからデブリを避けながら各自思い思いのルート取りでマヤクボ沢出合まで進む。
出合からはいつも右寄りのマヤクボのコルを目指すルートで登っていたが、今回先行者はみんな左寄りの急登を登っており、特に雪崩の心配もないため先行者に続くが、途中からツボ足で登るほうが早そうなので、板をザックに着ける。カールに出て更に山頂までもうひと頑張り、山頂直下の稜線には景色を楽しむボーダーやスキーヤーが7、8人いた。山頂までわずかな雪壁を登って記念撮影。

針ノ木山頂

50周年記念暁ビッグバンドに含まれる針ノ木岳、今回はピークハントのため、誰かに爺ヶ岳から針ノ木、船窪岳、烏帽子岳へと繋いでもらいたい。立山方面の景色を十分堪能し、滑走準備を行う。今回もオヨシさんは尻セードを駆使しての下山。マヤクボ沢出合までは尻セードも順調だったが、やがて傾斜が緩くなりデブリに阻まれ、ツボ足に切り替え、走る、走る。稜線から滑走終了点まで、山スキーからはやや遅れたものの1時間強で下山。

春山合宿に続き、天候に恵まれ楽しく登り、滑ることができた。

マヤクボカールを振り返る
ザラメ最高!

早起きは3文の得!

(記 レー子)

春山合宿C隊 白馬岳~白馬鑓温泉分岐

期 日:2019年5月4日(土)~5月5日(日)
参加者:<山スキー隊>CLレー子、みの、ヒー <ワカン隊>Lオヨシ、こ~平、おとっつあん

5月4日(土)快晴
猿倉(6:45)-白馬尻(7:40)-葱平(10:40)-2500m(12:10~12:50)-頂上宿舎(14:00~14:45)-白馬岳山頂(15:35~15:45)-頂上宿舎(16:40)

連休前半は天候が安定せず、当初の計画は3~4日で5日を予備日としていたが、3日はまだ寒気の影響があり、雷雨や強風の可能性があったため、出発を1日遅らせて、4~5日の予備日なしに急遽変更した。2年前の春山合宿に小日向山の山頂で突然吹雪かれ、テントに戻ってからも雷鳴に脅えたことは記憶に新しく、予備日を設けたことで、柔軟な対応が可能となった。
出発を1日遅らせたことで、前夜の集合時間も橋本駅22時から19時集合に変更でき、余裕を持っての出発となった。10連休で昼間は大渋滞だったようだが、夜は特に渋滞に巻き込まれることもなく、無事白馬に到着した。みそら野の駐車場で仮眠したが、例年になく駐車台数は多く、仮眠の穴場もだいぶ周知されたようだ。
天気予報は晴れのはずだったが、翌朝テントから顔を出すと、いちめん霧に包まれヤキモキさせられたが、駐車場は霧が溜まりやすい地形なのか、二股手前から突然霧が晴れて白馬の稜線が現れ安堵した。
今回は山スキー3人ワカン3人の混成チームで、本日は大雪渓を詰めて頂上宿舎で幕営の予定とし、6時45分出発。例年駐車場には登山指導の方たちがいるが、今年は連休も後半のためか、計画を聞かれることもなかった。ちょうど4週間前にヨッシー、みのさん、ヒーさん、レー子で金山沢を滑って猿倉に滑り降りているが、雪は大分減っている。馬尻には3号雪渓からのデブリが到達しており、右岸側を進む。右岸台地には数張りのテントがあり、白馬主稜を登っているパーティも見え、彼らのテントか、若しくは馬尻ベースでの山スキーヤーのものと思われる。

大雪渓のデブリ

2200mを超える辺りから傾斜は徐々にきつくなり、風もなく気温は上がり、テント泊の重荷が肩に食い込む。ここから山スキー隊はシール登行をあきらめつぼ足で登るが、暑さのせいか、慣れない板をザックに付けての急な登りのためか、この辺りからヒーさんが徐々に遅れ始める。2500m付近で頭痛の訴えがあり、薬を飲みゆっくり休憩する。

快晴のもとで休憩

14時村営頂上宿舎に着き、テントを設営する。テント場が一杯で良い場所を確保できないのではと心配していたが、小さなテントが1張りのみで、その後も3張り増えただけだった。空身で山頂に向かうが、白馬山荘の前には多くの登山者がくつろいでおり、大雪渓を登っていたほとんどの登山者が、小屋泊りか日帰りと思われる。稜線上はほとんど雪がなく、山スキーの兼用靴にはつらい歩きだ。山頂で50周年のための記念写真を撮りテントに戻る。

白馬岳山頂

途中明日滑る予定の清水谷左股を偵察するが、二股近くの谷が狭まっており、途中までの滑りと登り返しのトレースが確認できたのみで、上部は開けて快適な谷に見えるが、あまり滑られていないようだ。翌日の天候とヒーさんの体調で決めることとした。その夜は満天の星で風ひとつない静かな夜だった。

5月5日(日)快晴
幕営地(7:15)-杓子岳分岐(8:45ワカン隊山頂往復)-杓子沢コル(9:30~10:10)-白馬鑓ヶ岳(11:10)-鑓温泉分岐(11:40~12:00)-鑓温泉上(12:30~12:50)-湯ノ入沢(13:15)-小日向のコル(14:05~14:30)-猿倉(15:15)

テント撤収

5時起床、今日も快晴。ヒーさんの体調は回復したが、テント泊の装備を背負っての滑りと、暑い中での長い登り返し、その後も白馬鑓から湯ノ入沢まで滑らなければならず、今回清水谷滑走は見送ることとし、6人で稜線を進む。山スキー隊は板を背負っているためピッチが上がらず、杓子岳の山頂はワカン隊の3人に任せ、杓子沢のコルまで先に進む。

杓子岳に向かってGO!
杓子岳山頂

休憩中スノーボードを背負った単独者が通りかかり、朝4時30分に猿倉を出発し、鑓温泉に入って帰るとのこと。白馬には通いなれているようで、清水谷は毎年滑っており、きれいな斜面の続く良い沢で、比較的遅い時期まで滑れるとのこと。尾根を登り返す場合は雪が固いのでアイゼンを使用したほうが良いが、そのまま沢を詰めて杓子沢のコルに出て、杓子沢を途中まで滑り、樺平を超えて長走沢に入るのも良いとのアドバイスを受ける。但し、今年は3ヶ月前に鎖骨を折り、病み上がりの為、清水谷には入っておらず、今年の滑走情報は得られなかった。
杓子岳山頂を往復したワカン隊がこちらに向かう姿を確認し、山スキー隊は白馬鑓の山頂に向かう。山頂で合流し、記念写真を撮影。

白馬鑓ヶ岳にて これで白馬三山制覇!

山頂には先ほどのスノーボーダーのほかに、単独のスキーヤーがおり、白馬山荘に泊り、今朝清水谷を滑って登り返してきたとのこと。朝早いので雪はやや硬かったようだが、非常に良い斜面だったそうで、うらやましい限り。お二人は山頂から鑓温泉を目指して滑り込んで行ったが、荷物の重い我々には無理があるので、昨年と同様、稜線を少し下った鑓温泉への分岐まで移動し、そこでワカン隊と別れて滑走準備をする。

どこから滑り込もうか?

昨年に比べて雪は少ないが、適度に緩んで快適なザラメだ。途中右岸側からのデブリがあったが、昨年に比べ雪面はきれいで快適な滑りが続く。

カッコイイみのさん
快適な斜面

アッと言う間に鑓温泉を見下ろす場所まで滑り下りてワカン隊を待つこととするが、尻セードを駆使してあまり遅れることなく到着。

負けない尻セード隊

湯ノ入沢でシールを貼って、小日向のコルまで登り返す。コルから滑った斜面を眺めて大満足。

満足~小日向のコルから

コルからもワカン隊を時々待ちつつ猿倉の台地に滑り込む。長走沢上部は比較的新しい大きなデブリが発生していた。台地からはやや縦溝が気になるが、雪は緩んでいるので滑りに影響はない。一昨年、昨年ベースにした場所にはテントが1張り。あっという間に林道に出て、ほぼ予定通り3時15分に猿倉の駐車場に帰ることができた。
今回個人的な事情で計画が遅れ、また準備会にも参加できなかったため、山スキーとワカンとの混成隊での行動、装備計画等がギリギリまで不確定だったことは反省すべき点で申し訳なく思うが、6人と言う人数で、好天に恵まれ、50周年記念のルートの一部である白馬三山のピークを踏めたことに感謝したい。

(記 レー子)

鹿島槍ヶ岳(東尾根)(山スキー)

【日時】4月15日(土)
【天候】晴れ
【メンバー】レー子(L)、ヨッシー(L)、みのさん、フー子
【行程】
白馬栂池スキー場ゴンドラ乗り場(8:00)→鹿島槍ヶ岳東尾根とりつき 大谷原 大冷橋(10:30)→ 東尾根途中(12:00)折返し→大谷原 大冷橋(13:00)

 

【報告】

今回の計画では、白馬乗鞍登頂でしたが、強風のためゴンドラ動かず。

ゴンドラ運転開始待ちの様子 レー子、よっしーは動かない場合の計画を検討。 みのさん、気合入れて準備運動。
栂池スキー場ゴンドラ運転開始待ちの様子
レー子、よっしーは動かない場合の計画を検討。みのさん、気合入れて準備運動。

天気予報からも、強風は予想されていたが、さらに小雨もだんだんひどくなってきた。

その日は強風のため、どのスキー場もリフトの運行が中止になっており、山のふもとで春合宿に向けてのフー子のための山スキー登り特訓をすることになった。

リーダーはレー子から、地元ヨッシーに変更。短時間でのこの二人の判断力、コミュニケーションのよさは今までの山行経験からきているもの、また、お互いに信頼しあえているなあと感じ、うらやましいなと思った。その日はいつくるのか。。。

ここからスタート。雪はなく、スキーを担ぐいつもお世話になっております。でいく。
ここからスタート。雪はなく、スキーを担いでいく。

山スキーは、2回目で、スキー板、靴、シールなどまだ地に足についていない状況でいきなり急斜面が私に向かってきた。

シールがはがれたり、バランス崩したりして転んでは起き、キックターンしながら、一心で登っていった。

みのさん、後ろからひよっこフー子が必死で追いかける。
みのさん、後ろからひよっこフー子が必死で追いかける。距離は縮まるどころか広がるばかり・・・

雨も次第に強くなり、あまり登っても今度は私が下山できなくなる可能性があり、↓ここで折返しを決定。

雨もひどくなり、ヨッシー、レー子が折返しを検討
雨もひどくなり、ヨッシー、レー子が折返しを検討

久しぶりのスキー、道が狭くてターンができず、横滑りで下る。。みんなはスイスイ~森の中に消えていく。。。

腰が引けておりれないっ!!
腰が引けておりれないっ!!

横滑りは、最後まで続き、山スキーよりゲレンデスキーでの練習の必要性をひしひしと感じた。。

こんなんで春合宿にいけるのか??そして、レー子から、『実力不足だから、春合宿はやめたほうがよいんじゃない?』といわれる心配もしながら・・・・少しずつ、下山した。

下山後は、笑顔。

下山後のショット!
下山後のショット!

雨の中、転んでは、全力で立ち上がりの繰り返しで、前髪は雨と汗がいっしょになって顔に降ってくる。修行だ・・・

レー子は、春合宿への参加の否定はせず、むしろ、春合宿には今回レー子がはいていたスキー板と靴を使ったほうがよいといってくれ、いっしょに参加できることになった。やさしい。。有難い。

ヨッシー、レー子いろいろ教えてありがとう。

みのさん、折返し地点でのみのさんのくしゃみ連発発作をみて、緊張感が伝わり、より怖くなったよー。

乗鞍 山スキー

【日時】4月2日
【天候】晴れ
【メンバー】レー子(L)、みのさん
【行程】
乗鞍スノーリゾート カモシカリフト終点(9:45)~肩の小屋(12:20~12:40)~駐車場(14:00)

【報告】
朝5時に相模原を出発し9時前にスキー場駐車場に到着、身支度してゲレンデに向かう。
痛ましい雪崩事故の報道が繰り返された1週間だった、勿論ビーコン、スコップ、ゾンデ棒の装備は忘れない。
晴れ女を自称するレー子さんの神通力は今日も健在で、青空をバックにした乗鞍の白い峰々が絵葉書のように並ぶ。

ゲレンデをリフト1本分滑って準備運動した後、リフトを3本乗り継いで歩行開始地点に到着する。
沢山のパーティーが登り支度をしている、スノボー組、スキー組、登山組、水分補給を促すガイドさんらしい声も聞こえてくる、大変にぎやかだ。

スキーにシールを貼ってレー子さんが先導する、いきなり急登だ。
樹林帯を幅15m位伐採した明瞭なコースを黙々と登る。
途中で休憩してまた登る、森林限界を越えた地点に看板が立ち、ここから先は視界が悪いと迷い易いと注意書きしてある。

緩やかな広い雪原を進むと左手に高天ヶ原、正面やや左に剣ヶ峰、右側に摩利支天岳のピークと幾筋もの稜線と沢筋がワイドに見える、驚いたことにスキーのシュプールや歩行者のトレースがあっちにもこっちにも付いており、行動する人の姿も見える、スノボー担いで登る人、下山する登山者、滑降する人、実に広大な遊び場だ。

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登ってきたパーティーはそれぞれの目的コースを目指して散らばっていく。
右手には2月に山スキーした十石山も顔を見せる。
気温はほぼ零度、やや風もあり小さく千切れた雲が次々に通過していくなか肩の小屋に到着、小屋の手前で昼食にする。

時間も押しているので剣ヶ峰は登らず、ここでシールを外してザックに仕舞い滑降準備する、師匠の○○さんは銀パラいち押しだったと語りながらレー子さん入念にワックス掛けする。

単独のボーダーが無造作に滑降していくのを目で追いかけて後に続く。
雪の表面がクラストしておりクラストを割りながら滑降するのでターンがしんどい。
このコースでのパウダースノー経験があるレー子さんはこのモナカ雪に大変ご不満だ。
一息つくたびにご不興の言葉を漏らしつつもすいすい滑っていく。

自分は強引なターンを試みたら両足ともにビンディング開放してしまい一回転する、遠心力で帽子とメガネが飛んでしまう。
スキーブーツの脛のバックルを少しきつく締めるとスキー板のコントロールが良くなる、先行者がクラストを粉砕してくれた場所を選んでターンするともう転ばない、次第にクラストも薄くなり調子が上がりスキーを楽しむ。
樹林帯まで下ると大勢の滑降により整地されているので楽に滑れる。

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登山者が急な斜面を選んで尻セードしている、ゴムの板を尻に敷いて滑る、スピード上昇してバランスを崩し絶叫をあげて転がり落ちていく、つい笑ってしまう。

やがてスキー場のゲレンデに出る、プレスされた雪面は滑りやすく程なくして駐車場の脇まで滑りつく。

道具を片付けると午後2時を少し回っている、温泉を浴びて3時前に帰路に着く。
渋滞に遭い8時前に相模原に到着する。

雪質に対する経験値を幾つか得、道具も馴染んできた、楽しく手応えのある一日だった。
晴れ女のレー子さん、次回も健在でお願いします。

3月会山行:谷川 雨ヶ立(雪洞訓練)

2017年3月4~5日
メンバー 山スキー隊:Lレー子、ガク、こばち
ワカン隊:SLちじー、なかはる、なかえつ、さと、ひろし、のり

3月4日(土)快晴
宝川温泉(10:55)-板幽橋(13:00)-940m付近・雪洞堀(13:30-16:30)

橋本駅6時20分集合、2台に分乗して宝川温泉に向う。
渋滞もあり宝川温泉を出発したのは11時近くなってしまった。

本日は9人分の雪洞を掘らなければならないため、13時には掘り始める予定で出発。
山スキー3人はスタートから板を履くが、ワカン隊はしばらくつぼ足で進む。

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昨年は異常な渇雪だったが、今年はほぼ例年並の積雪と思われ、しばらく歩いて全員ワカンを履いて進む。
今回初めてワカンを履くメンバーもおり、装着に多少手間取る。

林道を進み、トンネル手前で板、ワカンを外す。
例年通りトンネル内には氷筍が生長していた。

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板幽橋手前から林道を離れ、30分ほど登ったところで3m以上の積雪、何とか掘れそうな場所を見つけて作業開始。
9人寝られる雪洞をつくるのは難しいので、3人用のイグルーと6人用の雪洞を作ることとする。
6人用は作業効率のため、入口2ヶ所から掘り進めることとした。

初めは比較的やわらかい雪のため、例年より早く掘れるのではと思ったが、掘り進めるうちに堅い雪になり、ひろしさんのスコップが使用不能となる。

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それでも2ヶ所から掘り進めた雪洞はずれることなく貫通した。
「黒部の太陽」のような屈強なおじさんたちのがんばりで、なんとか日が傾く頃には9人の今宵の宿が完成した。

今回雪洞が始めてのメンバーもいたが、みんな雪遊びをする子供のように楽しそう。

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きっと病み付きになることだろう。

3月5日(日)快晴
雪洞(6:20)-稜線(8:30)-雨ヶ立山頂(スキー隊9:20、ワカン隊9:35-9:50)-11:10雪洞11:40-13:00宝川温泉

4時起床。外は薄っすらと降雪があったが、雪洞内は寒さを感じることなく快適に眠れた。
不要な装備を置いて5時30分出発の予定だったが、人数が多いと出発に手間取り、結局6時を大幅に過ぎてしまった。
特に積雪期は体を冷やさないためにも、早く出発する訓練も必要と思う。

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登りはやはりワカンより山スキー有利で先行するが、モナカ雪で帰りはどうなることやら・・・。
雪質が良ければ最高の急斜面を登り、雨ヶ立山頂から南東に派生する尾根上に出る。

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山頂にて。

約3時間の登りで山頂に立つ。雲ひとつなく、谷川から朝日、巻機、上越、尾瀬の山々までぐるりと眺めることができ、穏やかな天候に感謝。

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山頂からの展望を堪能した後、山スキー隊はみんなの注目をあびて滑降開始。

今回ガク君は登山靴で山スキーに来ており、登りは急斜面のキックターンも問題なくこなしていたが、滑りはやはり厳しい。

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はい、厳しかったです。 by 岳

 

雪質も上部はモナカでなかなか手強く、ガク君早々にスキーを断念してワカンに履きかえたようだ。
こばちさんも大きな体で豪快に転んでいる。

やはり3月の雪は一番難しい。
ひとりソリ隊のひろしさんが楽しかったかどうかは分からない。

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どうも楽しんでいたようです。

 

登りで尾根上に出たとき、帰りの下降点を見失わないように赤布をつけておいたが、それでも快適な斜面を選んで滑っているうちにワカンの登りのトレースを見失い、赤布を付けた地点より下まで滑ってしまった。
この辺りやや複雑な地形のため注意が必要。

だんだん気温が上がって雪は重くなり、湿雪用のワックスを塗って重雪のバーンに飛び込む。
尾根も狭まり、樹間も密になり、とうとうこばちさんも板を脱いでしまったようだ。

それでも約1時間でみんな雪洞に帰り着いた。
雪洞を撤収してひと滑りで林道だが、荷物が重くなり、転ばないように慎重に滑る。
林道に出てからの山スキー隊は快調に飛ばして真っ先に車に到着。

次々とワカン隊も笑顔で到着。

天候に恵まれて最高の春山と雪洞を楽しむことができました。願わくば来年はもう少し山スキーの人数が増え、技術も向上し、ワカン隊に負けないこと。

(記 レー子)

乗鞍 十石山(山スキー)

2017年2月4日(土)
メンバー (L)れいこ、みのさん

白骨温泉(9:00)―1800m台地(10:15)-十石東尾根-十石山(13:20 13:40)~白骨温泉(15:20)

ようやく十分な雪が降り、十石山に行ってきました。

朝5時相模原を出発して白骨温泉に駐車。
スタートから板を履いて出発。
先行パーティのトレースをありがたく利用させてもらう。
朝はかなりの冷え込みだったが、最初の急登に取り付く頃には青空が広がり暑い。

樹林帯を抜け、穂高の山々を眺めながらひたすら登る。
最後のオープンバーンはクラストしており、6人の先行パーティも途中でスキーアイゼンを付けているのか、苦労している様子。
我々もエッジを利かせながら慎重に登る。

以前山頂にあった小さな「十石山」のプレートは見当たらなかった。
冷たい強風に吹かれ、避難小屋の陰でシールを剥がし、長居は無用と早々に下る。
樹林帯に入るまではフワッフワの雪で樹間を楽々ターンして滑るが、徐々に雪は重くなり、尾根末端からの南向き斜面では雪が板にくっ付き、うかつにもワックスを忘れたため、まったく滑らず重い板に苦労する。
日陰に入り雪質が変わったところでなんとか復活したが、再び1800mの傾斜がなくなったところで団子のように雪がくっ付き、拷問のような歩きを強いられる。

くっ付いた雪をきれいに落とし、最後の急斜面に滑り込む。
雪は重いが、北寄りの斜面にパウダーが残っているため、良さそうなところを選んで滑る。
最後は太腿がパンパンで苦労したが、上部は最高の滑りが楽しめ大満足でした。

トレースがなく2人でラッセルしたら、とても山頂にはたどり着けなかったのではないかと思い、先行の6人パーティと単独者に感謝!
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金山沢

OLYMPUS DIGITAL CAMERA暁の田中です。予定通り栂池から上がって金山沢を滑って今下山しました。
船越の頭から金山台地までは深い雨溝で苦労しましたが金山沢に入ってからは快適でした。出合いは割れはじめており、後数日で金山沢も終わりでしょう。今年は雪解けが早いです。残念です。