笠取山

期 日:2019年9月29日(日)
参加者:Lオヨシ、ヒー

9月29日(日)晴れのち雨
作場平駐車場(10:15)-笠取小屋(11:45)-笠取山(12:30)-笠取山(13:35)~作場平駐車場(14:20)

笠取山は西峰の肩(山梨県域山頂)、西峰、中峰(埼玉県域山頂、最高峰)と東峰の4峰を有する珍しい山。そのため、9月の会山行では2パーティに分かれたことで、結果的に全てのピークを繋ぐことができなかった。今回の山行目的はそのピークハントである。
登山道はきちんと整備され、快晴で空気も澄んでおり好条件がそろっていた。

沢のせせらぎが聞こえる

しかし午後から雨予報であったため、序盤からペースを上げた。笠取小屋は営業期間を終了、前回は夕方に小屋番が鹿の餌付けをしていたそうだが、それも終えてしまったのか。そんなことを気にしながら分水嶺に到着、ここは多摩川・荒川・富士川の源泉である。

分水嶺

間もなく西峰の肩が笠取山一番の急登と共に姿を現す。その山頂には山梨百名山と記された立派な標識が立てられている。

笠取山(西峰の肩)山頂
富士山が見えた

南方の景色が素晴らしい。少しわかりづらい登山道を進み数分で西峰へ。ここには標識も三角点も何も設置されていない。

笠取山(西峰)山頂

さらにわかりづらい登山道の先に中峰があり、埼玉県と環境庁の名が刻まれたやや朽ちた標識と三角点がある。

笠取山(中峰)山頂

さらに5分ほどアップダウンを繰り返すと、最後の東峰に到着。

笠取山(東峰)山頂

これでやり残した目的は達成。北西の空に灰色の雲が増えてきたため水干を経由して早足に下る。笠取小屋では案の定、数頭の鹿が餌を求めてうろついていた。雨に降られる前に下山。今回は数パーティとしかすれ違わなかったが、紅葉が進めばまた登山客で賑わうであろう。

(記 オヨシ)

北天のタル~三条ダルミ

期 日:2019年9月28日(土)
参加者:そうべぇ

9月28日(土)晴れ
片倉橋ゲート前駐車場(6:00~6:20)-林道終点(7:38)-三条の湯(8:00~8:05)-三岩分岐(9:20~9:45)-三条ダルミ(11:15~11:30)-三条の湯(12:40)-林道終点(12:55)片倉橋ゲート前駐車場(13:55)

9月の会山行で雁坂峠から三条ダルミを計画していたが、三岩分岐から三条の湯へと下った。つまり計画変更をした。雲取山から三条ダルミ、三条の湯はオヨシ、こー平にてつなげていたことが理由だ。とにかく繋がることを目標としていたので問題ないと判断した。しかし、「奥秩父縦走路」と地図上には記載されており、その一部分が欠落していることの気持ち悪さ、心残り、後ろ髪ひかれっぱなしの気持ちがぬぐいきれず、あるいは罪悪感からか、改めてつなぎなおしの計画を立てた。林道歩きの長いことを除けば、楽しい山歩きになるのではないかと思った。この日は、ラグビーワールドカップ日本対アイルランド戦があるので、少なくとも帰りの車でラジオ中継には間に合うように下山したい。この長い林道をいかに克服するか、林道なので力まかせに走るのみ。疲れたら歩き、癒えたら走りの繰り返し。
片倉橋ゲート前駐車場を6時20分に出発。林道の緩い登りを走ったり、歩いたりしながら7時35分に林道終点に到着した。以前はこの林道終点まで車は入れたようだが、落石の危険が増したので、進入禁止となったようだ。林道から眺める沢は水量が多く、激しい流れだ。綺麗な沢だと思った。林道終点から三条の湯まで30分ほどの行程、8時ちょうどに到着。三条の湯からは三ッ岩(北天のタル)経由の周回ルートをとった。高低差約850mの登りである。他の登山者とも会わず静かな登りを楽しんだ。北天のタルには9時15分到着。ここから三条ダルミまでは尾根上で起伏のない平坦なルートとなる。草原上であれば申し分ないのだが、クマ笹の藪を掻き分けながら進まなければならず、思ったほど走れない。登山道も笹におおわれ、足元が見えない。笹に足を取られ滑り、谷側に落ちてしまう危険性もあった。十分に整備されていない登山道だ。奥秩父縦走路は山梨県側の整備は行き届いているが、東京都、埼玉県側はあまり気にされていないように思えた。クマ笹を掻き分けて進むと、視界が開けぽっかりとした草原が目の前に広がった。狼平1752mである。赤トンボがたくさん飛びかっていた。あまりにも気持ちのいい場所なのでしばらくぼぉーっとしていた。三条ダルミには11時15分到着。

三条ダルミ

雲取山までの往復も考えたが下山を急いだ。腹ごしらえをして三条の湯に向かった。途中迂回路があり、登り返さなければならないことは想定外だったが、鹿の親子に見守られながら静かな山歩きを満喫した。三条の湯からは来た道をたどり、片倉橋ゲート前駐車場には13時55分に着いた。
「あかつきビッグバン・トレール」上の奥秩父縦走路はこれで完結。これで心残りも無くなり、さっぱりした。

(記 そうべえ)

双六岳~黒部五郎岳

期 日:2019年9月25日(水)~9月27日(金)
参加者:Lヨッシー

9月25日(水)
新穂高温泉(6:21)-双六小屋(13:10)

三日間の好天が約束された新穂高温泉は早朝より駐車場が満車。平日にもかかわらず登山者が多い。鏡平を経て双六小屋には13時過ぎに到着。テントも夕方には30張りほどになった。

9月26日(木)
幕営地(4:33)-双六岳(5:20)-三俣蓮華岳(6:22)-黒部五郎小屋(7:45)-黒部五郎岳(9:53)-黒部五郎小屋(11:55)-三俣蓮華岳(13:49)-双六小屋(15:33)
 
ヘッドランプを点けて出発する。双六岳の手前で明るくなる。三俣蓮華岳までの縦走路は以前裏銀座を縦走した時に歩いているはずだが、その時は天気が悪く記憶が曖昧である。三俣蓮華岳から黒部五郎小屋に向かう。こちらに向かう人は少ないようだ。黒部五郎小屋から黒部のカール(北面カール)一帯は別天地である。個人的には雲ノ平や高天ヶ原より景観が素晴らしいと感じた。念願の黒部五郎岳の山頂に立つと、太郎平までの縦走路が見えた。

黒部五郎岳

赤木岳までの間は宿題になった。帰路は稜線コースを下る。小屋で一休みして三俣蓮華岳まで登り返す。三俣蓮華岳からは巻道ルートで双六小屋まで戻る。

9月27日(金)
幕営地(5:00)-鏡平(6:45)-新穂高温泉(9:55)

夜明け前に出発する。最終日も良い天気で登って来る人も多い。順調に新穂高温泉に到着、平湯で汗を流してから帰宅する。

(記 ヨッシー)

会山行B隊 笠取山~北天のタル

期 日:2019年9月14日(土)~9月15日(日)
参加者: Lコバヤン、そうべぇ、オヨシ

笠取山を経由地点として2隊で歩破する。交通方法について移動車両1台にて下記の手順で実施。
オヨシ家出発-雁坂トンネル手前駐車場にてA隊をドロップオフ-作場平小屋に駐車B隊入山-同場所A隊車両をピックアップ-後山林道(片倉橋)合流

9月14日(土)
作場平小屋(10:40)-笠取山-将監小屋(17:10)

オヨシ宅に6時30分集合し、中央道繋ぎ作場平小屋登山口へと向かう。途中雁坂トンネル手前駐車場にてA隊をドロップオフしたが思っていた以上に時間が掛かってしまった。
10時40分登山開始、天候も良く気持ちの良いスタートでした。地図上のコースタイムは5時間20分だったので16時には幕営予定である将監小屋に到着出来ると考えていたので笠取山をコースタイムより若干早めに通過し高揚していました。

笠取山(東峰)山頂
笠取山(中峰)山頂
唐松尾山山頂

その後、唐松尾山を過ぎたところから将監小屋までは下り基調なハズが何故か登り基調になってきて3人ともに何か、変だなと思いつつ先を急いでしまった結果、西御殿岩(2075m)まで登り詰めてしまいました。

道に迷っている??
西御殿岩

おまけに2名グループも追従。原因は分岐の表記看板が倒れていたこと、変だと思った時に地図確認を怠ったことでした。その後、山ノ神土分岐から将監小屋までの間は慎重になり過ぎてウロウロする始末。結局予定到着時刻より1時間以上遅い17時10分に本日の幕営地である将監小屋に到着しました。

将監小屋

9月15日(日)
将監小屋(5:10)-飛龍山-三篠の湯-後山林道・片倉橋(10:00)

4時起床、朝食も早々に片付け5時10分に出発した。

こもれびが気持ちいい

歩き始めて徐々に夜が明けて朝もやの中、日が差し込んでくる感じがとても気持ちよく、昨日のトラブルもすっかり忘れて男三人楽しかった。

三条の湯

その後三條の湯を通過し、後山林道ゲートでレー子さん達と合流した。しかし、また反省すべき事項を起こしてしまった、本来は三ツ山経由して水無尾根で三條の湯を通るルートであったが、ルートを繋げれば、良いのではと言う勝手な解釈で三ツ山を通らない最短ルートを選択した。後に主脈ルートを通ってないことに批判が集まり、後日そうべぇさんとオヨシさんに抜けたルートを再度歩いて頂きました。

(記 コバヤン)

会山行A隊 雁坂峠~笠取山

期 日:2019年9月14日(土)~9月15日(日)
参加者:Lレー子、ヒー

9月14日(土)晴れ後曇り・ガス
相模原(6:30)=雁坂トンネル入口駐車場(8:45)-沓切沢橋・林道終点-雁坂峠(11:17)-水晶山(11:50)-古礼山(12:20)-燕山(13:03)-雁峠(13:35)-分水嶺-笠取山[山梨百名山](14:15~14:22)-分水嶺(14:40)-笠取小屋(14:50)

奥秩父の残りルートを繋ぐため、2パーティに分かれてスタート。我々女性パーティは2週間前下山した雁坂峠に再び同じルートで登り、我々を降ろした男性陣は作場平橋の駐車場に向かい、そこから笠取山に登り将監小屋に幕営し、三條の湯に下山してくるので、作場平に下山した我々が車を回収して後山林道の片倉橋まで迎えに行くと言う計画。
前回は釜の沢を遡行してからの下山のため、雁坂峠からの下りは結構疲れたが、本日は登攀具もなく楽だ。最後の急登を登り雁坂峠に到着。

雁坂峠

今日は天気も良く、時間的にも早いため、峠には数パーティの登山者が休んでいるが、交通の便が悪いためか我々の行く笠取方面に行くパーティはいないようだ。

古札山山頂

ここから古礼山方面は笹原の稜線で美しい。峠からしばらく行くと「見返り雁坂峠」と書かれたビューポイントがあり、振り返ると青空と笹に覆われた山肌が本当に美しい。ただ、青空はこの辺りまでで、水晶山あたりから古礼山周辺では濃いガスに覆われ、苔むした樹林帯が一層幻想的に見えた。

水晶山山頂

雁峠に到着。時間的にも早く、翌日は天気が崩れる予報だったため、分水嶺にザック(地図も)をデポして笠取山山頂を往復することとした。

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笠取山(西峰肩)山頂

地図には山頂が西と東に二つあると書かれていたため、最初の山梨百名山と書かれた笠取山の標識を超え、次の岩峰まで行ったが特に標識はなく、少し不思議に思ったがその先は下っているためそこから引き返した。しかしB隊は笠取小屋を通らないルートを取ったため、結果的に山梨百名山の西ピークと1953mの東ピークの間が繋がっていないことが下山後発覚した。一般ルートでも地図は大切。
分水嶺に戻りザックを回収、整備された登山道を下ると間もなく笠取小屋。バイオトイレもあり、樹林帯の中の気持ちの良いテント場。小屋のおじさんに指示された場所にテントを張る。3時になるとたくさんの鹿たちが集まってきて、おじさんから餌(ドッグフード)をもらって食べている。樹木を鹿の害から守るために餌を与えているのだと言う。たくさんの鹿たちに、隣のテントの坊やは興奮気味。小屋前のテーブルで宴会をしているパーティもいたが、霧で濡れそうなのでテントに入り、B隊と違い上品に夕食を済ませ早々に眠りに就いた。

9月15日(日)晴れ
幕営地(6:20)-一休坂分岐-作場平橋・車回収(7:16)=後山林道・片倉橋

明け方までテントを叩く雨音がしていたが、朝起きてテントから出ると東の空は朝日に輝いていた。B隊との合流時間を考えゆっくり出発。小屋の水場を水源として流れ出る沢沿いに付けられた道を下るが、辺りは苔むした日本庭園のように美しい。数人の登山者やトレランのランナーとすれ違ったが、交通の便が良ければ、もっと大勢の登山者が押しかけて、この美しい自然を維持できないかもしれないと感じた。
駐車場で車を回収し、時間もあるので道の駅「たばやま」に向かうが、温泉は10時から。前日の予報に反して晴れて暑い。せっかくなので芝生の上でテントを広げて干し、10時前にはすっかり乾燥し、温泉で汗も流し、2時間くらい待つ覚悟で後山林道に入る。悪路を進み片倉橋の駐車場に着くとおじさん3人が休んでいる。予想に反して早く到着した様子、話を聞けばどうやら三ツ山のピークを省略したらしく、笠取山のピークも含めて打ち合わせ不足により宿題を残しての山行となった。

(記 レー子)

室堂~針ノ木峠

期 日:2019年9月13日(金)~9月15日(日)
参加者:みの  

9月13日(金)
室堂ターミナル(9:55)-一ノ越山荘(10:40)-獅子岳(13:00)-ザラ峠(13:53)-五色ヶ原山荘(14:33)-五色ヶ原キャンプ場(14:44)

台風のため断念した夏合宿ルートを少しアレンジしてトレースした。
12日は仕事後に富山に向かい駅周辺のホテルに宿泊する。13日(金)は平日だが立山黒部アルペンルートに閑古鳥は鳴かない。電鉄富山で片道切符を購入し7:04発に乗る、乗客は通学する高校生が多い。立山駅で予約したケーブルカーまで20分ほど待って美女平に到着。すぐにバスに乗り有名な滝を観たり転寝したりしているうちに室堂に到着。夏合宿では信濃大町-扇沢-室堂を往復利用したので立山黒部アルペンルートは完全制覇だ。一ノ越から先は数名の縦走者が前後する。

ザラ峠

浄土山との合流地点からは五色ヶ原を遠望できる。清々しい天気に恵まれ難なく五色ヶ原に到着し、小屋で受付と飲み物購入、キャンプ場に向かう。テントは夜には20張り程になる。夕暮れ時の山々が赤く染まって美しい。

9月14日(土)
幕営地(5:50)-刈安峠(7:13)-平の小屋(8:15)-渡船(10:00)-避難小屋(10:29)-南沢出合(10:54)-船窪岳分岐(13:04)-針ノ木沢出合(13:30)-針ノ木小屋(16:04)-平坦地(16:20)

シュラフカバーだけで過ごした夜はとても寒く着られる物を全て着込んで耐える。体温を蓄えて温まったシュラフマットは就寝中の背中を守ってくれて助かる。夜12時過ぎに静かに行動開始するタフな女性単独行者がいた。テント場のトイレは防犯灯が付いていて照明が自動点燈する便利仕様だ。少し経つと自動消灯するが体を動かせば再点灯してくれる。テントを乾かしてゆっくり出立するも平の渡しを1時間以上待つ。

平の小屋

平の小屋の飼い犬(黒柴)は飢えていて休憩していた登山客の隙をついてローストビーフを盗み食う。
渡船に案内はなく、釣り人の話すとおりに勝手に無人の船に乗りこんで待つと、船員は別の船で現われ定刻10時に出発する。乗船者は2人が奥黒部ヒュッテ行で、その他5名は釣り人だ。針ノ木谷は船窪乗越しへの分岐までは新しい赤布とペイントが案内してくれる。しかし分岐を過ぎると不明瞭な踏み跡と何十年も経過しかすれたペイントが目印となる。渡渉も幾度かあり飛び石が無いため靴を濡らす。針ノ木沢出合までに計3名の単独行者とすれ違う。先頭は外国人女性でキチンと下調べしてきたらしく地下足袋を履いていた。地下足袋を指差しグッドチョイス、ツーモアクロッシングゼアーと話すとアリガトサンネーと笑顔の英会話。針ノ木沢出合で休んでいると突然男女2人組が現れお互い驚く、初老の男性は針ノ木峠から船窪岳への近道を選んだと語るが、若い女性をしごく罰ゲームにしか思えない。そこから先も踏み跡が薄く小一時間ほど沢歩きとなる。二股を過ぎて水が枯れると踏み跡が濃くなり針ノ木峠の手前だけ整備されている。針ノ木峠への到着タイムは前回(26年位前)より20分遅いだけで進歩と退化の変化は無い。受付に行くと小屋もテント場も超満員で暫く登って平坦地を探してビバーク(有料)せよとのこと。缶ビールは売り切れて生ビールのみの販売なので、仕方なく大ジョッキで頂く。泡をすり切ってなみなみ注いでくれてとても嬉しい。よく冷えたビールを一気に飲み干すとテン場探しの登りは苦にならない。
(駅前旅館の話によると針の木小屋は昨日300人収容、断られて下山した人もいたらしい)
  
9月15日(日)
幕営地(6:43)-針ノ木小屋(6:55)-大沢小屋(9:05)-扇沢(9:43)=信濃大町駅

順応力とは便利なもので昨夜の寒さに体が慣れてしまったせいか寒さをそれ程感じず熟睡する。キャンパーのマナーも良く朝の出立も静かだ。テントから頭を出して東の空が赤く染まり広がるさまを眺める。ゆっくり支度して針ノ木峠を後にする。

針ノ木峠

雪渓はノド付近に一部残るだけで跡形も無く消失しておりアイゼンの出番は無い。今年は5月の山スキーと7月の会山行で2回雪渓を通過しているが遠い昔のことの様に思える。ノドの下で休憩していると昇りの男女2人組から「ここに雪渓ってあったのですか?」と聞かれ、ここから見えないけどあそこにあるよと上部を指差すと2人は満足げに頷く。無造作に河原を歩いていたところ足を滑らし大転倒するが幸い怪我はなかった。気を引き締めて下る。営業終了した大沢小屋の先を右に曲がり鉄パイプの橋を渡り、雑草の生えた道を辿って扇沢ターミナルに到着、10分後発のバスに乗る。駅前旅館の七倉荘でお風呂を利用、井筒ワインをお供にして帰路に着く。

(記 みの)

島々~徳本峠~上高地

期 日:2019年9月7日(土)
参加者:そうべぇ

9月7日(土)
島々登山口(4:10)-二俣(5:40)-岩魚止小屋(7:20~7:35)-徳本峠(9:35~9:50)-上高地(11:20)

計画を立てては台風の影響で日程の変更、台風の影響がないだろうと思い決行しては敗退。いつできるのかと気がかりであった山行は、天気予報をチェックする毎日であった。8月の中旬から毎週末は台風が襲ってくる天気の中でやっと晴れの予報が出た。これを逃すと実行できる自信も失い、徳本峠クラシックルートへのモチベーションも下がってしまう気がした。会社から帰宅後、20時に自宅を出発。0時30分松本市役所安曇支所内の駐車場に車を止める。登山客とみられる車は3台ほどあった。車中泊で出発の予定時刻5時前まで仮眠をとるが、止めた場所が悪く少々斜めであり、うまく寝つけない。2時ごろ隣が騒々しい。トレランの男2人組が出発の準備をしているようだ。3時前にヘッドライトをつけ走って行った。徳本峠だろうか。まだ時間があるのでもう少し寝ようとするが目が冴え眠れないので、起きて出発の準備を始めた。予定より1時間早い4時過ぎに支所の駐車場を出た。  
4時10分、島々登山口である徳本峠入口とある看板の前で記念撮影。

徳本峠入口

上高地まで20kmとある。徳本峠まで16kmの長丁場だ。川沿いにしばらく進むとゲートがありその先が林道であり二俣へと続いている。ゲートはしっかりとした作りで、ゲートが開かないように鎖で幾十にも巻かれていた。熊に注意の看板もある。しっかりとしたゲートはそのためなのだろうか。ゲートを閉じ進む先を見ると後悔した。真っ暗だ。ヘッドランプがあるからといって漆黒の闇は怖い。星明かりも届かない。すぐに夜も開けるだろうと思うのだが、1時間以上は暗闇の中を進まなければならない。おまけに熊も出るようだ。熊対策として、手作りの熊よけの鈴を持参し、手首につけ意識的に鈴を鳴らしながら歩くのだが、熊に出会ったら全く役に立たない。熊に人がいることを気付いてもらい、近づいてこないように祈るだけだ。しかし鈴の音は小さく、出会ってしまってはじめて人間がいることに気がつくのだろう。暗闇と熊に怯えながら長い林道を進んでいく。島々谷川の音が細く遠くなり、緩やかだが高度を少しずつ上げていることがわかる。途中に二俣近くが崩落のため通行止めとの看板とゲートがあり車の通行を規制していた。平成30年7月豪雨のための徳本峠方面は全面通行止めと標識がある。ここで引き返さなくてはいけないのかと思い進むことを一瞬躊躇うが、行けるところまでは行ってみるかと思い進んだ。5時になってもまだ暗くヘッドランプはつけたままだ。朝はまだ来ない。川沿いの茂みでガサゴソと音がすると緊張し足が止まる。じっとして様子を伺うが気配は感じない。また、歩き出す。後ろで突然大きな音が聞こえ、何かがこっちに向かってくる。振り向くと音の正体は車だった。ライトを照らしながらカーブを曲がり、正体を現した。なぁんだ車か、本当にびっくりした。熊が恐いので車に乗せてもらおうかと思ったが、歩かなければ今回の山行の意味がなくなるので、手を上げて車を止めることはやめた。自分の臆病ぶりには正直情けなくもあり、可笑しくもあった。法面が大きく崩落している箇所があった。ここが崩落現場のようである。すでに林道は整備され車も通行可能である。ここからしばらく歩くと二俣だ。5時40分に到着した。山の稜線ならばすでに山は目覚めているはずなのに、あたりの様子はうかがえる程度には見える。ここは谷、 島々谷はまだまだ眠そうだ。暗闇から解放されたおかげだろうか、熊との出会いの心配も少し薄らいだ。先ほど出会った車が止まっている。作業員の車だろうか。二俣からは南沢に沿って登山道を進んでいく。沢の水量も多く、最近の降雨量の多さを物語っている。沢は綺麗だ。登山道は細いのだが、綺麗に整備されている。その昔、岳人たちが上高地に入るためにこのルートをよく利用していたことがうかがえる。登山道はUp, Downを繰り返し徐々に高度を上げていく。斜面が崩れ登山道も流されているところもあり慎重に通過する。登山道が狭く、ふらついたりすると沢に落ちてしまう危険もあるので足元に注意をしながら通過する。いくつかの橋を渡り岩魚留小屋に7時20分に到着した。9時30分に到着の計画を立てていたのだが、1時間前倒しに登山口を出発しているとはいえ、7時20分到着は随分と早いなと思った。しばらく休憩し先を進む。中ノ沢、障子川瀬沢を過ぎる。枝沢であるが水量は多い。登山道は枝沢から溢れた水で水没しているところもあった。本谷と峠沢の分岐から峠沢沿いに登っていく。スマホのアプリで標高を確認すると1747mだ。登山口の標高が730mほどだったのでちょうど1000mほど登ってきたことになる。しかしそんなに高度を稼いだ気にならない。不思議でしょうがない、なぜだろう。谷に光が差し込み始めたのもこの頃からだ。遅い目覚めである。沢の音が遠くなり始めたころからジグザグの急登が始まる。これを登りつめると峠なのだと思うとワクワクした。木々が低くなり、青空が近づく。もうそこが徳本峠だ。目の前が開けた。穂高連峰が飛び込んできたと期待したのだが、目に飛び込んできたのは徳本小屋だった。徳本峠クラシックトートの醍醐味は、峠に上がった時に穂高連峰が目に飛び込んでくる素晴らしさと聞いていたが、そうでもなかった。小屋が新しくなった際に古い小屋を前に移動させたのではないだろうか。峠も様変わりしている。穂高を望む望遠鏡も取り払われていた。峠自体も少し狭くなったよう気もする。そのせいで穂高連峰の見え方も違ってきたのだろうか。9時35分に徳本峠に到着した。

徳本峠

小屋番に先日(8/16)の台風の通過後の情報を聞いたら、濁流で橋が流されていたため、登山客が登れなかったそうだ。あのまま、島々まで降っていたら途中で引き返すことになっただろう。上高地に下山の判断をしてよかったと思った。無理はせず、不安な状況であれば回避する。回避手段はいろいろあるが、習慣にしたいものだと思った。しばらく峠で穂高連峰を眺め、9時55分に下山を開始、11時20分に上高地に到着した。

上高地

コースタイムを3時間30分ほど早く到着したことになるが、特別無理をしたとも思えない。地味な山行だったが懐の深い谷を満喫した。単独もまた、楽しい。

(記 そうべぇ)

 

甲武信ヶ岳(釜ノ沢)~雁坂峠

期 日:2019年8月31日(土)~9月1日(日)
参加者:Lレー子、なべたけ、わたゆき、コバヤン、みの、ヒー

8月31日(土)曇り時々晴れ
相模原(6:00)=西沢渓谷入口駐車場(8:10)-鶏冠谷出合(9:00~9:10)-釜ノ沢出合(12:18)-千畳のナメ(12:34)-両門ノ滝(13:19)-幕営地(14:20)

前日雨のため増水を心配したが、西沢渓谷入口駐車場から見る限り、濁りもなく平水のため予定通り釜ノ沢に入ることとする。車1台を下山口の雁坂トンネル入口に移動して出発。つり橋を渡り東沢に入り、鶏冠谷出合で沢靴に履き替えていると、男性3人パーティが到着。彼らは鶏冠谷に入るようだ。釜ノ沢は久しぶりだが、登山道は大分荒れており、結局山の神を確認することができなかった。
東のナメ、西のナメを眺めながら本流を進む。スラブのへつりでヒーさん、わたゆきさんは時々ドボンするが楽しそう。

千畳のナメを歩く

釜ノ沢出合からすぐの魚止めの滝は以前あった倒木がなくなり、ほんの一歩が辛いが、無事クリアして美しい千畳のナメをひたひたと歩く。

水がキレイな両門の滝

両門の滝で東俣に入りヤゲンの滝を超えてしばらく行くと広い幕営適地で、比較的高齢の6人ほどのパーティがタープを張り濡れたものを干していた。十分我々が張るスペースはあったが、翌日の行動時間を考え先に進む。そこから10分ほどで、みのさんが言うには以前会山行で幕営した場所に到着。わたゆきさんがやや遅れるようになり体力的にきつそうなので、そこを本日の幕営地とする。やがて後ろから来た5、6人のパーティは対岸で幕営準備を始めた。

焚火を囲んで

焚き木を集めて久しぶりの焚火。みんなが寄って集って火をかまうので、着いたと思ってもやがて消えてしまう。みのさんを火守り爺に任命し、ようやく立派な焚火を熾すことができた。天気予報はあまり良くなかったが、夜空には満天の星。

9月1日(日)曇り
幕営地(5:30)-水師沢出合(6:30)-木賊沢手前支沢(6:50)-山頂から西、標高2400m地点の稜線(8:48~9:05)-甲武信ヶ岳(9:14~9:22)-甲武信小屋(9:35~9:50)-笹平(10:40)-西破風山(11:30)-東破風山(11:59)-雁坂嶺12:50~13:00)-雁坂峠(13:27~13:33)-沓切沢橋・林道終点(15:03)-雁坂トンネル入口駐車場(15:36)

ふつうは甲武信に抜けて下山するだけだが、本日は雁坂峠まで行かなければならないため、5時30分の出発とする。

安全なルートを探しながら登る

水師沢までは順調に進むが、二股で左の支沢に掛かる滝を3段30mスラブ滝と誤認、分岐の本流側にケルンがあったが、その地点から支沢の滝を巻く明瞭な踏み跡あり、巻き道を示すケルンと思い支沢に入ってしまった。踏み跡からすると多くのパーティがこのルートに入っていると思われる。それなりに楽しく登れる滝が連続するが、なかなか甲武信小屋のポンプ小屋が出てこない。おかしいと思う頃、左からの大崩壊地に出る。みのさんのGPSで現在地が確認できたが、ここから戻るのも大変なのでそのまま支沢を詰め、最後のギリギリで左の樹林帯に逃げ、藪漕ぎなしですぐに登山道に出ることができた。沢靴を履き替え、僅か10分で甲武信ヶ岳の山頂に立った。

甲武信ヶ岳山頂

記念写真を撮り、甲武信小屋でトイレと水の補給をして早々に先を急ぐ。その先はアップダウンもあり、疲れた体には応えるが、笹平は笹の草原が美しく、避難小屋も快適そうだった。

雁坂峠

ようやく雁坂峠に到着。雁坂峠は日本三大峠で、あとの二つは針ノ木峠と三伏峠であることを看板で学び、下山を開始する。

破風山山頂

以前ナメラ沢の下山時にここを下っているが、その頃はもっと若かったためか気にならなかったが、思いのほか長い下りだ。みんなヨレヨレになって雁坂トンネル入口の駐車場に到着した。1台移動しておいて本当に良かった。
その日のうちに関西に帰るみのさんを塩山駅で降ろして相模原に帰り、長い一日は終わった。

(記 レー子)