大弛峠~国師ヶ岳~甲武信岳

期 日:2019年7月20日(土)
参加者:なべたけ

7月20日(土)曇り時々雨
大弛峠駐車場(9:45)-国師ヶ岳(10:30)-甲武信ヶ岳(14:20)-国師ヶ岳(18:00)-大弛峠駐車場(18:30)

コースタイムおよそ12時間のルートで、行動時間が長くなることを考えて、早朝から登るつもりだったが、寝坊により大幅に出発が遅れてしまった。下山は夜になることを覚悟して入山。
標高2360mの大弛峠は、小雨まじりで少し肌寒く、雨具のジャケットを着るとちょうど快適な気温だった。大弛峠の駐車場は満車で、川上村側の林道の路肩に駐車するほどだった。しかし、ほとんどの登山者は金峰山方面に向かうようで、東に向かう登山道はとても静かでうれしかった。

国師ヶ岳山頂

国師ヶ岳までひと登りして、そのあとは標高差200~300mの間のアップダウンで甲武信岳まで。

甲武信ヶ岳

比較的なだらかな地形が多く、終日お日様は出ずに気温は高くなかったので、ペース良く進むことができた。甲武信からの復路も、コースタイムを短縮しながら進み、予想に反して日没前に下山することができた。
コース上は、ほとんどがシラビソの森の中だった。シラビソの香りと、フィトンチッド効果で元気がキープできたのではと思った。
時々見ることができる展望や、鹿との出会いにも癒されながらの山行だった。今度は、ピストンではなく、ぜひ縦走したいなと思った。 

(記 なべたけ)

上高地~蝶ヶ岳~常念岳~大天井岳

期 日:2019年7月13(土)~7月15日(月)
参加者: A隊オヨシ B隊ヒー、他1名(非会員)

7月13日(土)曇りのち雨
A隊 三股駐車場(11:00)-三股(11:20)-蝶ヶ岳(14:40)-蝶ヶ岳ヒュッテ(15:00)

B隊を沢渡に送った後に三股登山口へ。雨予報の影響か、三股方面の利用者はさほど多くなく駐車スペースに停めることができた。連日の雨で足元は湿ってはいたが、気にするほどではない。登り始めて30分ほど経つと、投稿でよく目にする「ゴジラの木」が登場。珍しい自然の造形美である。

ゴジラの木

蝶ヶ岳までは緩急入り交じる登り一辺倒。歩荷であったがペースを下げずに黙々と登り、先発パーティに道を譲ってもらう。山頂はあいにくの霧だが、穂高連峰や槍が時折見える。一方、稜線上は冷えて風も強いため、テントを立てる位置も細心の注意を払った。ほどなくしてB隊が到着、翌日に備えて早めに身体を休める。


B隊 上高地(10:15)-徳沢(12:00)-長塀山(16:00)-蝶ヶ岳(17:00)-蝶ヶ岳ヒュッテ(17:10)

上高地は観光客が大半で賑やか、明神池以降は静かだった。

上高地からスタート

徳沢からいよいよ登山道となり、人気がなくなった。急登の樹林帯がしばらく続いた。傾斜が緩くなったあたりから、イワカガミなどのたくさんの高山植物が咲いていて、急登の疲れを癒してくれた。長塀山は展望がなかった。そこから少し歩くと、花が沢山咲いたメルヘンな池に着いた。妖精の池だ。

妖精の池

ついつい寄り道が長くなってしまう。心配したか、オヨシが迎えに来た。寄り道がバレてしまった。妖精の池から少し進むと急に視界が開けて、槍・穂高がドーンと目の前に現れた。

急に姿を現した槍・穂高連峰

間もなくして蝶ヶ岳の山頂に到着した。

蝶ヶ岳山頂

7月14日(日)曇りのち雨
A隊 蝶ヶ岳ヒュッテ(7:30)-常念岳(11:00)-常念小屋(11:45~12:45)-大天井岳(14:50)-常念小屋(16:20)

深夜に降り始めた雨は朝方まで続いたものの、徐々に弱まってきたので出発。蝶槍を過ぎた頃から対向のパーティとすれ違い始める。多くのパーティが蝶槍手前から横尾へ下山、もしくは蝶ヶ岳ヒュッテまで戻って徳沢へ下山するようだった。2時間ほど経過して最低鞍部に到達。ここからは岩稜登りが続く。相変わらずの濃霧だがしっかり目印も見え、岩の隙間も小さく思っていたより歩きやすかった。山頂に到達すると10名以上のパーティがくつろぎ道をふさぐ。写真撮影のために場所を空けてもらったが、とたんに雨風が強くなる。手拭いを広げながらの自撮りでは困難であったので記念写真はB隊に託し、足早に常念小屋に向かう。小屋に到着すると曇り空になってきたが、周囲の山々はガスで見えず。天気も夕方までもちそうなのでB隊が到着するまでに大天井岳までのピストンを決行。登山道は比較的整備されており、順調に飛ばす。

大天井へ向かう途中の雪渓

常念小屋を出て2時間ほどで大天荘に到着。そのまま向こうの大天井岳のピークへ登り詰め、タイマーで記念撮影。

大天井岳山頂

水分を多めに取り、同じ道を引き返す。15時を回っていたので、当然、誰ともすれ違わず。またも常念小屋まで孤独な時間であった。夜中にかけて、次第に雨足は強くなる。


B隊 蝶ヶ岳ヒュッテ(8:00)-常念岳(14:00)-常念小屋(15:30)

計画時に1泊での下山も考えたが、雪渓の様子が分からないのと同行の父親の体力を考え、安全第一で2泊とした。終始ガスっていたが時折、パーっと視界が開けて槍・穂高が顔を出した。とっても絶景だったが、カメラ不調で撮れず残念。

常念岳前の岩稜帯

蝶ヶ岳から常念岳は、アップダウンが続き疲れた頃に岩稜帯があるので初心者は要注意。後半は休み休み、ゆっくりと進んだ。

常念岳山頂

常念岳山頂では、雷鳥の親子が迎えてくれた。

子供を見守る親雷鳥

7月15日(月)曇り時々雨 
A隊 常念小屋(7:30)-前常念岳(9:00)-標準点檜跡(10:00)-三股(12:05)-三股駐車場(12:30)

天気は回復せず霧雨の朝に。最終日も時間との戦いになる。常念小屋に三股からの下山を自粛するような貼り紙があるためか、ほとんどのパーティは一ノ沢へ向かう。常念岳山頂と三股への分岐にさしかかると、雷鳥の親子に遭遇。10羽ほどで列をなす雛鳥たちの姿にとても癒された。気を引き締め、核心部である前常念岳に向かう。巨石が乱雑に並び、足を滑らせると隙間に落ちて身動きが取れなくなる箇所がいくつもあり、常念小屋の貼り紙にも納得できた。

前常念岳を振り返る

前常念岳山頂を過ぎても暫くは巨石で急な下り、一瞬たりとも気を緩めることができない。順調に高度を下げて樹林帯に入るも、前日の雨でぬかるみが続く。大きな檜の倒木(標準点檜跡)を過ぎると、水溜まりはさらに大きく、むき出しの根も増え、思うように早く下ることができない。退屈に感じながらも集中力を切らして転倒しないよう注意しながら黙々と歩く。沢の流れが聞こえ始め、間もなくして登山口に到着した。急いでB隊を迎えに一ノ沢登山口へ車を走らせる。


B隊 常念小屋(8:00)-一ノ沢登山口(12:30)

常念小屋の宿泊客はほとんどがこのルートを使って下りるようだ。安全第一で慎重に下山した。心配していた雪渓は登山道上にはほとんどなかった。一ヵ所雪渓を渡ったが、薄くなっていて逆に不安を感じたほどだった。

一ノ沢の雪渓

ここ数週間で人が入り、雪解けが進んだようだ。上部はまだまだ雪渓が残っていてとても綺麗だった。

(記 A隊オヨシ B隊ヒー)

三国山~三頭山

期 日:2019年7月13日(土)~7月14日(日)
参加者:Lダイヤ、こま
 
7月13日(土)雨
井戸(14:30)-三国山(16:05)-浅間峠(17:25)
 
上野原駅にて待合せ、バスに乗車したころから雨が降り出した。終点井戸で下車、はじめから傘をさすことになってしまった。軍刀利神社を過ぎて一段と急登になる、蒸し暑い。尾根道に出ると広く歩きやすくなり、ほどなくして三国山に着く。

三国山山頂

50周年記念の手ぬぐいを出して写真撮影、今回ここから記念登山ルートを三頭山へとつなぐ。雨で登山道もぬかり始めた、熊倉山を越えて浅間峠の東屋で雨をしのげることが最大の利点でありホッとする。そのような場所ではあるが、状況からすると水はけが悪く雨水がたまりそうなため、テントは張らずに休憩用の椅子にそれぞれ離れて寝ることにした。夜半雨がひどくなり、時々霧状になった雨が顔に当たるような状況だった。

7月14日(日)雨
浅間峠(6:05)-土俵岳(7:10)-丸山(8:10)-数馬峠(9:10)-槇寄山(9:55~10:10)-避難小屋(11:25~11:50)-三頭山(12:10~12:20)-大滝(13:30)-都民の森バスターミナル(13:50)

夜半ほどひどくはないが雨は降り続いている。雨水が予想したように流れ込み一部ではあるが溜まっていた。明るくなって朝食をとる。風もなく急な登下降もないので傘をさして出発とした。順調に歩を進め4時間ほどで槇寄山、ここまで来れば先が見えてきたので15分ほど休んだ。この後の避難小屋手前の大沢山への300mほどの急登が大変で今回一番のきつい登りであった。避難小屋は大きくしっかりした建物である。中に入って大休止、天気が悪いためか誰もいなかった。小屋から20分ほどで三頭山西峰1525m広場に到着。大きく三頭山と彫られた石柱の前で記念の手ぬぐいを出して写真撮影。

三頭山山頂

三頭山には他にも登山者がいて今回初めて二人並んで記念撮影が出来た。一番高い中央峰1531mそして東峰1528mと行ってみたがともに頂は狭く、西峰広場が多くの人が休憩できるような場所である。コースを少し戻り、ムシカリ峠から三頭大滝へと下る。大滝を見学用の橋からのぞくが、高さのある大きな滝であった(こまさんによると、前に会の山行で登ったことがあるとのこと)。都民の森へは、木材チップの敷き詰められたなだらかな歩きやすい歩道を進み森林館へ、最後階段を下り都民の森バスターミナルに下山した。

(記 ダイヤ)

上高地~槍ヶ岳

期 日:2019年7月13日(土)~7月15日(月)
参加者:いずっこ、他1名(非会員)

7月13日(土)曇りのち雨
上高地(6:40)-横尾(9:40)-槍沢キャンプ場(11:30)

7月12日の午後2時に高尾山口駅で同行者をピックアップし、松本IC近くで夕食と翌日以降の食料の調達を済ませ、前泊地である沢渡へ向かう。

翌日、沢渡発の始発バスで上高地へ。

上高地

上高地からはほぼコースタイム通りで槍沢ロッジへ。そこで2日分のキャンプ料金と賞味期限が若干過ぎたため半額で販売されていた缶ビールの支払いをし、30分ほど上流の槍沢キャンプ場へ。

槍沢キャンプ場

着いた時点で5張ほどテントが張られていたが、まだ幕営場所を自由に選べる状態だった。トイレも数年前に建て替えられたばかりでとてもきれいだ(それが翌日仇となるが)。テントを張り終え、昼食を済ませた後、夕食時の楽しみである、さっき購入したばかりの缶ビールを冷やしに槍沢まで行く。槍沢の水はとても冷たく、1時間足らずで十分に冷えた。そうこうしているうちに雨が降り出した。途中弱まった時間もあったが翌朝まで降り続いた。

7月14日(日)雨
槍沢キャンプ場(6:00)-槍ヶ岳山荘(9:30)-槍ヶ岳(10:30)-ヒュッテ大槍(12:00)-槍沢キャンプ場)(16:00)

朝起きた時には小降りになっていた。ここで大失態に気づく。テントの前室に置いておいた登山靴を雨で濡らしてしまった。タオルで拭いたものの湿ったままだ。同行者にダメ出しされながら出発した。大失態をした自分への腹立たしさをパワーに変え、ハイペースで歩き始めた。歩いているうちに雨は上がり、いくつかの雪渓をトラバースしながら登っていくと、槍の穂先が見えるほど雲も薄くなってきた。槍ヶ岳山荘で小休憩をして槍ヶ岳へ。

槍ヶ岳山頂

槍ヶ岳登頂は二回目だ。初回は初めての山の日の2日前である2016年の誕生日。この時は快晴の表銀座縦走からだった。初回の槍ヶ岳の思い出はいくらでも出てくるが、ここでは割愛する。槍ヶ岳山頂で十分な時間を過ごした後、槍ヶ岳山荘の名物、クロワッサンを楽しみに下山。だが材料の荷揚げが間に合わずクロワッサンはないとのこと。非常に残念に思っていると、また本降りの雨に。仕方がないのでヒュッテ大槍まで行って昼食を取ることに。ここで味噌ラーメンを頂いた。

美味しい味噌ラーメン

西〇ラーメンはおいしいと思わなかったが、ここのラーメンは絶品だった。そのまま雨の中を東鎌経由でテントまで戻った。

東鎌尾根の長いハシゴ

テント場に戻ってからも雨が降り続いていたため、テントの中で過ごしていたところ、騒がしい10人以上の外国人の団体がやってきた。夕食時から感じ始めた尿意、小降りになるタイミングを待って数時間様子を見たが一向にその気配がなかったため、意を決して10mほど離れたトイレへ雨の中駆け込んだ。すると、カレーが若干残っている鍋を囲んで4~5人の外国人が宴会をしていたのだ。灯油缶の椅子まである。そう、トイレットペーパーを入れる灯油缶を逆さにして使っていた。思わず声を荒らげすぐに片づけさせた。テントから仲間もやってきて数分で元のトイレになった。聞くとベルギー人だという。今思うと逆切れされなくてよかったと思うが、その時は怒りのあまり声が出てしまった。何しろ何時間も我慢した後の安らぎのトイレだったのだから。その後無事に用を済ませシュラフに戻った。

7月15日(土)
槍沢キャンプ場(7:00)-上高地(13:00)

昨日までの雨は上がり、テント撤収時には薄日も差していた。これまで雨の中テントを撤収したことがない。今回もそれは免れた。きっと雨中でテントを撤収するのは大変だろう。槍沢、梓川沿いを、横尾を経由して上高地まで戻ってきた。

河童橋付近でソフトクリーム

上高地から横尾までの3時間、鉄道や低公害バスで短縮できたらさぞかし行程が組みやすくなるだろうと思う。沢渡で自車を回収し白骨温泉で3日分の汗を流し帰宅。次回は西鎌、そして北鎌から槍ヶ岳をまた目指したいと思う。

(記 いずっこ)

早月川河口~剱岳

期 日:2019年7月13日(土)~7月15日(月)
参加者:みの

7月13日(土)晴れ
西魚津駅(10:31)-早月川日本海河口(11:09)-国道8号のコンビニ(11:46)-入会橋(12:58)-箕輪ダム(13:35)-伊折橋(15:45)-伊折(16:05)-剱橋(17:37)-番場島野営場(17:54)

京都駅から金沢を経由して北陸新幹線で黒部宇奈月温泉に、富山地方電鉄に乗り換えて西魚津駅に到着する。早月川沿いをミラージュランド側の海岸に向かいたかったが上半身裸の男性が歩いているのでこれを避けて早月橋を渡り対岸側から河口に出る。

早月川河口

写真撮影して日本海から剣岳への歩行を開始する。昼前にコンビニであんパンと水1Lを購入する。これが最初で最後のコンビニだったのでこれが本日の行動食になる。グーグルマップに導かれて早月川に付かず離れず田んぼや民家の脇を歩行するが誰とも会わない。やっと伊折に着くが集落などなく冬季閉鎖用ゲートがあるだけだった。道標には青年の家までの距離が表示されているが跡形もなく期待した自動販売機も無い。傾斜が急になった車道を歩いて番場島野営場に着く、幸い番場島荘で飲み物を購入できた。またグランピングの人がとうもろこしとトマトを差し入れてくれた。

7月14日(日)曇り時々雨
番場島野営場(4:06)-早月小屋(9:00)-剱岳(12:08)-番場島野営場(18:20)

暗い中を歩き出す。

早月小屋

昨日から営業開始した早月小屋前で休んでいると運動靴を履いた単独行者が追い越して行く。40分ほど登ると彼は引き返してきた、道が不明瞭なので下山するという。次第に残雪が現われるが難所の鎖は顔を出しておりアイゼンは出番がなかった。ガスの中を登り続けてお昼に頂上の祠に着く。

剱岳山頂

剣沢から登ってきたパーティが2組ほどいる。景色は全く無く写真撮影して下山する。早月小屋のスタッフが登山道整備をしてくれて、シュルンドに設置したてのお助けロープの第一号客となる。スタッフにお礼を言うとやりがいがあるといって喜んでいた。早月小屋の下から雨に降られる。野営場も雨で、炊事場の屋根を借りて夕食の餅をゆでているとグランピングの人が焼肉を差し入れてくれありがたく頂戴する。

7月15日(月)
番場島野営場(6:30)=上市駅

タクシー会社に電話すると駅から登山者を送ったばかりだったそうで番場島荘に行くとタクシーがスタンバイしていた。一昨日とは打って変わり楽々と駅に向かう。

(記 みの)

会山行A隊 種池~針ノ木峠

期 日:2019年7月6日(土)~7月7日(日)
参加者:Lそうべぇ、コバヤン、ヒー

7月6日(土)曇り
扇沢駐車場(9:25)-種池山荘前(13:10)-岩小屋沢岳(15:10)-新越山荘泊(16:00)

B隊を七倉まで送り扇沢駐車場には9:00到着した。身支度を済ませ扇沢第2駐車場を9:25に出発。5分ほど歩くと柏原新道の登山口に着く。登山口近辺の駐車場はすでに満杯。天候は曇り、周りの山々は雲の中に隠れ顔を出しそうにもない。天気予報は曇りを告げているが下り坂であることは予想できる。登山口から30分ほど歩くと汗が滝のように流れ始めた。北アルプスの7月初めは梅雨も開け爽やかなイメージであるが、樹林帯の中は風が吹かなければ蒸し風呂だ。今回は山小屋泊まりなので荷もそれほど重くないはずだ。この汗のかきかたは、暑さだけのせいではなく体力の低下が招いたことなのだろうか。コバヤンも同じく大汗をかいているが、ばててはいない。ヒーさんは楽しそうだ。加齢であり、仕方のないことなのだろうか。80歳までは今と変わらずに元気で山を歩きたいと思っている。体力が落ちないようい日々の生活を大切にしなければならないと反省する。八ツ見ベンチ10:15、2280m付近12:15。そうべえが遅れる。弱気の虫が騒ぎ始める「私は種池山荘泊まりとして、明日は柏原新道を下山しよう」などとくだらないことを考え始めた。コバヤン、ヒーさんから遅れること10分、13:10に種池山荘前に到着した。弱気の虫を飲み込み先に進む。ここから2時間30分ほどで新越山荘だから、もう少しの辛抱である。前を歩く2人と差が広がる。2人は差が広がらないように要所にて私を待つ。

稜線にて小休憩

15:10岩小屋沢岳を通過、16:00に新越山荘に到着。種池山荘前から新越山荘までの稜線歩きは曇りで展望はなかったが、足元にはイワカガミの群生、北アルプスは花の季節を迎えたのだ。これからいろんな高山植物が咲き乱れるのだろう。花が気持ちを落ち着かせてくれた。

ツガサクラとイワカガミの群生
他にも高山植物が咲いていた

山荘に到着したらすっかり元気になった。睡眠不足と長時間の車の運転、これも体調に影響したのかもしれない。車の運転は躊躇せず交代するようにしよう。山荘は小屋明けをしたばかり、天気も下り坂なのでキャンセルも出たとのこと。我々のほか3パーティのみで静かだ。八畳間の部屋に3人、なんと贅沢なことだろう。最盛期には20人ほど詰め込むそうだ。自炊後、20時消灯。8時間ぐっすり寝た。
新越山荘は、感じの良い山小屋だ。スタッフの対応は親切、部屋も清潔。自炊部屋は少し狭いと感じた。トイレはトイレットペーパーを便器に捨ててもOK。処理は燃やすので紙類があったほうが効率よく処理できるとのこと。トイレ事情は山小屋ごとに異なるが、登山者としては一番の関心ごとであろう。

7月8日(日)雨
新越山荘(5:20)-鳴沢岳(6:00)-赤沢岳-スバリ岳-針ノ木岳(10:00)-針ノ木峠(11:15)-扇沢駐車場(14:15)

午前4時に起床。とてもぐっすり眠れ、コバヤンの鼾や寝言も気にならなかった。外はガスっており、雨まじりだ。各自で用意した朝食を簡単に済ませ、身支度後5時20分に新越山荘を出発した。霧雨なので雨具を着込み歩く。もちろん展望は得られない。進む方向の右側(北)には名だたる峰々が並んでいるはずだ。展望がない分、足元の高山植物を見ながら歩けたことは儲けもんかもしれない。雷鳥も現れ、我々が歩く先々をまるで道案内をしているように登山道をゆっくり進んでいる。お尻を振りながら歩く姿はかわいい。出発は予定より20分遅れたが、鳴沢岳には予定の6時に到着した。

鳴沢岳山頂

展望がないのでプレッシャーとなるアップダウンを気にせず歩け、気付いたら目的の山頂に到着している、こんな感じだ。

スバリ岳山頂

針ノ木岳も予定通り10時に通過。ここから針ノ木峠までが今回の山行の核心部だった。残雪がいつもの季節よりも多く残り、ステップは切られているが雨のためコンディションが悪い。アイゼンを装着しても効きが悪く、足元がおぼつかない。滑ると谷底まで落ちてしまうので慎重に通過した。

慎重に雪渓を歩く

針ノ木峠には11時15分に到着。コバヤンと冗談交じりに、B隊と会えると感動だなと話をしていた時、「何か声、聞こえません?」。「まさか。」しばらく耳を済ませていると、本当に聞こえてきた。人影も見えてB隊と奇跡的な合流だった。ちょっと感動したな。B隊は七倉から船窪を経由し蓮華岳から扇沢を目指していた。B隊の幕営地から針ノ木峠までのコースタイムはA隊(我々)とほぼ同じ。もしかしたら出会うかなと思っていたが、まさか本当に出会うとは…ちょっと感動的です。

針ノ木峠で合同記念写真

針ノ木峠で合同の記念撮影を行い、一緒に針ノ木雪渓を下り無事に扇沢へと下山した。14時15分だった。

(記 そうべぇ)

会山行B隊 七倉岳~蓮華岳~針ノ木峠

期 日:2019年7月6日(土)~7月7日(日)
参加者:Lレー子、ヨッシー、みの、りこ、オヨシ、たちこ、おとっつあん

7月6日(土)曇り
相模原(5:00)=七倉(9:00)-小町合流(14:30)-天狗の庭(15:07)-船窪小屋(16:00)-幕営地(16:15)

まだ梅雨も明けず、数日前からの天気予報は思わしくないため、奥秩父の代替案も作成してあったが、直前になり予報がやや好転したため予定通りとする。種池から赤沢岳、針ノ木岳をトレースするA隊と一緒に2台で相模原を出発。安曇野の道の駅でヨッシーをピックアップして七倉へと向かう。A隊はB隊を降ろして、車2台で扇沢に移動。これから登る七倉尾根は10日前にヨッシーがブナ立尾根から不動岳を登り、下っているので、心強いガイド付きである。
この日は曇りだが雨に降られることなく9時に出発。登り始めてすぐにりこが遅れ始める。共同装備は持っていないため、行動中使わない個人装備をみんなに振り分けて持ってもらうが、それでもパーティは二つに分かれてしまい、りこ、レー子からは先行メンバーは全く見えない。梯子が連続する鼻突八丁になんとかたどり着いたが、翌日の行動を考えると2人でここから下山したほうが安全であり、他のメンバーに迷惑を掛けずに済むと考えヨッシーと携帯で相談する。ヨッシーたちは既に天狗の庭まで上がっており、その先は緩やかになるとのことで、みのさんがサポートに下りてくれることになった。みのさんにりこのザックを持ってもらい、ゆっくりゆっくり登る。みのさんのザックがデポしてある天狗の庭からは、みのさんはザックを2個背負ってしばらく進む。間もなくテント場に着いたオヨシが戻って来てザックを持ってくれた。ようやくたどり着いた船窪小屋で温かいお茶をいただき、ほっと一息つくことができた。テント場はまだ先なのでゆっくりもしていられない。
テント場に着くとまだ雪渓が残っており、雪のない場所にギリギリ2張りのテントを既に張ってくれていた。りこをテントで休ませ、ちょっと寒いが外で食事の準備をし、開宴。会山行で初めての小屋泊りであるA隊からメールが入り、新越山荘はほとんど貸し切り状態らしい。翌日の行動については朝の天気、体調を考え決めることとして就寝する。

7月7日(日)雨
幕営地(5:00)-七倉岳(5:25)-七倉乗越(6:25)-北葛岳(7:25)-北葛乗越(8:25~8:35)-蓮華岳(10:40)-針ノ木峠(11:30)-大沢小屋-扇沢(14:10)

夜中テントを叩く雨音は大きく、かなり降ったようだ。狭い場所のためフライをしっかり張ることができず、端に寝たおとっつあんは大分濡れたらしく体調がすぐれず、朝食を食べることができなかったが、りこは朝食も食べ、体調に問題はなさそうだ。パーティを分けることも考えたが雨の七倉尾根を下るのもリスクが高いため、今日もりこの装備をみんなに振り分けて、計画通り針ノ木峠を目指すこととする。
雨の中テントを撤収して出発。

七倉岳山頂

せっかくの稜線歩きも雨とガスで何も見えない。今日はパーティが分かれないようにペースを落として進んでもらう。

北葛岳山頂

北葛乗越からは鎖場がはじまり、下りのルートとして使うには神経を使いそうだ。鎖場も終わり、そろそろ蓮華岳かと思うが、山頂は広くガスでまわりの景色が何も見えないため、なかなか着かない。A隊の現在地が気になるが、今日は携帯もうまく繋がらない。山頂らしきピークに3人の姿が確認でき、A隊がりこを心配して迎えに来てくれたと思い、大きく手を振るが反応がない。山頂に着くと残念ながら別のパーティだった。

蓮華岳山頂

大沢には雪渓が残り、大沢右俣を登り滑った時の感動を思い出す。鎖場を過ぎた頃から結局パーティはまた二つに分かれ、そろそろ針ノ木峠かと思う頃、前方から歓声が聞こえた。A隊と合流できたようだ。遅れて我々も到着。特にB隊を待ってくれていたわけではなく、偶然出会えたとのこと。偶然でも出会えてよかったと、一緒に記念写真を撮り、アイゼンを着けて下山開始。針ノ木の下りはいつもスキー板を履いているので、あっという間に扇沢に着くのが常だが、残念ながらもう雪渓は大沢小屋よりだいぶ上で割れており、途中で左の登山道に逃げ、大沢小屋からは沢沿いの道を下った。途中ピンクの花をつけた木がたくさんあり、そうべぇさんがヨッシーに名前を聞くが、「知らん!」と言われてしまう。後日調べてみると、タニウツギと言う花のようだ。道路に出て扇沢に到着、雨の1日は終わった。
いろいろあったが、ヨッシーの不動岳も含め、なんとかこの長い手強いルートを手分けして繋ぐことができて本当に良かった。暁ビッグバンド・トレイルに現実味が出てきた。

(記 レー子)

瑞牆山荘~金峰山

期 日:2019年7月6日(土)
参加者:Lなべたけ、わたゆき

7月6日(土)曇り
瑞牆山荘前駐車場(9:00)-富士見平-大日岩-千代ノ吹上-金峰山頂往復(14:25)-瑞牆山荘(18:40)

梅雨の最中、前線の南下により奥秩父は天候回復して終日曇りだった。

瑞牆山荘

展望はほとんどなかったが、水分を含んだ森はうつくしく、清々しく、爽やかだった。大日岩までは快調だったが、その後ペースダウン。

金峰山山頂

コースタイム7時間くらいのところ、10時間弱の行動になった。長時間の行動になったが、ヘッデンになる直前で無事に下山できて良かった。

(記 なべたけ)