カテゴリー別アーカイブ: 無雪期ピークハント・縦走

夏山合宿C隊 室堂~剱岳

期 日:2019年8月14日(水)~8月15日(木)
参加者:Lみの、おとっつあん

8月14日(水)晴れ時々曇り
信濃大町(7:00)=扇沢=黒部ダム=室堂(10:15)-剱御前小屋(12:25)-剱沢野営場(13:12)-テント設営(14:00)-剱岳(16:58)-テント(20:02)

8月13日、B隊として栂海新道を縦走して親不知に下山し、台風情報を確認すると16日に西日本を通過する予報なので、その前に下山する1泊2日に計画変更する。B隊帰路の車中で旅館予約を行い信濃大町駅徒歩3分にある竹の家旅館までB隊の車で送ってもらう。周辺の旅館2軒は満室でこの旅館だけ空室があったが普通に快適な宿だった。洗濯と風呂、食料装備の見直しを行い食事に出て養老の滝で腹を満たす。
14日6時起床、二人とも深刻な筋肉痛や疲労等の体調不良は無く行動開始とする。駅のコインロッカーに不要になった装備を預け、コンビニで用足しして駅前7時発のバスに乗車する。扇沢でトロリーバスに乗り換え、黒部ダムからケーブルカーとロープウェイ、更にトロリーバスを利用して大した混雑もなく楽々と室堂に到着する。暫く硫黄の臭いのするなか観光客に混じって遊歩道を歩く。おとっつあんは周辺のホテルで宿泊客がガス中毒事故に巻き込まれることを心配する。遊歩道は下り続けて登り返しをきつくする。雷鳥沢野営場を過ぎ丸太橋ならぬ角材橋を渡ると登りが始まる。冬に雪崩事故が発生したのはあの辺りだろうか?やがて剱御前小屋に到着し剣岳を仰ぐが早々に剱沢野営場に向かう。

剱沢野営場

風が吹き始めているのでテントの頂点にも細引きでガイライン追加するなど念入りにテント設営する。軽装で剱岳アタックに出発するが、時折強風が吹きテントが気になる。残された耐風手段はテントキーパーだが志願者はいない。一服剱の辺りまで数組の下山パーティとすれ違ったが、ついに人影はなくなり貸切り状態となる。おとっつあんが先頭を歩き前剱の岩場とルーファイを楽しむ。前剱を通過し緩くなった傾斜をつめて頂上の祠に到着する。

剱岳山頂

祠には剱岳と記入された木のプレートが何枚か置いてある。しかし先月登頂した時プレートの中には選んではいけないいわく付きのプレートがあると他パーティが話していたのを思い出し、ゲンを担いでプレート抜きで記念撮影する。日没も迫っているので下山を急ぐ。日没寸前に一服剱を通過し、剱山荘の手前でヘッドライトを点灯、剱沢小屋手前の立ち入り禁止の札と外国人に惑わされるも結局直進してテントに到着する。剱沢小屋は金庫を閉めてしまったため飲み物を購入できなかった。刻みたまねぎとささみ肉をフリーズドライカレーに混ぜてカレーパウダーで辛さを整えた食当おとっつあんのオリジナルカレーと、持参した飲み物で栄養補給する。10時半就寝。

8月15日(木)曇り
剱沢野営場(6:20)-剱御前小屋(7:00)-室堂(8:50)

ゆっくり朝寝坊する予定だったが、撤収するパーティの話し声に寝ていられず起床する。各自簡単に朝食を済ませて撤収する。風はどんどん強くなっているのに広い野営場には未だテントが残っている。剱御前小屋は雨戸を閉め、風で飛ばされそうな物を片付けて既に台風対策済だ。風が強まる中を室堂に急ぐが、驚いた事にこれから入山する単独登山者とすれ違う。風に投げ飛ばされたり、飛んできた小石が顔に当たったり、装備品を飛ばされたり、風は強敵だ。剱岳早月尾根番場島登山口には“試練と憧れ”の碑と観音様像、遭難者慰霊塔が訪れる登山者を出迎え戒めているが、観光地の室堂には無い。突然叫び声があがる。子供が風に煽られて遊歩道から1.5mほど転落して腰を曲げたり延ばしたりして斜面を転がり落ちてやっと止まる、幸い怪我は無かった模様で子供は泣きもせず親と並んで歩き出す。室堂9時15分発のトロリーバスで下山する。

(記 みの)

夏山合宿B隊 白馬岳~親不知海岸(栂海新道)

期 日:2019年8月10日(土)~8月13日(火)
参加者:Lダイヤ、こま、みの、りこ、おとっつあん

8月10日(土)晴
相模原(5:30)=栂池高原(10:30)=ゴンドラ・ロープウェイ乗継-栂池山荘(11:30)-白馬大池(14:50)

早朝相模原を出る、高速道路の混雑情報があり相模湖インターより入る。大きな混雑はなく順調に進む。栂池高原の駐車場に車を留め身支度を整えて出発。ゴンドラとロープウェイを乗り継いで標高1800mの自然園駅に30分ほどで上がれ便利である。1800mとはいえ日差しが強く暑い、少し歩くと汗が噴き出す。老若男女多くの下山者とすれ違いながらの登りである。雲で太陽が隠れるとほっとする、また時折吹いてくる風が心地よい。1時間ほどで銀嶺水、冷たい水がうまい。ほどなくして天狗原の湿地帯の木道である、水はほとんど溜まっていない、木道を過ぎてしばらくすると岩のゴロゴロした登りである、高度はどんどん上がる。りこが体力的に厳しいようである。雪渓を一か所通過して乗鞍岳、大きなケルンを過ぎると白馬大池のテント場が確認できる、すでにたくさん張られていて余地がないように見る。

白馬大池のテント場

テント設営の手続きをして場所を探すが適地がない、それでも何とか場所を確保して張ることにした寝心地は悪そうだ。設営後時間があったのでゆっくり過ごす、大池の良い眺めであるが日差しが強く暑い。
りこは食欲なく水分も十分取れていない状態、夕食も食べられないため体力的に縦走は無理と判断、明日はりこ除く4人は白馬岳まで登り、三国境から先の縦走は3人(Lみの、こま、おとっつあん)で繋ぐことに変更とする。

8月11日(日)快晴~晴
白馬大池(4:55)-三国境(7:20)-白馬岳(8:20~8:40)-三国境(9:05~9:30)-白馬大池(12:25~13:05)-栂池山荘(16:05)=栂池高原(17:00)

不調のりこは登れるところまでということで出発、快晴の中徐々に暑さが厳しくなる。途中遠くの槍ヶ岳まで眺めることができた。三国境でザックを置いて白馬岳へ、全員で登頂することができた。山頂で50周年記念の手ぬぐいを広げて記念撮影、ゆっくりした。

白馬岳山頂

三国境に戻り、親不知へと縦走するみの、こま、おとっつあんを見送り、よたに、りこは大池へ下る。時折ガスがかかり暑さをしのげる、テント場に戻りテント撤収し下山開始、3時間ほどでロープウェイ乗場に到着した。稜線は雲に覆われ天気が心配である。下山後、りこは電車で帰宅とした。

(その後のダイヤの行動は以下の通り)
11日:栂池高原駐車場にてテント泊
12日:車で親不知に移動し散策、道の駅にてテント泊
13日:尻高山まで登り三人(みの、こま、おとっつあん)を出迎える。暑い中大変だったと思います、日に焼けた顔が誇らしく見えた。一緒に親不知の海まで歩き50周年記念登山を日本海へとつなぐことができた。

(記 ダイヤ)

8月11日(日)快晴~晴
三国境(9:30)-雪倉岳避難小屋(11:00)-雪倉岳(11:58)-朝日岳分岐(14:40)-朝日小屋(16:21)

三国境に戻ると雪倉岳と朝日岳が目の前に並んでおり今日のルートが丸見えとなる、朝日小屋らしい赤い屋根も朝日岳のかなり左方に小さく見える、これは長丁場だ。今日下山することになった二人と別れ、がれた斜面を下る。

三国境からの登山道

朝日小屋へ向かうパーティは他に見当たらず静かな縦走路となる。雪倉岳を過ぎると暑さのため次第に無口になる。

雪倉岳山頂

朝日岳までの道のりは長く分岐点に到着してホッとする。小屋まであと30分くらいの地点の沢で我慢できずに水浴びが始まりなかなか終わらない。
ようやっと到着した朝日小屋のテント場は広く、キンキンに冷えた飲み物もあり水場も近い、小屋の近くの椅子とテーブルを借用して快適な夕餉のひと時を過ごす。

8月12日(月)晴れ
朝日小屋(6:03)-朝日岳(7:00)-黒岩山(11:12)-さわがに山(13:09)-水場分岐(14:00)-犬ケ岳(15:32)-栂海山荘(15:47)

今日の縦走路も長い、小屋のスタッフから水場の状況はすれ違う登山者から聞くようにアドバイスされる。朝日岳頂上で携帯電話が通話圏内になるもメール作成中に圏外となってしまう。

朝日岳山頂

朝日岳を下り蓮華温泉との分岐付近で栂海山荘からの最初の縦走者に会い水場情報を入手する。いよいよ栂海新道だ、開通後40年経過した新道はよく整備されており、やがて湿原地帯となるが立派な木道が敷いてある。
むしろ黒岩山から分かれるエスケープルートの中俣新道は草ぼうぼうで一人では歩きたくないくらい荒れていた。
今日も暑いが沢筋から吹き上げる冷風で一服する。スリリングなやせた稜線を何箇所か通過してさわがに山に到着する。水場の水流は細くちょろちょろブリキの板から落ちていて汲みやすくとても冷たい、水筒にためた水を頭に掛けてもらったおとっつあんは頭痛を訴える。水筒を満たし、ピークを更に二つ越えて犬ケ岳に至り、程なくして栂海山荘に到着する、テント場には3張りある(翌朝には8張りになっていた)、小屋には6名ほどと噂に反して空いている。

8月13日(火)晴れ
栂海山荘(4:14)-水場分岐(5:40)-白鳥小屋(8:04)-シキ割(9:28)-坂田峠(10:48)-尻高山(11:49)-国道(14:06)-親不知海岸(14:30)

今日も長旅だ、天空のトイレで用をたし、暑さに備えて早立ちする。今度の水場は落ち口がなく岩の上を薄く水が流れて汲みづらい、ビニール袋とかコップで汲んで水筒に移し変える必要がある。
白鳥小屋で朝食にする。シキ割の水場は落ち口が作ってあり時間はかかるが冷たい水が得られる。高齢のトレールランナーが追いついてくる、針の木から入山したそうだ。今日も暑い、私設エードステーションを期待(妄想)していた坂田峠は無人で一同へたり込む。尻高山でダイヤさんと感動の再会を果たし、ひたすら親不知海岸を目指す。

栂海新道にて合流

ようやっと国道沿いの駐車エリアにある登山口に到着して記念撮影。
車に荷物を残し、自動販売機で手に入れた冷えた飲み物を手にして海岸への階段を下る。

親不知海岸にて海水汲みの準備

海水を汲んで噂通りのロングルートをフィニッシュする。

 (記 みの)

烏帽子小屋~裏銀座~上高地

期 日:2019年8月9日(金)~8月12日(月)
参加者:レー子

8月9日(金)晴れ
七倉山荘=高瀬ダム(6:00)-ブナ立尾根取付き(6:27)-三角点(9:10)-タヌキ岩(9:20)-烏帽子小屋(10:36~10:52)-三ツ岳(12:33)-野口五郎小屋(14:08)

前夜23:00新宿発の毎日アルペン号に乗車する。バス乗り場には各方面に向かう登山者が大勢集まっており、行き先別に順次到着するバスにそれぞれ乗り込んで出発して行く。乗車予定のバスは七倉、扇沢で乗客を降ろしたあと、白馬方面に向かうと思っていたが、七倉までの乗客が多いため、大型バス1台が全員七倉行きとのことで、寝過ごす心配もなくなった。やや遅れて出発し、間もなく消灯となったが、途中3回もトイレ休憩があり、睡眠不足の状態で七倉に到着した。予定通り3時45分の到着のため辺りは真っ暗だったが、7月会山行で来ているので、トイレの場所など勝手が分かり助かった。高瀬ダムまでのタクシーは5時30分にゲートが開かないと入れないが、ゲートの前で出発準備をし、歩いて高瀬ダムに向かう人達もいた。
5時過ぎにタクシー数台が上がってきて、大勢の客を乗り合いで乗せて行くため、一人700円で高瀬ダムに行くことができた。
ダムから30分ほどトンネルや河原を歩くと北アルプス3大急登と言われるブナ立尾根の登りが始まる。朝から日差しは強かったが、しばらくは樹林帯のため急登とは言え、強い日差しの稜線歩きに比べると楽だった。ブナ立尾根には取付きが10番から烏帽子小屋が0まで途中に番号がふられており、2208.5mの三角点が4番で半分を過ぎたことに安堵する。多くの登山者は小屋泊りらしく小さなザックで登っており、テント泊のザックではペースは上がらない。脱水に注意してこまめに経口補水液を飲む。途中ですれ違ったパーティは一昨日ヒョウに降られ、低体温症になると思ったとのこと、こんなに暑いのに山の天気はやはり怖いなと思う。
ようやく烏帽子小屋に到着。烏帽子岳の山頂は省略して先を急ぐ。あとは急登もなく楽しい稜線歩きと思っていたが、雲ひとつない青空、11時を過ぎ暑さもピークとなり、睡眠不足の体にはひどくこたえる。三ツ岳への登りで70歳過ぎと思われるご夫婦とすれ違う。昨日奥黒部ヒュッテを出て12時間かけて読売新道を登り、今朝水晶小屋を出てブナ立をこれから下るとのこと。赤牛岳を眺めながら楽しそうに話してくれる二人を見ていると、諦めかけた読売新道も行けそうな気がしてきた。ただ、ご主人からはザックが大きすぎるよと最後に指導を受けた。
読売新道を眺めながら野口五郎小屋に向かうが、いつまで経っても小屋は見えない。過去の記憶では烏帽子小屋から野口五郎小屋はすぐだったはずだが・・・。途中走ってきた烏帽子小屋で働く青年に追い越され、野口五郎小屋で用事を済ませて戻る彼と再び出会った時、あと1時間あれば着きますよ、と言われ愕然とした。それでもなんとか1時間かからず小屋にたどり着くことができた。
以前来たときは小屋の前がテント場で幕営できたが、テントが風で飛ばされるなど事故も多いことから国に返還したとのこと、今見ると大岩がゴロゴロしており、とてもテントを張れるような場所ではない。しばらく小屋の外でのんびりしながら、小屋の方や救助隊の方と話をしたが、やはり一昨日はこの辺り一帯でヒョウが降ったとのこと、小屋の周りの写真も見せてもらったが、地面が隠れるくらい積もっていた。
テントの装備を背負っているが、幕営禁止のため本日は慣れない小屋泊り。食糧、燃料の装備を減らそうと夕食付で予約しておいた。平日と言うこともあってか小屋は空いていて、女性部屋はもう一人の単独の女の子と二人きりでゆったりできた。睡眠不足を解消するため早々に寝る。

8月10日(土)晴れ
野口五郎小屋(4:30)-野口五郎岳(4:50~4:57)-真砂分岐(5:33)-東沢乗越(6:48)-水晶小屋(7:50~8:00)-ワリモ岳分岐(8:34)-ワリモ岳(8:57)-鷲羽岳(9:40~9:52)-三俣山荘(10:45~10:55)-三俣峠(11:40)-三俣蓮華岳(12:03~12:10)-双六岳(13:35~13:409-双六小屋(14:30)

今日は何とか双六まで行きたいと、薄暗い中出発。野口五郎岳では任務の写真を撮らなければならないが、ちょうど相部屋の女の子がおり、記念手ぬぐいとともに写してもらう。

野口五郎岳山頂

水晶小屋までは人も少なく槍や赤牛岳、昨年行った薬師岳、剣岳など眺めながら、北アルプスの中心にいることを実感する。昨年秋、湯俣の橋が流され竹村新道は通行止めとなっていたが、昨日野口五郎小屋の情報では、橋の修復で昨日から通行可能になったとのことで、竹村新道の分岐には特に何の記載もなかった。水晶小屋まで来るといっきに人が増えた。山頂を往復すると1時間かかるため、次回読売新道まで取っておくことにして先を急ぐ。以前来たときは鷲羽岳に登らず雲ノ平に向かったため、今回は必ず鷲羽のピークを踏まなければならない。暑さ厳しくなりピッチは上がらないが、ようやく山頂に立つことができた。

鷲羽岳

こんなにそそり立つ険しい山なのに野口五郎岳より0.1m低いなんて。山頂からは三俣山荘のテント場がよく見える。まだ10時なのにたくさんのテントが張られている。三俣山荘で水を補給し三俣蓮華岳の山頂を目指す。過去に双六小屋ベースで山スキーに2回来ているが、黒部源流を滑りベースに戻ってもそれほど時間はかからなかったと記憶しており、三俣蓮華の山頂から眺める双六はすぐそこ、と思い歩き始める。

三俣蓮華岳

しかし緩やかな稜線にもかかわらず、暑い、重い。やはりスキーの機動力はすごいな、双六に来るなら山スキーしかない、などと考えながら苦行に耐える。山頂への最後の登りでライチョウの親子に遭遇。人が多すぎるためか、今回の山行でライチョウを見たのはこの時1回だけだ。

双六岳

ようやく双六岳山頂に到着し、記念撮影を済ませると、テント場が混まないうちにと急いで下る。だいぶ足にも疲れが溜まり、途中のザレで滑って後ろに転んだ際、ストックがザックの下敷きになり途中で折れてしまった。締める位置をずらして使用は可能だったが、こんなに簡単に折れてしまうのかとちょっと残念。14時30分、双六小屋到着。広いテント場だが、すでにテントはいっぱい。なんとか隙間を見つけてテントを張る。その後も薄暗くなるまで続々と到着し、条件の悪そうなところにも張っている。野口五郎小屋では小屋の外で立山方面を向くとスマホが使えたが、双六小屋では全く使用できず、台風10号の位置が分からないが、昨日の台風情報からするとなんとか下山まで天気は持ちそうだ。

8月11日(日)晴れ
双六小屋(4:40)-樅沢岳(5:13~5:26)-硫黄乗越(5:57)-左股乗越(6:49)-千丈沢乗越(8:13~8:20)-槍ヶ岳山荘(9:30)-山頂往復(9:55~11:10)-槍ヶ岳山荘(11:20)-殺生ヒュッテ(11:49)-播隆窟(12:03~12:13)-天狗原分岐(13:00)-大曲(13:35)-ババ平(14:00~14:10)-槍沢ロッジ(14:39~14:45)-二ノ俣(15:05)-一ノ俣(15:13)-横尾(16:01)

風もない静かな夜だった。空には満天の星。槍の肩まで行けば今回の山行は終わったようなもの、あと一頑張りと今日も薄暗い中を出発。初めての西鎌尾根、ずっと槍を眺めながらの稜線歩き、徐々に槍が大きくなってくる。千丈沢乗越の手前に何ヶ所か鎖場があるが、特に危険な場所はない。ただ歩きなれない登山者が下りで石を落とす場面があり、人為的な落石には注意が必要だ。
千丈沢乗越からは飛騨沢がよく見える。以前春合宿で志木さんと二人、飛騨乗越までの急な登りを帰りは楽しく滑ったことを思い出す。緩やかな稜線歩きからいきなり急な登りが始まる。富士山の九合五勺からの登りのようにピッチが上がらない。コースタイムでは2時間となっているが、なんとか1時間10分で肩までたどり着くことができた。小屋の周りは大勢の人で西鎌尾根とは別世界。山頂まではまだ渋滞していないようなので、休憩もそこそこに山頂に向かう。槍の山頂はヘルメット着用推奨で強制ではない。ここだけのために持ってくるのも荷物になるので持参しなかったが、石を落とされても困るので小屋で500円支払ってレンタルのヘルメットを借りた。登り始めると渋滞が始まり、結局登って降りるのに50分かかったが、山頂は快晴で360度の展望を楽しむことができた。

槍ヶ岳

小屋にヘルメットを返しに行くと、槍ヶ岳山荘のテント場は本日満席と書かれていた。計画では本日殺生ヒュッテ幕営としていたが、時間的に早いためババ平まで降りることとして下山を開始。登ってくるテント泊と思われる人には、上はもう一杯ですよと声を掛けながら下った。殺生ヒュッテのテント場はまだ余裕があったが、幕営予定のババ平は幕営禁止と書かれている河原までぎっしりテントが張られており、あきらめて横尾を目指すこととする。この時間になってもまだ登ってくる人が多く、今日はどこまで行くのかと心配になってくる。槍沢ロッジの前もあふれるほど人がいて、ゆっくり休むこともできない。やっぱり夏は沢だな、とつぶやきながら横尾に向かうが、3日間の疲れが溜まってピッチが上がらない。16時横尾到着、長い1日だった。横尾のテント場も混んでいるが、それでもまだ双六やババ平に比べれば、まだまだ余裕がある。ここは登山者よりもキャンプ目的で来ている家族連れが多い印象で、幕営地と言うより水もトイレもビールも豊富なキャンプ場。最後の夜を楽しもうと思ったが、ひとりのテントはすることもなく、疲れも手伝って早々に寝てしまった。

8月12日(月)晴れ
横尾(5:00)-徳沢(5:55~6:05)-明神(6:48~6:55)-上高地(7:37)

上高地はすぐそこ、最後の歩きをのんびり楽しめば良いのに、なんだか早く帰りたくなって5時に出発。徳沢のテント場もにぎわっていた。まだ7時30分だというのに河童橋には多くの観光客や登山者がいた。

上高地

お風呂に入りたいが小梨平のお風呂はまだ営業しておらず、上高地温泉に向かったが、五千尺ロッジの入口に貼られた入浴案内では結構距離があるようだ。いちばん近いのがバスターミナル横にある上高地インフォメーションセンター内のコインシャワーだと分かりバスセンターに向かう。きれいな施設で朝早いこともあり誰もおらず快適。はじめに施設使用料100円を支払い、お湯は3分で100円。6分200円で4日間の汚れをきれいに落とすことができた。お土産を見る暇もなく新島々行きのバスに乗り帰路に就く。4日間好天に恵まれ、雨具を着ることもなく裏銀座を楽しむことができた。

(記 レー子)

三頭山~峰谷橋

期 日:2019年8月1日(木)
参加者:Lコーノ、かじさか、りこ、メイメイ、りっこ

8月1日(木)
都民の森(9:30)-鞘口峠(10:00)-三頭山東峰(11:20)―三頭山中央峰(11:30)-三頭山西峰)(11:40~12:00)-ヌカザス山(13:30)-三頭橋(15:15~30)-峰谷橋駐車場(16:10)-峰谷バス停(17:00)

かじさか車を峰谷橋駐車場に置き、全員コーノ車で都民の森駐車場に向かった。都民の森を賑やかに出発したが、暑さと湿気によって、皆だんだん無口になってくる。鞘口峠を通過し、三頭山への登りが、以前晩秋に登った時と比べてけた違いにきつい。やっとの思いで三頭山東峰に到着するも、ブヨなどの虫がたかってくるので、のんびり休めずに先に進む。三頭山中央峰を通過し、立派な石造りの標識のある三頭山西峰で大休止とする。

三頭山山頂

ここでも虫がいっぱい襲い掛かってきて、かじさかさん持参の虫除けスプレーをかけてもらったりし、虫を何とかしのぐ。防虫ネットを被っている他パーティの登山者もいて、夏山の虫対策への準備不足を痛感した。
虫に追われるように、三頭山西峰から奥多摩湖に向かって出発したが、ここでルートを間違えてしまった。鶴峠に向かい、直ぐに分岐があるはずなのだが、なかなか分岐が出てこないので間違えに気が付き、三頭山西峰に登り直した。本来のルートへの分岐には道標等は全くないので、注意が必要である。気を取り直してヌカザス山に向かったが、遠くに雷鳴が聞こえ始めてきて、相変わらず虫の襲来も止まないこともあり、下りとはいえ、身も心もひどく疲れる。
ヌカザス山に差し掛かった時に、ついに、近くで雷鳴がとどろいた。そして、ムロクボ尾根を下りだし時に、急に雷雨の中に突入することとなった。不思議なことに、今まで沢山いた虫達は避難したのか1匹もいなくなってしまった。落雷による最悪の事態を防ぐために、メンバー間の距離を多く取って歩いた。林の中で木々の葉や枝のクッションがあるため、雨が直接降りかからないのは良いのだか、ロープが設置されているほど急な尾根の下りは厳しかった。奥多摩湖が見え始めても、なかなか下りは終わらない。雷雨も去り、薄日が出てきた頃に、やっと三頭橋近くの車道に降り立った。
ここから、車道歩きとなる。歩道が無い区間も多く、スピードを出す車の脇を冷や冷やしながら通過し、やっとかじさか車が待つ峰谷橋駐車場に到着した。ここで荷物を車に積んで身軽になって、コーノ、りこで峰谷バス停へ早歩きで歩いて、山行を終了した。

峰谷バス停

この後、コーノ車の置いてある都民の森に行ったが、都民の森の駐車場が閉鎖される間際となり、危ういところだった。事前情報入手が不十分など、反省点の多い山行であった。そして、決して楽なコースではなかった、と参加者皆が感じた。

(記 コーノ)

大弛峠~国師ヶ岳~甲武信岳

期 日:2019年7月20日(土)
参加者:なべたけ

7月20日(土)曇り時々雨
大弛峠駐車場(9:45)-国師ヶ岳(10:30)-甲武信ヶ岳(14:20)-国師ヶ岳(18:00)-大弛峠駐車場(18:30)

コースタイムおよそ12時間のルートで、行動時間が長くなることを考えて、早朝から登るつもりだったが、寝坊により大幅に出発が遅れてしまった。下山は夜になることを覚悟して入山。
標高2360mの大弛峠は、小雨まじりで少し肌寒く、雨具のジャケットを着るとちょうど快適な気温だった。大弛峠の駐車場は満車で、川上村側の林道の路肩に駐車するほどだった。しかし、ほとんどの登山者は金峰山方面に向かうようで、東に向かう登山道はとても静かでうれしかった。

国師ヶ岳山頂

国師ヶ岳までひと登りして、そのあとは標高差200~300mの間のアップダウンで甲武信岳まで。

甲武信ヶ岳

比較的なだらかな地形が多く、終日お日様は出ずに気温は高くなかったので、ペース良く進むことができた。甲武信からの復路も、コースタイムを短縮しながら進み、予想に反して日没前に下山することができた。
コース上は、ほとんどがシラビソの森の中だった。シラビソの香りと、フィトンチッド効果で元気がキープできたのではと思った。
時々見ることができる展望や、鹿との出会いにも癒されながらの山行だった。今度は、ピストンではなく、ぜひ縦走したいなと思った。 

(記 なべたけ)

上高地~蝶ヶ岳~常念岳~大天井岳

期 日:2019年7月13(土)~7月15日(月)
参加者: A隊オヨシ B隊ヒー、他1名(非会員)

7月13日(土)曇りのち雨
A隊 三股駐車場(11:00)-三股(11:20)-蝶ヶ岳(14:40)-蝶ヶ岳ヒュッテ(15:00)

B隊を沢渡に送った後に三股登山口へ。雨予報の影響か、三股方面の利用者はさほど多くなく駐車スペースに停めることができた。連日の雨で足元は湿ってはいたが、気にするほどではない。登り始めて30分ほど経つと、投稿でよく目にする「ゴジラの木」が登場。珍しい自然の造形美である。

ゴジラの木

蝶ヶ岳までは緩急入り交じる登り一辺倒。歩荷であったがペースを下げずに黙々と登り、先発パーティに道を譲ってもらう。山頂はあいにくの霧だが、穂高連峰や槍が時折見える。一方、稜線上は冷えて風も強いため、テントを立てる位置も細心の注意を払った。ほどなくしてB隊が到着、翌日に備えて早めに身体を休める。


B隊 上高地(10:15)-徳沢(12:00)-長塀山(16:00)-蝶ヶ岳(17:00)-蝶ヶ岳ヒュッテ(17:10)

上高地は観光客が大半で賑やか、明神池以降は静かだった。

上高地からスタート

徳沢からいよいよ登山道となり、人気がなくなった。急登の樹林帯がしばらく続いた。傾斜が緩くなったあたりから、イワカガミなどのたくさんの高山植物が咲いていて、急登の疲れを癒してくれた。長塀山は展望がなかった。そこから少し歩くと、花が沢山咲いたメルヘンな池に着いた。妖精の池だ。

妖精の池

ついつい寄り道が長くなってしまう。心配したか、オヨシが迎えに来た。寄り道がバレてしまった。妖精の池から少し進むと急に視界が開けて、槍・穂高がドーンと目の前に現れた。

急に姿を現した槍・穂高連峰

間もなくして蝶ヶ岳の山頂に到着した。

蝶ヶ岳山頂

7月14日(日)曇りのち雨
A隊 蝶ヶ岳ヒュッテ(7:30)-常念岳(11:00)-常念小屋(11:45~12:45)-大天井岳(14:50)-常念小屋(16:20)

深夜に降り始めた雨は朝方まで続いたものの、徐々に弱まってきたので出発。蝶槍を過ぎた頃から対向のパーティとすれ違い始める。多くのパーティが蝶槍手前から横尾へ下山、もしくは蝶ヶ岳ヒュッテまで戻って徳沢へ下山するようだった。2時間ほど経過して最低鞍部に到達。ここからは岩稜登りが続く。相変わらずの濃霧だがしっかり目印も見え、岩の隙間も小さく思っていたより歩きやすかった。山頂に到達すると10名以上のパーティがくつろぎ道をふさぐ。写真撮影のために場所を空けてもらったが、とたんに雨風が強くなる。手拭いを広げながらの自撮りでは困難であったので記念写真はB隊に託し、足早に常念小屋に向かう。小屋に到着すると曇り空になってきたが、周囲の山々はガスで見えず。天気も夕方までもちそうなのでB隊が到着するまでに大天井岳までのピストンを決行。登山道は比較的整備されており、順調に飛ばす。

大天井へ向かう途中の雪渓

常念小屋を出て2時間ほどで大天荘に到着。そのまま向こうの大天井岳のピークへ登り詰め、タイマーで記念撮影。

大天井岳山頂

水分を多めに取り、同じ道を引き返す。15時を回っていたので、当然、誰ともすれ違わず。またも常念小屋まで孤独な時間であった。夜中にかけて、次第に雨足は強くなる。


B隊 蝶ヶ岳ヒュッテ(8:00)-常念岳(14:00)-常念小屋(15:30)

計画時に1泊での下山も考えたが、雪渓の様子が分からないのと同行の父親の体力を考え、安全第一で2泊とした。終始ガスっていたが時折、パーっと視界が開けて槍・穂高が顔を出した。とっても絶景だったが、カメラ不調で撮れず残念。

常念岳前の岩稜帯

蝶ヶ岳から常念岳は、アップダウンが続き疲れた頃に岩稜帯があるので初心者は要注意。後半は休み休み、ゆっくりと進んだ。

常念岳山頂

常念岳山頂では、雷鳥の親子が迎えてくれた。

子供を見守る親雷鳥

7月15日(月)曇り時々雨 
A隊 常念小屋(7:30)-前常念岳(9:00)-標準点檜跡(10:00)-三股(12:05)-三股駐車場(12:30)

天気は回復せず霧雨の朝に。最終日も時間との戦いになる。常念小屋に三股からの下山を自粛するような貼り紙があるためか、ほとんどのパーティは一ノ沢へ向かう。常念岳山頂と三股への分岐にさしかかると、雷鳥の親子に遭遇。10羽ほどで列をなす雛鳥たちの姿にとても癒された。気を引き締め、核心部である前常念岳に向かう。巨石が乱雑に並び、足を滑らせると隙間に落ちて身動きが取れなくなる箇所がいくつもあり、常念小屋の貼り紙にも納得できた。

前常念岳を振り返る

前常念岳山頂を過ぎても暫くは巨石で急な下り、一瞬たりとも気を緩めることができない。順調に高度を下げて樹林帯に入るも、前日の雨でぬかるみが続く。大きな檜の倒木(標準点檜跡)を過ぎると、水溜まりはさらに大きく、むき出しの根も増え、思うように早く下ることができない。退屈に感じながらも集中力を切らして転倒しないよう注意しながら黙々と歩く。沢の流れが聞こえ始め、間もなくして登山口に到着した。急いでB隊を迎えに一ノ沢登山口へ車を走らせる。


B隊 常念小屋(8:00)-一ノ沢登山口(12:30)

常念小屋の宿泊客はほとんどがこのルートを使って下りるようだ。安全第一で慎重に下山した。心配していた雪渓は登山道上にはほとんどなかった。一ヵ所雪渓を渡ったが、薄くなっていて逆に不安を感じたほどだった。

一ノ沢の雪渓

ここ数週間で人が入り、雪解けが進んだようだ。上部はまだまだ雪渓が残っていてとても綺麗だった。

(記 A隊オヨシ B隊ヒー)

三国山~三頭山

期 日:2019年7月13日(土)~7月14日(日)
参加者:Lダイヤ、こま
 
7月13日(土)雨
井戸(14:30)-三国山(16:05)-浅間峠(17:25)
 
上野原駅にて待合せ、バスに乗車したころから雨が降り出した。終点井戸で下車、はじめから傘をさすことになってしまった。軍刀利神社を過ぎて一段と急登になる、蒸し暑い。尾根道に出ると広く歩きやすくなり、ほどなくして三国山に着く。

三国山山頂

50周年記念の手ぬぐいを出して写真撮影、今回ここから記念登山ルートを三頭山へとつなぐ。雨で登山道もぬかり始めた、熊倉山を越えて浅間峠の東屋で雨をしのげることが最大の利点でありホッとする。そのような場所ではあるが、状況からすると水はけが悪く雨水がたまりそうなため、テントは張らずに休憩用の椅子にそれぞれ離れて寝ることにした。夜半雨がひどくなり、時々霧状になった雨が顔に当たるような状況だった。

7月14日(日)雨
浅間峠(6:05)-土俵岳(7:10)-丸山(8:10)-数馬峠(9:10)-槇寄山(9:55~10:10)-避難小屋(11:25~11:50)-三頭山(12:10~12:20)-大滝(13:30)-都民の森バスターミナル(13:50)

夜半ほどひどくはないが雨は降り続いている。雨水が予想したように流れ込み一部ではあるが溜まっていた。明るくなって朝食をとる。風もなく急な登下降もないので傘をさして出発とした。順調に歩を進め4時間ほどで槇寄山、ここまで来れば先が見えてきたので15分ほど休んだ。この後の避難小屋手前の大沢山への300mほどの急登が大変で今回一番のきつい登りであった。避難小屋は大きくしっかりした建物である。中に入って大休止、天気が悪いためか誰もいなかった。小屋から20分ほどで三頭山西峰1525m広場に到着。大きく三頭山と彫られた石柱の前で記念の手ぬぐいを出して写真撮影。

三頭山山頂

三頭山には他にも登山者がいて今回初めて二人並んで記念撮影が出来た。一番高い中央峰1531mそして東峰1528mと行ってみたがともに頂は狭く、西峰広場が多くの人が休憩できるような場所である。コースを少し戻り、ムシカリ峠から三頭大滝へと下る。大滝を見学用の橋からのぞくが、高さのある大きな滝であった(こまさんによると、前に会の山行で登ったことがあるとのこと)。都民の森へは、木材チップの敷き詰められたなだらかな歩きやすい歩道を進み森林館へ、最後階段を下り都民の森バスターミナルに下山した。

(記 ダイヤ)

上高地~槍ヶ岳

期 日:2019年7月13日(土)~7月15日(月)
参加者:いずっこ、他1名(非会員)

7月13日(土)曇りのち雨
上高地(6:40)-横尾(9:40)-槍沢キャンプ場(11:30)

7月12日の午後2時に高尾山口駅で同行者をピックアップし、松本IC近くで夕食と翌日以降の食料の調達を済ませ、前泊地である沢渡へ向かう。

翌日、沢渡発の始発バスで上高地へ。

上高地

上高地からはほぼコースタイム通りで槍沢ロッジへ。そこで2日分のキャンプ料金と賞味期限が若干過ぎたため半額で販売されていた缶ビールの支払いをし、30分ほど上流の槍沢キャンプ場へ。

槍沢キャンプ場

着いた時点で5張ほどテントが張られていたが、まだ幕営場所を自由に選べる状態だった。トイレも数年前に建て替えられたばかりでとてもきれいだ(それが翌日仇となるが)。テントを張り終え、昼食を済ませた後、夕食時の楽しみである、さっき購入したばかりの缶ビールを冷やしに槍沢まで行く。槍沢の水はとても冷たく、1時間足らずで十分に冷えた。そうこうしているうちに雨が降り出した。途中弱まった時間もあったが翌朝まで降り続いた。

7月14日(日)雨
槍沢キャンプ場(6:00)-槍ヶ岳山荘(9:30)-槍ヶ岳(10:30)-ヒュッテ大槍(12:00)-槍沢キャンプ場)(16:00)

朝起きた時には小降りになっていた。ここで大失態に気づく。テントの前室に置いておいた登山靴を雨で濡らしてしまった。タオルで拭いたものの湿ったままだ。同行者にダメ出しされながら出発した。大失態をした自分への腹立たしさをパワーに変え、ハイペースで歩き始めた。歩いているうちに雨は上がり、いくつかの雪渓をトラバースしながら登っていくと、槍の穂先が見えるほど雲も薄くなってきた。槍ヶ岳山荘で小休憩をして槍ヶ岳へ。

槍ヶ岳山頂

槍ヶ岳登頂は二回目だ。初回は初めての山の日の2日前である2016年の誕生日。この時は快晴の表銀座縦走からだった。初回の槍ヶ岳の思い出はいくらでも出てくるが、ここでは割愛する。槍ヶ岳山頂で十分な時間を過ごした後、槍ヶ岳山荘の名物、クロワッサンを楽しみに下山。だが材料の荷揚げが間に合わずクロワッサンはないとのこと。非常に残念に思っていると、また本降りの雨に。仕方がないのでヒュッテ大槍まで行って昼食を取ることに。ここで味噌ラーメンを頂いた。

美味しい味噌ラーメン

西〇ラーメンはおいしいと思わなかったが、ここのラーメンは絶品だった。そのまま雨の中を東鎌経由でテントまで戻った。

東鎌尾根の長いハシゴ

テント場に戻ってからも雨が降り続いていたため、テントの中で過ごしていたところ、騒がしい10人以上の外国人の団体がやってきた。夕食時から感じ始めた尿意、小降りになるタイミングを待って数時間様子を見たが一向にその気配がなかったため、意を決して10mほど離れたトイレへ雨の中駆け込んだ。すると、カレーが若干残っている鍋を囲んで4~5人の外国人が宴会をしていたのだ。灯油缶の椅子まである。そう、トイレットペーパーを入れる灯油缶を逆さにして使っていた。思わず声を荒らげすぐに片づけさせた。テントから仲間もやってきて数分で元のトイレになった。聞くとベルギー人だという。今思うと逆切れされなくてよかったと思うが、その時は怒りのあまり声が出てしまった。何しろ何時間も我慢した後の安らぎのトイレだったのだから。その後無事に用を済ませシュラフに戻った。

7月15日(土)
槍沢キャンプ場(7:00)-上高地(13:00)

昨日までの雨は上がり、テント撤収時には薄日も差していた。これまで雨の中テントを撤収したことがない。今回もそれは免れた。きっと雨中でテントを撤収するのは大変だろう。槍沢、梓川沿いを、横尾を経由して上高地まで戻ってきた。

河童橋付近でソフトクリーム

上高地から横尾までの3時間、鉄道や低公害バスで短縮できたらさぞかし行程が組みやすくなるだろうと思う。沢渡で自車を回収し白骨温泉で3日分の汗を流し帰宅。次回は西鎌、そして北鎌から槍ヶ岳をまた目指したいと思う。

(記 いずっこ)

早月川河口~剱岳

期 日:2019年7月13日(土)~7月15日(月)
参加者:みの

7月13日(土)晴れ
西魚津駅(10:31)-早月川日本海河口(11:09)-国道8号のコンビニ(11:46)-入会橋(12:58)-箕輪ダム(13:35)-伊折橋(15:45)-伊折(16:05)-剱橋(17:37)-番場島野営場(17:54)

京都駅から金沢を経由して北陸新幹線で黒部宇奈月温泉に、富山地方電鉄に乗り換えて西魚津駅に到着する。早月川沿いをミラージュランド側の海岸に向かいたかったが上半身裸の男性が歩いているのでこれを避けて早月橋を渡り対岸側から河口に出る。

早月川河口

写真撮影して日本海から剣岳への歩行を開始する。昼前にコンビニであんパンと水1Lを購入する。これが最初で最後のコンビニだったのでこれが本日の行動食になる。グーグルマップに導かれて早月川に付かず離れず田んぼや民家の脇を歩行するが誰とも会わない。やっと伊折に着くが集落などなく冬季閉鎖用ゲートがあるだけだった。道標には青年の家までの距離が表示されているが跡形もなく期待した自動販売機も無い。傾斜が急になった車道を歩いて番場島野営場に着く、幸い番場島荘で飲み物を購入できた。またグランピングの人がとうもろこしとトマトを差し入れてくれた。

7月14日(日)曇り時々雨
番場島野営場(4:06)-早月小屋(9:00)-剱岳(12:08)-番場島野営場(18:20)

暗い中を歩き出す。

早月小屋

昨日から営業開始した早月小屋前で休んでいると運動靴を履いた単独行者が追い越して行く。40分ほど登ると彼は引き返してきた、道が不明瞭なので下山するという。次第に残雪が現われるが難所の鎖は顔を出しておりアイゼンは出番がなかった。ガスの中を登り続けてお昼に頂上の祠に着く。

剱岳山頂

剣沢から登ってきたパーティが2組ほどいる。景色は全く無く写真撮影して下山する。早月小屋のスタッフが登山道整備をしてくれて、シュルンドに設置したてのお助けロープの第一号客となる。スタッフにお礼を言うとやりがいがあるといって喜んでいた。早月小屋の下から雨に降られる。野営場も雨で、炊事場の屋根を借りて夕食の餅をゆでているとグランピングの人が焼肉を差し入れてくれありがたく頂戴する。

7月15日(月)
番場島野営場(6:30)=上市駅

タクシー会社に電話すると駅から登山者を送ったばかりだったそうで番場島荘に行くとタクシーがスタンバイしていた。一昨日とは打って変わり楽々と駅に向かう。

(記 みの)

会山行A隊 種池~針ノ木峠

期 日:2019年7月6日(土)~7月7日(日)
参加者:Lそうべぇ、コバヤン、ヒー

7月6日(土)曇り
扇沢駐車場(9:25)-種池山荘前(13:10)-岩小屋沢岳(15:10)-新越山荘泊(16:00)

B隊を七倉まで送り扇沢駐車場には9:00到着した。身支度を済ませ扇沢第2駐車場を9:25に出発。5分ほど歩くと柏原新道の登山口に着く。登山口近辺の駐車場はすでに満杯。天候は曇り、周りの山々は雲の中に隠れ顔を出しそうにもない。天気予報は曇りを告げているが下り坂であることは予想できる。登山口から30分ほど歩くと汗が滝のように流れ始めた。北アルプスの7月初めは梅雨も開け爽やかなイメージであるが、樹林帯の中は風が吹かなければ蒸し風呂だ。今回は山小屋泊まりなので荷もそれほど重くないはずだ。この汗のかきかたは、暑さだけのせいではなく体力の低下が招いたことなのだろうか。コバヤンも同じく大汗をかいているが、ばててはいない。ヒーさんは楽しそうだ。加齢であり、仕方のないことなのだろうか。80歳までは今と変わらずに元気で山を歩きたいと思っている。体力が落ちないようい日々の生活を大切にしなければならないと反省する。八ツ見ベンチ10:15、2280m付近12:15。そうべえが遅れる。弱気の虫が騒ぎ始める「私は種池山荘泊まりとして、明日は柏原新道を下山しよう」などとくだらないことを考え始めた。コバヤン、ヒーさんから遅れること10分、13:10に種池山荘前に到着した。弱気の虫を飲み込み先に進む。ここから2時間30分ほどで新越山荘だから、もう少しの辛抱である。前を歩く2人と差が広がる。2人は差が広がらないように要所にて私を待つ。

稜線にて小休憩

15:10岩小屋沢岳を通過、16:00に新越山荘に到着。種池山荘前から新越山荘までの稜線歩きは曇りで展望はなかったが、足元にはイワカガミの群生、北アルプスは花の季節を迎えたのだ。これからいろんな高山植物が咲き乱れるのだろう。花が気持ちを落ち着かせてくれた。

ツガサクラとイワカガミの群生
他にも高山植物が咲いていた

山荘に到着したらすっかり元気になった。睡眠不足と長時間の車の運転、これも体調に影響したのかもしれない。車の運転は躊躇せず交代するようにしよう。山荘は小屋明けをしたばかり、天気も下り坂なのでキャンセルも出たとのこと。我々のほか3パーティのみで静かだ。八畳間の部屋に3人、なんと贅沢なことだろう。最盛期には20人ほど詰め込むそうだ。自炊後、20時消灯。8時間ぐっすり寝た。
新越山荘は、感じの良い山小屋だ。スタッフの対応は親切、部屋も清潔。自炊部屋は少し狭いと感じた。トイレはトイレットペーパーを便器に捨ててもOK。処理は燃やすので紙類があったほうが効率よく処理できるとのこと。トイレ事情は山小屋ごとに異なるが、登山者としては一番の関心ごとであろう。

7月8日(日)雨
新越山荘(5:20)-鳴沢岳(6:00)-赤沢岳-スバリ岳-針ノ木岳(10:00)-針ノ木峠(11:15)-扇沢駐車場(14:15)

午前4時に起床。とてもぐっすり眠れ、コバヤンの鼾や寝言も気にならなかった。外はガスっており、雨まじりだ。各自で用意した朝食を簡単に済ませ、身支度後5時20分に新越山荘を出発した。霧雨なので雨具を着込み歩く。もちろん展望は得られない。進む方向の右側(北)には名だたる峰々が並んでいるはずだ。展望がない分、足元の高山植物を見ながら歩けたことは儲けもんかもしれない。雷鳥も現れ、我々が歩く先々をまるで道案内をしているように登山道をゆっくり進んでいる。お尻を振りながら歩く姿はかわいい。出発は予定より20分遅れたが、鳴沢岳には予定の6時に到着した。

鳴沢岳山頂

展望がないのでプレッシャーとなるアップダウンを気にせず歩け、気付いたら目的の山頂に到着している、こんな感じだ。

スバリ岳山頂

針ノ木岳も予定通り10時に通過。ここから針ノ木峠までが今回の山行の核心部だった。残雪がいつもの季節よりも多く残り、ステップは切られているが雨のためコンディションが悪い。アイゼンを装着しても効きが悪く、足元がおぼつかない。滑ると谷底まで落ちてしまうので慎重に通過した。

慎重に雪渓を歩く

針ノ木峠には11時15分に到着。コバヤンと冗談交じりに、B隊と会えると感動だなと話をしていた時、「何か声、聞こえません?」。「まさか。」しばらく耳を済ませていると、本当に聞こえてきた。人影も見えてB隊と奇跡的な合流だった。ちょっと感動したな。B隊は七倉から船窪を経由し蓮華岳から扇沢を目指していた。B隊の幕営地から針ノ木峠までのコースタイムはA隊(我々)とほぼ同じ。もしかしたら出会うかなと思っていたが、まさか本当に出会うとは…ちょっと感動的です。

針ノ木峠で合同記念写真

針ノ木峠で合同の記念撮影を行い、一緒に針ノ木雪渓を下り無事に扇沢へと下山した。14時15分だった。

(記 そうべぇ)