タグ別アーカイブ: 八ヶ岳連峰

<地理>長野県と山梨県を跨る山塊で北部と南部に大別
<主要な山>(北八ヶ岳)天狗岳、蓼科山(南八ヶ岳)赤岳、横岳、硫黄岳、阿弥陀岳、権現岳

八ヶ岳 阿弥陀岳 南稜

【日時】2017年3月25日
【天候】晴れ
【メンバー】岳(L)、コバさん、みのさん
【行程】
25日 舟山十字路~立場岳~P1~P2~P3~阿弥陀岳~御小屋尾根~舟山十字路

【報告】
“行きはよいよい帰りは怖い”下山路には、特に登頂後の下山路にはどこの山でも魔物が棲んでいる。
阿弥陀岳から御小屋尾根への下り坂、樹林帯の手前でスリップし怪我をするアクシデントが発生してしまった。
応急処置もチームワークも大切だが、15時間を越える行動時間をこなして自力下山を果した受傷者の頑張りが圧巻だった。

自分は先週に引き続き2週連続で雪山バリエーションルートに参加させてもらえとても嬉しい。
前日にアイゼンとアックスをヤスリで尖らせ、雪壁に打ち込むイメージトレーニングをする。

岳デリカ号で早朝に相模原を出発し、舟山十字路に駐車し6:25行動開始する。
尾根の取り付きは急斜面なので早々にアイゼン装着しコバさん先導する。

立場岳を越えた先の小ピークで行動ルートを観察する。

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立場岳山頂の先で、阿弥陀岳南側の全容が姿を現した。

 

午前中のP1通過が確実なこと、また天候面と体力面にも懸念がないことからP1P2コルでの幕営を止める判断をし、ここで登攀装備を装着する。

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青ナギを越え、無名峰に向かう。

 

時々雪を踏み抜きながらP1、P2と進みP3基部を巻いて予定のガリーに到着する。
ここでロープを出して岳さんがリードする。
合図を受けて自分がプルージックでセカンドする、所々氷結したやや柔らかい雪の斜面でアックスがとても頼りになる、教えを思い出して息が上がらないようにペース配分する、半ばからコバさんも登りだす。

2ピッチ目も岳さんリードする、中間ビレイを取り、草付きに進みほぼロープ一杯まで登る、合図を受けて自分とコバさんも後に続く。
もう一登りして稜線に出てロープを仕舞い休憩する。

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P3を越えP4へ。

 

すぐそこに見える頂上目指して稜線を進む、雪の斜面を登り、現れた上昇バンドを辿ってジェードルとカンテを幾つか越え、再度雪の斜面を登って頂上に到着する、近くに見えたが40分程度所要した。

3人パーティーが休憩している、北稜ルートを登って来たそうだ、楽しげに盛り上がっている。

権現岳、赤岳、横岳に穏やかに見守られながら暫し休憩し下山開始する。
稜線を辿り鋭いナイフリッジを慎重に歩く。
その先は広い雪の斜面となり所々フィックスロープがある。

アクシデントが発生した場所は、先行者が尻セードでもしたのか滑り台状の溝になった雪面で、見るからに手強い。
1月に富士山5合目で受けた雪山講習を思い出し、踵のキックに力を込めて通過する。

ややして物音に振り返ると、コバさんが頭を下にして仰向けになってしまっている、曲げた左ひざの裏と靴のつま先が別々の立ち木にひっかかったており簡単には抜け出せない、膝の曲げ方にも無理があり膝周辺の靱帯損傷が案じられる、これは大変だ。
ザックを外せないとの事なので雪の斜面を登り返してウエストバンドのバックルを外す、ザックから腕を抜くとザックは滑り落ち岳さんがキャッチする。
コバさんの背中を押して起き上がってもらい、木にからまった足を抜いて普通に座りなおす。
左足より右足がヤバイ、痺れていると話す、見るとスパッツ越しに脛が曲がって見える。
岳さんも到着して応急処置を宣言する、指示事項は添木2本と三角巾での右脛固定と松葉杖の組立だ、急いで材料を探す、3段継ストックの2段目とスコップの延長シャフトを添木に選び三角巾2枚で固定する。
ストック2本の一方の先端をスノーリングに通して、グリップ部をスコップのグリップシャフトで繫いで三角形な松葉杖の形にして針金とバンドで各部を固定する。

応急処置が済み、救助を呼ぶか相談する。
20mくらい登り返せば立ち木も無くヘリコプターで吊り上げてもらえるかもしれない、反対に20mくらい下ると樹林帯なので救助を求めても自力で下山して下さいと指示されそうだ。
自分と岳さんは骨折を疑い救急治療を薦めるがコバさん嫌がり、ちょっと待てば歩けるようになると主張する。
暫くしてコバさん空身で下りを試みる、歩けるそうなので岳さん自力下山を判断する、会長に電話して一報をいれる。
コバさんのザックはそれ程重くないのでとりあえず右肩で背負い少し下るが不安定だ、岳さんが中身を出して2人のザックに詰め替えようと指示する、これは名案。

しぼんだザックをコバさんが背負ってしまう、無理して欲しくないがタフ振りを発揮する。
何度か休憩をとり、またガスで雪を溶かして飲み水確保したりして、ヘッドライトを頼りに5時間弱かけて舟山十字路に下山した。
コバさん靴を脱ぎ患部を見る、腫れてはいるが内出血はしていない模様でややほっとする、10時頃帰路に着き深夜に相模原に着く。

翌日は寒く平野部は雨、山間部は雪、強行軍だったが日帰りに計画変更して正解だった。
(みのさん記)

 

 

 

リーダーとしての反省点
・計画の時間配分。12時頃にテン場に着く時間配分のためその日のうちに行ける気になってしまう。
翌日早朝に動き出したかったためそうしたが、平日の疲れがある場合はもう少し遅い到着の計画でも良かったのかもしれない。

・後から思えば、日帰りで充分に行ける体力と技術は持っていたメンバーだった。
駐車場で先に入っているパーティーが少ないことがわかったのだから、荷物の軽い日帰り装備を選択してもよかった。
(※とはいえ南稜初体験、バリエーションリーダー2回目の自分にはその判断は中々できなかったように思う)

・頂上でも仕切りにテント泊したがっていたので、実はけっこう疲労困憊していたのかもしれない。
それを察せられなかった。

・P4の登りはロープを出すべきだったかもしれない。P3で時間がかかったため、時間短縮でロープを出さなかったことが疲労を増したか?

・初期判断で僕らも気が動転して脛に異常があると考えてしまった。実際は足首。最初の処置がそもそも違った。

・途中で痛いのは足首だと聞いて、足首固定を三角巾でしたつもりになっていたが、帰宅後、確かめてみたら結び方間違ってた。。。
こばさんゴメンナサイ。。。
(三角巾固定の意味なし。6月の救助訓練ではロープワークや救助法だけでなく三角巾の使い方も定期的に復習する必要を感じた。)

・木曜日に22時に帰宅するとこばさんが言っていたにも関わらず、その疲れを察することができず集合時間を午前3時半から変更しなかった。
もっと休養をとってから行った方が良かったのかもしれない。
(※とはいえ天気が夕方から悪くなるという予報だったためその判断も難しかったように思う。)

(岳記)

2月会山行 南八ヶ岳

赤岳
ジョーゴ沢

日 2017年2月18日(土)〜19日(日)
メンバー
赤岳(文三郎道往復)sobeさん(SL)、yujiさん、minoさん
阿弥陀岳北稜 gakuさん(SL)、kobさん
ジョーゴ沢 navetake(CL)、morimaroさん、kawamasaさん、noriちゃん、

総勢9名少しムサ苦しい??面子で、南八ヶ岳に登ってまいりました。

1日目は、朝出で美濃戸〜行者小屋まで。
前夜の鉱泉日誌で林道の凍結情報が上がっていたので、大事をとってバス停駐車場に駐車。
9:00すぎ到着だったがすでに7〜8割ほど埋まってました。
林道入口にJ&Nというお洒落な感じのお店ができて、より楽しい雰囲気になってますね〜。
赤岳山荘まで1時間。赤岳山荘の駐車場もけっこう車で埋まってました・・・。

南沢の途中、南沢小滝でnoriちゃんにTRを張ってもらい遊んだ後、行者小屋へ。
いつものようにクライミングに夢中になってしまい、行者小屋に到着した時はすっかり日が暮れ、
先に幕営していてくれたsobeさんたちからは「おそい〜!」と、お叱りを受けました・・・。
いつもスミマセン。。。

南沢小滝

2日目は、赤岳、阿弥陀北稜、ジョーゴ沢の3隊に分かれて行動。
夜間、およそ5〜10cmほどの積雪がありましたが、3ルートとも行動に支障はなし。
好天で、展望は最高。空は八ヶ岳ブルー。
朝方稜線は雪煙を上げていたが、その後はまずまず小康状態でした。

文三郎道は、阿弥陀との分岐に出た箇所で強風にあおられたそうだが、それ以外は特に問題がなかったそうです。

バリエーション日和で、北稜は4パーティー待ち。(1時間待ちで、寒さに耐えられず撤退したくなったらしい。)ジョーゴ沢も7〜8パーティー、20人くらいは入っていて賑わっていました。
前夜の積雪のためか、裏同心へのトレースは見当たりませんでした・・・む〜ん。

とにもかくにも、全員無事の下山、感謝であります!

みなさま、ありがとうございました。
2月会山行
おつかれ山でした〜!!

横岳~硫黄岳

期 日:2017年1月7日(土)
参加者:Lなべたけ、ガク

1月7日(土)
相模原(2:00)=美濃戸山荘駐車場(5:25)-赤岳鉱泉(7:10)-大同心沢-大同心基部(10:15)-小同心クラック取付(11:00)-横岳奥の院(15:20)-硫黄岳(16:10)-赤岳鉱泉(17:15)-美濃戸山荘駐車場(19:00)

ガクさん初めて、なべたけ3回目の小同心クラック。お天気終日心配なく、快適な登攀だった。ただ積雪が非常?異常?に少ない状況は前年から続いているようである。この日たまたま一緒に八ヶ岳に入ったガクさんの講習会仲間の方の話によると、年末年始はベルグラが発達しており阿弥陀北稜の1P目は登れなかったとのこと。もし同様な状況にあった場合、対応できるかと不安だったが、それも全くの杞憂だった。風も比較的穏やかで、八ヶ岳の突き刺さされるような寒さを多少は期待?していたので、残念なところもあったか・・・。

ガクさん1P目、3P目リード。なべたけは核心部のチムニー登攀を避けたわけではないが、チムニーに回り込まず1P目終了点のピナクル上部から直上している。

小同心
横岳から硫黄岳へ

ガクさん、チムニーは今度リードで登ってください。

(記 なべたけ)

12月会山行 南八ヶ岳 西岳/編笠山(権現岳)尾根 冬山トレーニング

【日時】2016年12月10日(土)、11日(日)
【天候】両日とも晴れ、10日微風、11日弱い風
【メンバー】岳(L)、フーちゃん、みのさん

【行程】
10日 富士見高原リゾート駐車場出発(6:30)~西岳(10:20)~青年小屋(11:55)~権現岳(14:37)~青年小屋(16:42)泊
11日 青年小屋(6:30)~編笠山(7:06)~富士見高原リゾート駐車場(9:42)

【報告】
前夜23時に橋本駅集合、直前、参加メンバーのこまさんより岳Lに体調不良で不参加の連絡が入る、こまさんは山のセオリーやマナー等を丁寧に説明してくれる指導者のひとり、今回も期待していたレクチャーだがお預けとなってしまい一同残念。

岳デリカ号で出発する、順調に走行して富士見高原リゾート駐車場に1時前に到着、テントで仮眠をとる。
皆すぐに寝入るが自分はスキー場の人工降雪機の稼動音が気になり寝付けなかった。

10日5時起床、トイレを求めて道の駅に戻ると仮眠中と思われるテントが散見された。
寒冷地仕様(便座ヒータと温水洗浄器付)の快適なトイレを利用した後、もとの駐車場に戻り6時半に出発する。
歩いている上空は青空だが、稜線の方向にやや黒い雲が見える、雪の無い樹林帯の枯葉を踏んで歩いていると風が運んでくるのか時折ごく小さな雪の一粒が舞い降りてくる。
標高2000m前後から次第に雪が現れ、2200m付近の開けた場所では風が運んできた無数の氷の粒が空中で陽光を乱反射してキラキラ輝くダイヤモンドダストもどきを一同浴びた、“あっキレイ”と言っている間に消えてしまう一瞬の美しい自然現象だった、撮影できず記憶に一瞬を残す。

雪の付きかたも次第に増え“転ばぬ先の杖”でピッケルを手にして進み、西岳の山頂で下界を一望、気温計の表示-5℃、雪の付いた尾根を青年小屋に向かう。

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西岳山頂はガスってました。

乙女の水は竹の注ぎ口近くまで氷柱が育っていて一見ペットボトルに見える、宿泊用も含めて各自水筒を満たす。

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パッと見ペットボトルの氷の芸術。

青年小屋方向から来た単独登山者の話しによると今朝の編笠山は吹雪で、今日入山して編笠山を登ったパーティーは横岳方面への縦走計画を断念して引き返したそうだ、現在の穏やかな晴天からは想像もつかない。

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青年小屋に到着。後ろに見えるのがこれから登るギボシと権現岳。

青年小屋の冬季小屋に宿泊器材をデポし、冬山装備を装着、権現岳をめざす。積雪の形状からうっすらとルートが判別できるが、足跡は付いておらず、我々が今週末の入山一番手の模様、雪の深さがすね下から膝くらいのラッセル、順番に先頭交代して進む、フーちゃんも先頭に立って頑張る。

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えびのしっぽができてます。やっと冬がきました。
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難場ギボシが近づいてきた。

のろし場で休憩、一時間弱所要した、ここで鋭く尖った西ギボシを観察、中腹を巻いている雪のバンドがルートらしい、きつい斜面のトラバースが見える。
進んでみると鎖が雪から顔を出していてつい頼ってしまうが、途中数メートルは埋もれている、万全を期すため岳Lがロープ確保で先行、中間エイトでフーちゃんがセカンドする、フーちゃん確保の際に半マストが一回で結べなかったのが自分の反省点、雪景色のなかでロープを結ぶイメージは用意していなかった、岩場の経験を雪山で活かすには経験とイメージトレーニングが必要と感じた、もりまろさんが早めの計画書作成を促す理由の一つかもしれない。

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ギボシを越えると権現岳はもう間近。

権現小屋に下る雪の稜線に一歩ずつ足跡を付けていくが時間が押しているので急がなければならない、岳Lが先頭に立ち皆を引っ張る。
小屋を通過して再度登り権現岳の頂上に至る。

快晴微風、握手して記念撮影する、真っ白な赤岳、阿弥陀岳、横岳、どれも雄大だ。

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権現岳頂上にて。みのさんとふーちゃん。

 

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権現岳山頂にて。赤岳とふーちゃん。

頂上付近の雪には三つ頭から登ってきた足跡が縦走路分岐に向かって延びていた、雪の稜線にトレースを付けた登山者のスキルとプライドが規則正しいステップに窺える。

景色を堪能し下山する、危険地帯を明るいうちに通過しなければならない。

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ふーちゃん、雪稜初体験。
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西ギボシを下ります。集中&リラックスでおりましょー。

自分たちの足跡を辿れるので慎重に歩むも迷いは無くテンポは快調、のろし場で休憩を取り青年小屋に下る。

冬季小屋は8畳ほどの広さ、頑丈な鉄の扉を開けて入る、窓はあるが板が張ってあるので部屋の中は昼でも真っ暗。
他に利用者はおらず貸し切りとなる。夕飯をフーちゃんが作る、鶏がらのだしを効かせた肉と野菜と高野豆腐の鍋料理で大変美味しい、不参加となったこまさんの分まで食べると一同満腹となり、締めの麺の調理には待ったがかかる。
権現岳往復の際にデポしておいた缶ビールがシャーベット状に凍るような冷え込みのなか心も体も温まる。
今夜は熟睡だ。

11日朝4時半起床、気温計の表示-9℃、不用意な場所に置いたスクイズボトルは中の水が凍結して膨らんでしまった、水を飲むことも捨てることも出来ずリュックの重りとなる。
これも教訓。

朝食を済ませ小屋を掃除し6時半出発、編笠山を目指す。大小の岩がごろごろしておりアイゼンが安定せず歩きにくい。中腹まで登ると朝日を浴びて周囲の景色が赤く染まる、体も温まり指先の感覚も戻る。

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編笠山に向かう途中でご来光を迎えました。

 

快晴の頂上でぐるりと周囲360度を見渡し、写真撮影。磁石にルートの方角をセットして下山する。

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編笠山山頂着いたどー。

 

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編笠山山頂から日の出と富士山

 

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編笠山山頂からギボシと権現岳

 

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編笠山の山頂から木曽駒ヶ岳方面

再び大小の岩がごろごろしており歩きにくいうえ迷いやすい地形となる、すこし左にルート探しをして樹林帯に入る。

どんどん樹林帯を下っていくと登ってくる登山者がいる、4パーティー程すれ違ったか、皆小型リュックなので岳Lの特大リュックを見て目を丸くする。
盃流しがどこか不明のまま車道に出てしまい駐車場に到着、無事下山の握手をする。

車で数分、八峯苑鹿の湯に到着、10時の開園を待つ、ホテルの風呂を宿泊客チェックアウト後は銭湯にしている様子。
他にも開園待ちする人がいて繁盛している、近所の別荘エリアから朝風呂利用しに来ているのかもしれない。
入浴後、中央道で帰路に着く、道中“あれが××岳だ”“△△岳の頂上がその横に出ている”と山のパノラマ風景に車内が盛り上がるが、脇見のできない運転手の岳Lには大変気の毒なことをしてしまった。

自分は今回の山行で新しい手袋とズボンを試した。
皮とゴアテックスの防水手袋は手汗でインナーが膨張して脱げなくなり半日で不合格(涙)。
代わりにフーちゃんがくれた(有難う!)内側がボア処理されたゴム手袋をオーバー手袋とセットにして権現岳往復で試したところ問題なく快適だった、インナー手袋を追加して翌朝冷えきったピッケルを持つとさすがに手が凍えたが、これはピッケル側で対処することにする。
2日間タイツなしで行動したがズボンが風を通さないせいか寒さは気にならなかった、2日目はオーバーズボンなしで行動したが寒さが気になることはなく足の動きが軽くて楽だった。

充実した冬山トレーニングをさせて頂き大変ありがとう御座いました。

北八ヶ岳

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【日程】8月13日(土)〜8月15日(月)

【行程】
1日目  渋の湯〜高見石〜白駒池(幕営)
2日目 白駒池〜麦草峠〜茶臼山〜縞枯山〜北横岳〜大岳〜双子池(幕営)
3日目 双子池〜双子山〜蓼科山〜蓼科山登山口〜信玄棒道〜滝の湯入口

【メンバー】watayuki

 

会の皆さんは夏合宿中。自分だけ家にいるのもつまらないので二泊三日で北八ヶ岳を歩きました。

北八ヶ岳の苔の森を楽しみにしていたのですが・・・水分不足で苔たちはカピカピ。
思い返すと三日間 岩、岩、岩ばっかりが記憶に残る山旅になりました。

渋の湯から白駒池のルートはひと気が少なく静かな山歩き。
途中 賽の河原でペースダウン。不安定な足場なのでザックに振られて転けないよう慎重になる。

白駒池到着後しばし湖畔で黄昏てみる。
テントに戻ってさっさと夕飯 さっさと就寝。

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賽の河原 端にお地蔵さん。登山中は気付きませんでした。

 

白駒池は水鏡。夏の雲を映します。
白駒池は水鏡。夏の雲を映します。

 

薄暗い森の中で黄色が輝いていました。
薄暗い森の中で黄色が輝いていました。

 

麦草峠〜茶臼山〜縞枯山 黙々と歩く。
山頂駅から北横岳まで登山者が急増。後続から来る人来る人追い抜いてもらうのでした。
自分はもう暑さと重荷でバテ気味であります!「お先にどうぞ。」に笑顔なし。

山頂も人がいっぱい。野菜ジュースを飲んで先を急ぐ。
あとは下るだけ・・・
のはずがルートを間違えてしまいました。
計画では亀甲池経由のコースを行き体力を温存するつもりが大岳経由の岩石帯へ突入。

思った以上に厳しい道のりでヘロヘロになり遅々として進まず。
「がんばれ あたし」「うん がんばる!」アホなひとり会話で意外にも気合が入り集中できたりもする。
飲み水が尽きかけた頃やっと双子池ヒュッテが見えたのでした。

北横岳からずっと気張ってきたので双子池ヒュッテのおじさんのねぎらいの言葉が心に沁みます。

やっぱり早朝の山歩きは気持ちがいいなぁ。明日はもっと早起きしよう。

 

縞枯山の縞枯れ
縞枯山の縞枯れ

 

バテバテの大岳で見つけた赤い苔!うわわ♡ ちょっと元気になりました。

 

双子池テント場。流れる雲を見ながら夕飯までごろ寝。あ〜づがれだ〜
双子池テント場。流れる雲を見ながら夕飯までごろ寝。あ〜づがれだ〜

 

夜明け前に双子池を出発。

雲行きが怪しい。
蓼科山山頂直下でラジオを聞いていた男性に天気予報を尋ねると午後から雨になるとのこと。
蓼科山山頂はガスに覆われ展望なし。休まず下山開始。
雨に降られる前に下界に着きたい。

そしてきました膝痛・・・急坂が堪えます。けっこうな時間をかけて蓼科山登山口まで下りてきました。
ここからはほぼ平坦な道のり。ホッと一息ついたところで雨が落ちてきました。
なんと絶妙なタイミング!お山に感謝です。

街に着く頃には本降りの雨。
目指すは共同浴場!「温泉!温泉!」温泉コールでテンションあげてます。あともうひと歩きだー
びしょ濡れにもかかわらず快く迎え入れていただいた共同浴場さん。いいお湯でした♨

gakuさんがおすすめしてくれた双子山。いいとこだ〜 山頂でiPhone充電切れ。
gakuさんがおすすめしてくれた双子山。いいとこだ〜 山頂でiPhone充電切れ。

 

最後に。。。

北八ヶ岳 きのコレクション① ドラえもんの手のような・・・

 

北八ヶ岳 きのコレクション② きのこ三兄弟
北八ヶ岳 きのコレクション② きのこ三兄弟

 

北八ヶ岳 きのコレクション③ なかなかの存在感
北八ヶ岳 きのコレクション③ なかなかの存在感
北八ヶ岳 きのコレクション③ 美しいですな〜
北八ヶ岳 きのコレクション④ 美しいですな〜

赤岳天狗尾根~ツルネ東稜

2016年3月20日~21日、僕等は八ヶ岳東面のバリエーションの入門ルート、天狗尾根~ツルネ東稜に入った。

メンバーは3人。
天狗尾根8年ぶりnavetakeリーダー。
バリエーション初体験の体力自慢Kobさん。
積雪期バリエーションはまだ4回目の僕。

全員バリエーション自体久しぶり。
10月に計画した谷川岳東尾根も、2月の阿弥陀北稜もお天道様とのタイミングがあわず実現しなかった。
この2つが実現していれば3月はもう少しレベルの高いルートに入れたかもしれないと思うが、それはそれ。
山で遊ぶ限りしょうがないこと。
これからも山に入り続ければいいことだ。

無事、完登し、帰宅できて、また山に入れること。
それを一番の喜びとしよう。

今回は三連休。
土日で登り、月曜を予備日としていたが、お天気にあわせ日曜日で登り月曜に下山したことで、山上の素晴らしい世界を味わえた。
自然のリズムにあわせて遊べる環境にいることに感謝しかない。

日曜日、午前3時津久井湖そばの水の苑地付近で、Kobさんの車にピックアップ頂き、一路、八ヶ岳東面へ。
1時間半程で到着。
最近、関越方面が多かったので、とても早く感じる。
奥多摩、丹沢、奥秩父、八ヶ岳にも近い相模原。
山遊びするには本当に恵まれた土地である。

美し森駐車場には雪が全く無い。
それほど寒くもない。
日中は気温もあがりそうだ。

行動中の水分に不安があったので、清里駅前に一旦戻り自動販売機で水を補給し、再度、駐車場へ。
出発の頃にはヘッドランプが必要ない明るさになった。
5時40分頃、駐車場を出発。

林道をひたすら進む。
時折、着衣調整しながら歩き続ける。
地獄谷の沢沿いに来ると雪が出てきた。
渡渉時の岩が凍りついていて滑って怖かった。
何度か靴を水に浸してしまったが、全く中まで染み込んでこなかった。

僕の冬靴ファントムガイドは中々の優れもののようだ。
これまでの冬の山行でも靴下を履き替えたことは一度もない。
透湿性も保温性も素晴らしい。
長い林道歩きの時は少し靴ずれが辛いが…。

林道も終わり、大きな堰堤をいくつか越え、渡渉を4~5回繰り返すと出合い小屋に着いた。
7時40分頃。

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出合い小屋の少し手前で2パーティーと出会った。
僕等と同郷の相模ACは、上ノ権現沢へアイスクライミングへ。
川崎の名門Sクラブは僕等と同じ天狗尾根へ向う。

牛首山にも雪が見えない。
ワカンとストックを小屋の裏側へデポした。
アイゼンとスパッツを装着。

小屋を出てほどなく赤岳沢への分岐が。
看板もある。
地形図で見ると天狗尾根の末端から取り付いた方が楽に見え進言したが、navetakeさんは昔、末端から取り付き藪で苦労したらしい。
僕はあっさり前言撤回。
経験者がいるとやはり心強い。

軽くルンゼ上になっている場所に赤テープがあり、少し登るとあっさり尾根に上がれた。

尾根をしばらく登り続ける。
ラッセルも吹き溜まりで少しある程度。

標高差500m尾根を登り続けた。
先行していたSクラブと混成パーティーの様相になった。

時折開ける視界から、雪をつけた天狗尾根の岩稜が紺碧の空の中、くっきりと姿を現す。
たまらない。
期待に胸を膨らませ歓声をあげた。

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11時過ぎ、カニのハサミと岩稜取り付きに着く。
小休止して岩稜へ。

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三級程度の岩場。
昨夏に天狗尾根を登ったSクラブの面々はフリーで突破。
僕等もフリーで行けなくはないと思うが、久しぶりのバリエーションのため、念のためロープを出した。
ここでもう1パーティ後続が合流した。

1ピッチ目は僕がリード。
小さな草付きの壁と雪稜をそのままロープを伸ばし、50mロープ一杯で支点を作った。

2番目の岩稜へ。
Sクラブは右側の古いザイルに沿ってトラバースし回りこんで雪のルンゼを登っていた。

僕等は左の小さなバンドに向かって左上してからルンゼを直上するルートを選んだ。
リードはnavetakeさん。
下からは灌木が少なく支点が乏しく見えるが、丁度良いところに古いハーケンがあった。
プルージックでKobさんが続く。

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僕はラスト。三級上というところか。
久しぶりの緊張感に心が踊り身が引きしまる。

怖がるな、リラックスしろ。
必要以上に力を入れそうになる自分の体と対話しながら登るこの感覚。
最高だ。
これを昨年の石尊稜以来求め続けていたんだ。

一旦、ロープをザックにしまい、しばらく脆い岩混じりの草付きを歩く。

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大きな岩峰を右からまくと、小さな雪稜と雪面のトラバース。
Sクラブはロープを出して念のため確保。
僕等はフリーで進んだ。
バリエーションに正解はない。
登れたか登れなかったか、降りれたか降りれなかったか。
結果があるだけ。

大天狗手前で岩と草付きのミックス壁が現れた。
僕がリード。

navetakeリーダーは右へのトラバースを薦めたが、僕には草付きの直上の方が安全に見える。
ロープを出してもう少し進んでから判断することにした。

草付き下に行くと確かに逆層ではあるがしっかりアイゼンも効きそうだし、手もある、支点のとれる灌木もある。
一方右へのトラバースは雪が脆くて少し怖く見える。

僕は直上ルートを選んだ。
3~5m直上して、10m程の雪稜を進み、小さなピナクルで支点を取ろうとするが少しぐらついた。
5m先のダケカンバに支点を取って、声をかけ皆を待つ。
「gakuさーん、登っていいのー?」声が聞こえる。僕の声は届いていなかったようだ。
もう一度声をかけて、大天狗を観察したり、ルンゼから登ってくるSクラブの方とお話したりする。
Kobさんが少し時間をかけて登ってきた。
間もなくnavetakeさんが合流。

次はnavetakeさんリード。

大天狗は右のバンドに向かってトラバース気味に登る。
Kobさん中間エイトで、僕が後に続いたが、これは怖かった。
僕とKobさんの間に支点がない場合、Kobさんが落ちると僕も間違いなく引きずり込まれる。
どうか落ちないでくれと祈りながら、Kobさんを追いかけるように登攀した。

岩を抱くようにしてトラバースする部分だけ少しいやらしいが他は2級程度の登り。
まるでゲレンデのような立派なハンガーボルトで確保してもらいながら、
大天狗の創りだす雪の急斜面を僕がリード&トラバースした。

余り行き過ぎると声が届かないのとその先には支点が無さそうに見える。
凍りついた貧弱な木の根に支点をとって、皆を待つ。

日も傾いてきて温度が下がってきた。おまけにここは大天狗のお陰で完全なる日陰。
アルパインジャケットの下は薄っぺらい肌着とTシャツ。
「はよ、来てくれ~、さぶいよう」
足先も手先も体全身が冷えてきた。

全員が合流し、小天狗と大天狗の間のコルへ。
ここからはロープは必要なさそうに見えるが、念のためコンテで小天狗上まで。
雪稜手前でロープをしまい小休止。
僕はフリースを中に着込んだ。

Sクラブの面々も追いつき、お互いに小天狗と権現岳をバックに完登を祝って記念写真を撮った。

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急な雪稜を登り、稜線に出ると鎖場とハシゴが。
どうやら登山道に出たようだ。

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大天狗(右)と小天狗(左)

 

阿弥陀岳南陵のスカイラインの向こう側から斜めに差し込む太陽が、権現岳へと延びる稜線を歩く小さな僕達を照らす。
素晴らしい景色に何度も何度もシャッターを押した。

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阿弥陀岳の向こうに夕日が沈む。

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しあわせだ。

キレット小屋までの下りは急で脆いガレ場、急な雪渓、細い細いトラバースと中々に緊張を強いられるルートだ。

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17時半頃、キレット小屋手前のピーク手前のコルに、一張分の幕営地があったため、僕等はそこにテントを張った。

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早朝発と12時間の行動疲れで酔いが回るのが早い。
何度も水をこぼし、食事と明日の行動用の水を作るのに随分と手間取り、寝袋に潜り込んだのは21時過ぎとなった。
navetakeリーダーが用意してくれたすき焼きとうどんはあっという間に平らげた。

翌日は少し寝坊し5時半頃起床。
6時半頃出発した。

昨日とはうって変わって雲に包まれた世界。

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風も強く手先、足先が冷えてきた。
僕のテムレスは二年物でところどころ穴があいているらしく、途中でオーバー手袋をつけた。
バラクラバをつけるほどではないが、頬が冷たいので、フードを被ってツルネまでKobさんを先頭に登っていく。

ツルネ東稜の取り付きについてからは、何度も尾根の分岐が現れるので丁寧に現在地を確認しながら歩いた。
トレースはほぼない。

下り始めると雪はどんどん柔らかくなり、一度ハマると太もも上までまるごと足がハマり、雪と格闘しながら下った。

ワカンを持ってこなかったことをボヤくと、navetakeさんはこれぐらいは予想していたし、下りだから全く問題ないとのこと。
さすがである。

標高を下げるにつれて風もないし太陽も差し込み、温度もあがる。
時折斜面にはデブリがあり、いやらしいトラバースも強いられたが、問題なくツルネ東稜を下り出合い小屋まで降りた。
着いたのは10時過ぎだったように思う。

アルパインジャケットとオーバーパンツを脱いで、アイゼンとスパッツも外した。
大きく膨らんだザックを背負って歩き出す。

昨日は水にハマりながら歩いた渡渉も水の量がかなり減っていて楽に渡れた。

休憩なしで一気に美し森駐車場まで歩いた。
雪のない駐車場には軽装の観光客がいた。もう春だ。

2月会山行 蓼科山

【日】2015年2月6日(土)
【メンバー】sobe、森麻呂、koba、fumi、なべたけ(L)
【天気】曇り
【行動記録】蓼科山登山口(9:30)〜蓼科山頂上(12:05〜15)〜蓼科山登山口(13:45)

2月の会山行は、一般ルートからの赤岳と阿弥陀岳北稜の予定だったが、大型の低気圧の接近により、土曜日の日帰りで蓼科山に変更になった。山頂直下からは強風にさらされたが格別なものではなく、それ以外は穏やかな静かな山だった。
それにしても、なかなか天気とタイミングが合わない〜

■Sobe監督の暁 THE MOVIEはこちら

■森麻呂さんのBlogはこちら
少し物足りなさ残る会山行 八ヶ岳・蓼科山

赤岳東稜

2月の会山行で登れなかった、赤岳東稜に、モリマロさん、ガクさん、なべたけの3人で再挑戦しました。
落ち着いた天候で、無事に完登しております。
山は、動かずに待っていてくれるので、粘り強く、
「登っていいよ」という山の声に耳を澄ましていくことなのだろうなと、あらためて思いました。

阿弥陀岳南稜

 

img20150301_104148なべたけです。2月28日(土)、阿弥陀岳南稜に行ってきました。

相模acのダー山さんとご一緒させて頂きました。

6:15舟山十字路~11:50阿弥陀岳~14:40舟山十字路の日帰りで、行程中は快晴無風でした。ちかれました~。

トレースは、ほとんど残されていて快適でしたが、樹林帯で全くなくなっている箇所があり、風によるものだと思いますが、自然の力をあらためて感じさせられます。

P3ガリーは、氷結は一部のみで、ロープを出さずに登っています。

真新しいロープが2ピッチフィックスされていました。

先日の遭難事故の際、救助活動で使用したものかもしれません。

山頂近くで、静かに黙祷をしました。

 

横岳西壁石尊稜

おはようございます。Wです。

結局、昨晩のうちに日帰りで下山しております。
夜23時ちかくに電波が十分なところまでおりたので、
今朝の連絡にさせて頂きました。

昨日の行程は、八ヶ岳 横岳西壁 石尊稜(北沢~赤岳鉱泉~石尊稜~行者小屋~南沢)です。

美濃戸山荘の駐車場を7:00スタート、下部岩壁取り付き11:00、稜線に抜けたのが18:00、駐車場に戻ったのが22:00の長時間行動になりました。

Gさんは、初めてのアルパインルートの完登、Wは久々で、時間がかかってしまってますが、終日天候良好でまずまず充実しました。
ありがとうございます。